スズキ エブリイ 「究極の実用車」のユーザーレビュー

究極の実用車

2021.1.11

総評

以前乗っていた富士重工業製最終型サンバーTV2、たまに代車で使用する現行ハイゼットカーゴと比較すると、設計が新しい事もあり、明らかにトータルバランスが優れています。
エンジンの特徴としては、サンバーは【粘りと耐久性】、エブリィは【パンチと低燃費】です。
忖度なしに申しますとハイゼットはガサツで煩い印象。
サンバーはRRでエンジンが運転席から離れている為に元来静かなエンジンでは無いですが、走行時には非常に静かです。
対するエブリィは、運転席下にエンジンが位置する為、静粛性には不利な設計ですが、エンジン自体が静かです。
エンジン搭載位置が同じハイゼットカーゴより明らかにエブリィは静かでトルクが厚く燃費も良いです。
尚、気になる耐久性も5000km毎オイル交換で25万km〜30万km程度は問題無いようです。
ドライビングポジションにおいては、サンバーはフルキャブ故のトラック的、ハイゼットカーゴは着座位置も低く乗用車的、エブリィは丁度この中間です。
乗り込みやすさはハイゼットカーゴが最も優れており、シート自体もサイズが大きく座り心地が良いです。
しかしながら、センターコンソールの張り出しが大きい為、私のシートポジションですと左足が常に硬いセンターコンソールに当たり、長時間運転では苦痛を強いられます。
シートポジションの自由度が高いAT車では、このあたりは問題無いかもしれません。
足廻りは、ハイゼットカーゴは国産ファミリーカー的、サンバーは国産スポーツカー的、エブリィはドイツ車的と感じます。
この辺りは好みの問題ですが私の場合、高速で長距離を走る機会も多い為、エブリィのドッシリとした硬めの足廻りは非常にしっくりきました。
峠道や街中での取り回しはサンバーが圧倒的に優れています。
ハイゼットカーゴは丁度この中間と感じます。
今回、４台60万km乗り継いてきたサンバーからの乗換えにあたり、エブリィとハイゼットカーゴを徹底的に比較考察しましたが、デザイン含めて私の好みはエブリィでした。
現在、納車1ヶ月半で既に6000km以上走行し、日に日に愛着が湧いてきます。
軽バン購入で悩んでいる方、特に今後の維持に不安が出てくる業務用の富士重工業製サンバーからの乗換えを検討されている方の参考になれば幸いです。
趣味で乗られている方は是非、一生サンバーを大事に乗って戴ければと思います。

満足している点

軽自動車規格の最大寸法を活かし切った箱型のシンプルなデザイン。
無駄な加飾も皆無で、非常に好みです。
乗り心地、ハンドリング、燃費、使い勝手、実質最大積載量、全て良好。
現行軽貨物の最高峰だと思います。
気になっていた足元の狭さも、実際に運転してみて特に問題ありません。

不満な点

NAエンジンのMT車の場合、コストカットの都合でタコメーターがありません。
唯一の不満です。

デザイン

5

非常にシンプルで質実剛健。
理にかなったエクステリアとインテリアの造形。
グッドデザイン賞も受賞した末長く乗れるデザインです。

走行性能

4

NAにも拘らず5MTはそれなりにキビキビ走る。
ノンターボの軽箱バンでは当然ですが、高速の長い登坂では多少力不足を感じるが問題無いレベル。
軽箱としては直進安定性も高く、高速道路での不安も少ない。

乗り心地

4

ハイゼットカーゴに比べ、シートも足廻りも硬め。
それ故にハンドリングも悪くない。

積載性

4

富士重工業製サンバーのフルキャブ構造と比較すると特に長尺物に関しては劣るが、四隅が直角に近い為、荷室の容積自体は広い。
ジョインの場合、後席の完全フルフラットが不可。

燃費

5

車重的にも空力的にも不利な軽箱で、この燃費性能は特筆すべきものがあります。

価格

5

ハイゼットカーゴにも言える事ですが、維持費が安く燃費も良く、荷物も沢山詰め、信頼性、耐久性も高い、更に趣味性までも高いこの手の実用万能車が最上級モデルでも新車150万円そこそこで購入出来るのは素晴らしいと思います。

故障経験

現在無し