2022年9月
■2022年9月
メルセデス・ベンツ日本は、まったく新しい電気自動車(EV)となる「メルセデスAMG EQS 53 4マチック+」を2022年9月29日に発表、同日に予約注文の受付を開始した。
今回発売された「メルセデスAMG EQS 53 4マチック+」は、メルセデス・ベンツが長年培ってきたラグジュアリーと快適性の理想を実現した最上級EVとなる。新たにEV専用のプラットフォームを設計・開発するだけなく、内外装に機能性とデザイン性を兼ね備えた装備を施している。また、フロントとリアに電動パワートレイン(eATS)を備える4WDで、最高出力658PS[484kW](RACE START使用時は最大761PS[560kW])を発生。バッテリーのエネルギー容量は107.8kWhで、航続可能距離は601kmと公表されている。トルクシフト機能によって、フロントとリアの電気モーター間で駆動トルクの連続可変配分が行われるため、前後駆動力配分は常に効率的かつ最適化されるという。
エクステリアデザインは、グリーンハウスを跨いで続く「ワン・ボウ(弓)」のラインとサッシュレスドアによって、クーペのようなシルエットを形成している。また、メルセデス・ベンツの典型的なシルエットとは異なるキャブフォワードデザインを取り入れて、通常よりも前方に配置したAピラーと前後のショートオーバーハングによって、ゆったりとしたキャビンスペースを確保した。フロントフェイスは「ブラックパネル」ユニットに統合され、超音波センサーやカメラ、レーダーセンサーなどが組み込まれているが、それらが表から見えることはなく、クリーンで独特の存在感を放っている。
インテリアデザインでは「EQS」を象徴する装備のひとつであるMBUX ハイパースクリーンを中心に、左右Aピラーの間にあるダッシュボードをほぼ埋め尽くす、大型の曲線的なスクリーンユニットで構成される。1枚のカバーガラスの奥にディスプレイが3枚あり、単一のスクリーンに融合したように見えるほか、いわゆるゼロレイヤーデザインに加え、触覚フィードバックや力覚フィードバックなどの直感的タッチ操作を採用した。また、エアアウトレットはジェットエンジンのタービンを模したデザインで、複雑な形状を持つタービンブレードは、エアコンの空気を効率よく配分する機能を備えている。センターコンソールの前部はダッシュボードにつながり、下側は宙に浮いたような構造となっている。ディスプレイの表示は複数のスタイルからカスタマイズすることができ、TRACK PACE、Super sport、 スポーティ、クラシック、ジェントル、ナビ、アシスト、サービスの8つを設定した。
サスペンションは、フロントに4リンク式、リアにマルチリンク式を採用。連続可変ダンピングシステムADS+とエアサスペンションを組み合わせたAIRMATICを標準装備した。また、技術陣の開発目標のひとつという、大きなボディのEQSをコンパクトカー並みに容易に扱えるようにするために、最大9度のリア・アクスルステアリングを装備。これはステアリング操作だけでなく、ブレーキやサスペンションなどの車両ダイナミクスコントロールに統合制御されている。
安全面では、車両接近通報装置や予防的乗員保護システム「PRE-SAFE」、アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック (自動再発進機能付)、アクティブステアリングアシストなどを装備した。