メルセデス・ベンツ CLEクラス カブリオレ 「こんなに優雅なクルマはそうそうお目にかかれない」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

こんなに優雅なクルマはそうそうお目にかかれない

2024.9.25

年式

2024年6月〜モデル

総評

“ゆったり感”というか“まったり感”というか、伸び伸びとした大人の雰囲気がたまりません。そもそもベースのCLEクーペ自体が伸びやかな大人のクーペなのですが、オープンにすると優雅さが倍増どころかそれ以上。こういうクルマで、屋根を開けて、近所をさらりと乗ったり海沿いを走ると幸せな気持ちになれますね。人生にゆとりがないと乗りこなせないかもしれません。

満足している点

なんといっても優雅さ。走りを求めたスポーツクーペも個人的には大好きなんですが、そうじゃなくてゆったりするための、のんびりとしたクーペもいいですよね。シャープに走るわけでもないし、自慢できるほど速いわけでもありません。でも、心が豊かになれる。おおらかな気持ちになれるのです。あと、後席とトランクは意外に広くてオープンモデルとしては実用性も高いです。

不満な点

車体が結構大きいこと（まあそれが伸びやかなスタイリングで優雅さを醸しているのですが）と価格が高い……ことくらいでしょうか。エンジンパワーは少なめですが、こういうキャラのクルマにはこのくらいがいいのでしょう。刺激を求めるのであれば、追って追加されるであろう「メルセデスAMG CLEカブリオレ」を待ちましょうか。

デザイン

5

十分に合格です。なんというエレガントさ。そして強調しておきたいのは、オープン時だけでなくルーフを閉じても美しいこと。幌を閉じた状態を斜め後ろから見たときのルーフ後端の丸みのなんともいえない美しさよ。優雅さよ。エレガントの極みです。このクルマは本当に絵になりますね。

走行性能

3

はっきりいって「シビれるハンドリング」とか「刺激的な運転体験」を求めるクルマではありません。魅力は、それらとはまったくベクトルが異なる「伸びやかさ」。正直に言うと乗り味はユルめです。ユルさって時としてクルマの運転感覚としてはネガティブにとらえられがちですが、このクルマの場合はそれがいい方向に感じられることを、きっと乗れば誰もが感じられるのではないでしょうか。時間に追われていないというか、優雅な生活というか、「飛ばしたい奴はどんどん先に行けばいいさ、オレにはゆとりがあるもんね」という感覚になれます。大人だなあ。ちなみにマイルドハイブリッドですが、モーターは黒子に徹しているので電動車感はまったくありませんね。

乗り心地

5

良好です。さすがエレガントの極み。誰が乗っても乗り心地に不満はないでしょう。

積載性

3

トランク容量はルーフの状態によって異なり、閉じた状態だと295L。開くと385L。もちろんミニバンとか大型SUVみたいなのを期待してはいけません。だけど、オープンカーだと思えば望外のトランク容量じゃないでしょうか。大型スーツケースも、トランクに1つと後席に1つの計2つが運べます。

燃費

3

WLTCモード燃費は14.0km/L。実燃費は日常域だと10km/Lちょっとくらいの印象です。いいとは言い難いですが、十分だと思いますけどね。

価格

2

936万円。なんとか1000万円は切りました。はっきり言って高いです。でも、その高いクルマに乗っているという満足感と充実感は十分に堪能できるでしょう。ちなみにこのクルマ、「メルセデス・ベンツ」ブランドの今のラインナップとしては唯一のオープンモデルです。「SL」は「メルセデスAMG」ブランドなので。