マツダ フレアクロスオーバー 「デザインだけで欲しくなる」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

工藤 貴宏
工藤 貴宏(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

5

デザイン
5
走行性能
3
乗り心地
3
積載性
3
燃費
5
価格
5

デザインだけで欲しくなる

2022.6.21

年式
2020年2月〜モデル
総評
デザインが気に入ったなら、それだけで購入していいと思います。そのくらいデザインに魅力があって、他の軽自動車(本家のハスラーを除く)とは被らない独特のキャラクターです。ターボエンジン搭載車であれば適度にパワーがあるから、遠出も苦にならない動力性能。日常の足として選ぶのも大いにアリですが、週末のレジャーのパートナーにするのにもいい気がします。さすがにファミリーには厳しいですが、2人でなら後席を畳んで積載量を増やせばキャンプに出かけられます。
満足している点
とにもかくにもデザインとキャラクター。唯一無二のスタイリング(本家のハスラーを除けば)は、所有するだけで毎日が楽しくなりそうです。普通の軽自動車じゃつまらないけれど、「ジムニー」ほどは割り切れないという人におすすめです。ハイトワゴンのパッケージングなので使い勝手もよく、見た目と実用性のバランスが最高です。加えて、ベーシックグレードでも装備充実でコストパフォーマンスが高いのも見逃せないところです。
不満な点
商品力の高いのでこれといってありませんが、言いがかり的にひねり出せば「軽自動車で主力となっている“”スライドドア”ではない」なんていう指摘もできますが、このクルマにスライドドアを組み合わせるのはちょっと無理があるでしょう。どう考えても別のクルマになっちゃいます。
デザイン

5

丸いヘッドライトがチャームポイントの、どことなくレトロな顔つきのSUVテイストのハイトワゴン。まったく同じクルマをどこかで見たことがあるような?……なんてわざとらしく言ってみましたが、そうです。スズキ「ハスラー」のマツダバージョンです。設計・製造はスズキが行うOEMモデルです。本家との違いはエンブレムのみ。先代に比べると、室内空間拡大のために側面が垂直に近づいて箱っぽさが増した印象がありますが、ハスラー独自の雰囲気はしっかり残っています。遊び心がある人向けのデザインです。
走行性能

3

メカニズム的には「フレア」、つまりスズキ「ワゴンR」がベース。熟成の域に達した「ハーテクト」と呼ぶプラットフォームは、普通に乗る限りこれといった不満なし。クロスオーバーSUVらしくアクティブに使いたいなら、動力性能にゆとりのあるターボエンジン搭載車を選びたいところ。ターボエンジンは自然吸気エンジンと比べて加速の力強さや高速巡行性能だけでなく、パワーがある分加速時のエンジン回転数が低くなるので、エンジン音が静かなところも魅力です。
乗り心地

3

先代の4WDモデルはサスペンションが硬めで、走行中に車体が小刻みにゆすられる印象があったのですが、新型になってそれがなくなったのがうれしいポイント。リヤサスペンション形式の違いにより、FFのほうが乗り心地に優れます。車体構造のベースになっている「フレア」に比べると重心が高い分だけヒョコヒョコする感じはありますが、決して不快になるほどではないでしょう。
積載性

3

後席居住性を重視したハイトワゴンタイプの軽自動車なので、過度な期待は禁物。しかしながら後席は左右独立のスライドや床下格納機能が備わり、必要とあれば後席に加えて助手席まで前に倒して2mほどの長尺物を車内に積むことが出来たりします。荷室の床や後席シート裏(倒した際に床面になる)は樹脂素材になっているので、汚れたら水拭きで簡単に掃除できるのも美点。つまり汚れたアウトドアギアなども気兼ねなくガンガン積み込めるというわけです。アクティブなキャラクターだけにこういう工夫が嬉しいですね。
燃費

5

全車ともマイルドハイブリッドを搭載し、FF車のWLTCモード燃費は22.6km/L〜25.0km/Lという低燃費を実現。普通車のフルハイブリッド並みの燃費です。4WDモデルでも20.8km/L 〜23.5km/Lと燃費の落ち込みが少ないのがいいです。いずれも燃費数値が低いのはターボエンジン車ですが、実は走る状況やドライバーの運転方法によっては自然吸気エンジンよりターボエンジンのほうが燃費がいいこともあります。理由は低いエンジン回転数でもパワーを引き出せるから。
価格

5

ベーシックグレードで144万2100円からの価格はなかなかリーズナブル。その価格でも装備を削った廉価仕様ではなく、先進安全機能はもちろん、LEDヘッドランプ、電動格納式リモコンドアミラー、オートエアコン、非接触式キーなどを標準搭載しているのだからさすがです。この価格なら普通のハイトワゴンの「フレア」よりも遊び心あるこっちを選ぼうかな……と思う人も多いのでは。
工藤 貴宏
工藤 貴宏
自動車ジャーナリスト
1976年生まれ。クルマ好きが高じ、大学在学中に自動車雑誌の編集部でアルバイトしたことをきっかけに、そのまま就職。そして編集プロダクションを経てフリーランスの自動車ライターに。日々新車を試乗し、日夜レポートを書く日々も気がつけば10年以上。そろそろ、家族に内緒でスポーツカーを買う癖はなんとかしないと。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
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