マツダ アンフィニMS-8 「おおげさに言えば，車とは何だろうと考え込...」のユーザーレビュー

おおげさに言えば，車とは何だろうと考え込...

2003.7.18

総評

おおげさに言えば，車とは何だろうと考え込ませるようなものがあるのが，この車；ＭＳ-８（２５Ｘ）である．木立で，湖で，街角で，じっと身を沈めて風景と調和したたたずまいは本当に何度見ても美しいと思う．目の前を，一陣の風のように通りすぎる姿，それはまるで翼を持ったギリシャの女神；ニケ像のように優美である．それなのに，なげやりなユーザーがぼこぼこに凹んだボディ－をほこりや泥にまかせて，だらしなく運転していると本当に悲しくなる．３０万，４０万の中古車の値段がそのまま車の価値と思う者には絶対この車はすすめられない．事実，高速道路を走っていると他人の心が透けて見える瞬間がある．たかがマツダの”ぼろ車”に追い越されたというだけで逆上したＳＵＶが，猛然と仕掛けてくるとか．その時，そのハンドルを握る者の心に，美しい後姿へのかすかな嫉妬，羨望が無いと言えるであろうか？でもあわてることはない．２００馬力の２５ＸはＡＴロックすれば瞬時に俊足に変身できる．僕のかなわぬ夢は，アテンザのサスとロ－タリ－という心臓を持った新ＭＳ-８の誕生である．

満足している点

ひやかし半分で入った小さな町のアンフィ二・ショールーム，そこで流麗なラインの車；ＭＳ-８と最初に出会ったのは今から十年ほど前のことだったと思う．これはと思った各社の車を試乗し，評論家気取りで長所，短所がどうのこうのとあげつらって，焦点の定まらない迷いの中に浮遊していたのが，試乗してものの数分もたたない内に，この車の魅力の中にとりこまれてしまったことを昨日のことのように思い出す．車に求めるものは各人各様であろう．走る手段としての基本性能や，安全性，生活との調和等．でも，僕の場合は，総ての場面における美しさ，黒豹のように柔らかさと力がぎりぎりのところで調和した美しさでなくてはいけないという思い込みがある．その意味でＭＳ-８は今でも比較しようもない美しさで輝いている車だと思う．少なからぬ評論家諸氏が聞くに堪えない言葉で悪し様にこの車をののしるのを目にしたり，また市場が決してこの車を歓迎しなかったことは僕にとっては今やどうでもよいことである．僕が残念でしかたがないのは，このように美しい車が消えつつあるということ，またそれよりももっと恐ろしいのは，今後も決して誕生しないであろうことが，幾多の新車の発表を見聞きして確信のようなものになりつつあるということである．

不満な点

使い勝手という見地からみれば不満な点は山のようにある．ゴンと突き上げるような切り替えショックの大きいＡＴ，ハンドル位置の調整の不自由さ，パネル文字を含めた内装質感等．しかし，誤解をおそれないで言わせてもらえば，それらはことごとく瑣末な不満にすぎないと思う．こうした不満をたかが２，３度の新車を乗り回した程度の体験をもとに，あたかも車としての決定的な欠陥であるかのごとく指摘するのはフェアではないことは言うまでもないが，逆に慣れ親しんだものでないと分からんと言わんばかりに，欠点を弁護するのもおかしなことになる．言いたいことは要するに，その車が体現し，はらんでいる車としての生き様のようなもの，その中で改良すべき点として受け入れられるかどうかと言えば，僕の場合は受け入れてきたということである．

デザイン

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走行性能

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乗り心地

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積載性

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燃費

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価格

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故障経験