ハイブリッドカーと高燃費ディーゼルはどちらがクリーン？

Question

燃料生産時の環境負荷も含めて考えるとディーゼルの方がクリーンだと聞きました。
だとしたら、省エネ商法みたいなのが終息したらやはりディーゼルが息を吹き返すのでしょうか？

Answer 1

排ガス成分が異なるので，ちょっと同じ土俵での比較が難しいのですが，あえて排出CO2量で比較してみましょう。

●燃費改善率
通常のガソリンエンジン車 ＝ 100% （比較基準）
ハイブリッド車 ＝ 130% （実燃費比較）
ディーゼルエンジン車 ＝ 125%

●CO2排出量比較
通常のガソリンエンジン車 ＝ 100% （比較基準）
ハイブリッド車 ＝ 77%
ディーゼルエンジン車 ＝ 82%

●燃料費比較
通常のガソリンエンジン車 ＝ 100% （比較基準）
ハイブリッド車 ＝ 77%
ディーゼルエンジン車 ＝ 73% （軽油がガソリンより10%安いとして）

●欧州のディーゼルエンジン車の状況
2008年シェア ＝ 53%
2009年シェア ＝ 48%

この落ち込みは，排ガス規制Euro5に対応するためコストアップしたためです。2014年から始まるEuro6はさらに厳しいので，もっとコストアップし，シェアが落ちると予測されています。これを受けて，ガソリン車のダウンサイジング・ターボ化が始まっています。

●燃費改善のポイントは？
ハイブリッド車とディーゼルエンジン車の燃費改善のポイントを説明しておきましょう。

・ハイブリッド車 ＝ 主として渋滞などの加減速時，減速エネルギを電気エネルギ回生する ～ 渋滞路が少なくなると，メリットは薄い

・ディーゼルエンジン車 ＝ どの走行条件でもディーゼルエンジンのサイクル効率は，ガソリンエンジンのオットーサイクルより高い効率をしている

将来，高速道路網がさらに整備され，しかも高齢化社会が進んで運転者人口が減ると，渋滞頻度はさらに低下します。そうなると，ハイブリッド車のメリットはどんどん無くなっていきます。

●ディーゼルエンジン車復活？
じつはディーゼルエンジン車の最大の魅力は燃料費の節約ではなく，走行性能です。同じ排気量で比較すると，ガソリン車の約2倍のトルクがありますので，街乗りでは軽々，加速し，高速道路では，余裕で追い越しが可能です。一度，運転すると，その魅力にとりつかれます。VWの方（ドイツ人）がおっしゃっていましたが，一度，ディーゼル車に乗った人がガソリン車に移行するためには，どうしてもターボ化で加速性能をあげないとダメということでした。

●日本で魅力的なディーゼル車とは？
日本では，下記のディーゼル乗用車が発売されています。

・ベンツ Eクラス
・日産 X-TRAIL
・三菱 パジェロ
・アルピナ D3

このうちアルピナD3（BMWの3シリーズをベースにした車両）

★D3のスペック
エンジン＝直列4気筒
排気量＝1995cc
過給機＝2個のターボ・チャージャ （ビ・ターボ）
ボア×ストローク＝84×90
圧縮比＝16.0
最大出力＝214馬力/4100rpm
最大トルク＝45.9kgm/2000～2500rpm
車両重量＝セダン：1570kg クーペ：1560kg
変速機＝6速MT 6速AT（スイッチトロニック）
加速性能（0→100km/h）＝6.9秒
加速性能（0→180km/h）＝23.7秒
最高速度＝244km/h
燃費（欧州コンビ）＝18.5km/L （軽油）
価格＝698万円（税込み）

恐るべき内容です。

簡単ですが，ご参考になれば幸いです。

Answer 2

ディーゼル先進国の欧州でもＨＶやガソリン車のアイドリングストップ車が増えてきましたから、国内でのディーゼル人気の復活は微妙でしょうね。

生産時の環境負荷まで考えても良いとは思いますが、所詮いままでさんざん黒煙をまき散らしてきた人やＨＶ車の偏見を持った人間が広めた話が始まりでしょうから、ＨＶやＥＶの普及の方が早いでしょう。

ＨＶディーゼルも考えられますが、エンジンの熱効率も今のガソリンエンジンはディーゼル並ですし今となってはコストのかかるディーゼルをわざわざ使う必要性はなく、域を吹き返すとは考えられません。

あるとすれば、欧州勢の様にコスト高を気にさせないＶ１２ディーゼルターボ・・・は極端な例ですが、Ｖ６ツインターボといったスポーツディーゼルなどの高級路線でしょうね。