2017年4月
■2017年4月
BMWは、5シリーズを2017年1月12日にフルモデルチェンジし、同年2月11日より販売を開始した。
5シリーズは全世界で800万台を販売するビジネスセダンの代名詞的存在。今回発表された7代目は部分自動運転を可能とした革新的な運転支援システムの採用をはじめ、同セグメントにおける他車を凌駕する燃料消費率を実現するなど、ベンチマークとしての地位を堅持したという。
2月に販売開始となるのは、クリーンディーゼルの「523d」、2.0リッター直4ガソリンターボの「530i」、3.0リッター直6ガソリンターボの「540i」と4輪駆動の「540i xDrive」の4モデル。プラグインハイブリッドの「530e」が本年第三四半期から、2.0リッター直4ガソリンターボの「523i」は本年第四四半期からの販売を予定している。
伸びやかなエンジンフードにショートオーバーハング、なだらかなルーフライン、ロングホイールベースのエクステリア。BMWならではのキドニーグリルとヘッドライトを繋げることでワイド感が強調され、よりスポーティイメージを増している。リヤは最新のLEDライトバーを採用し、リヤコンビネーションライトを大きくサイドに回り込ませることで、車両のワイド感が強調された。
インテリアは高い機能性を備えながらモダンな仕上がりを見せている。コクピットのレイアウトを運転席側に向けたドライバー重視のクルマ造りとし、さまざまな人間工学的アイデアと厳選された素材と匠の技による高品質な仕上がりが5シリーズの特徴となっている。
5シリーズの全モデルには新世代モジュラーエンジンコンセプトに基づくBMWツインパワーターボを採用する。「523i」には最高出力135kW(184ps)、最大トルク270Nmを発生する2.0リッター直4ターボを搭載。「523d」には140kW(190ps)/400Nmの2.0リッター直4クリーンディーゼルを、「530i」には185kW(252ps)/350Nmの2.0リッター直4ターボを、「540i」と「540i xDrive」には、250kW(340ps)/450Nmを発生する3.0リッター直6ターボを搭載。遅れて登場するプラグインハイブリッドの「530e」は、システム全体で185kW(252ps)/420Nmのパフォーマンスを発揮する。
ボディは全長がやや長くなったものの、アルミニウム合金、高張力鋼板、マグネシウム合金を積極的に採用することで、先代に対して約80kgの軽量化を実現。加速性能やハンドリングなど、走行性能の向上に貢献し、環境性能においても523dについてはクラストップレベルのJC08モード21.5km/Lを実現。3.0リッター直6を搭載する540i、540i xDriveでも燃料消費率は12.5km/Lとなっている。
部分運転を可能とした「ドライビングアシストプラス」の採用にも注目したい。新たに設定された「ステアリング&レーンコントロールアシスト」は、フロントウインドウに設置されたステレオカメラが車線、前方車両を検知し、ステアリングに操舵力を加えることで高速走行時に車線の中央付近を走行しやすいようにサポートを行う。渋滞時も先行車追従走行をサポートするなど、将来の自動運転技術を部分的に実現している。また側面衝突の危険性が高まった際には、ステアリング操作に介入し衝突を回避する「アクティブサイドコリジョンプロテクト」が有効だ。
さらに後続車から衝突の危険がある場合にハザードフラッシュが点灯し、危険性が高まった際にはアクティブプロテクションのすべてが作動する「後車追突警告」、駐車スペースからクルマを動かす場合や、視界の悪い状況で横切る車両や歩行者などと衝突の危険を検知した場合にコントロールディスプレイに警告表示を行う「クロストラフィックウォーニング」など、数多くの運転支援システムが採用されている。