BMW M3 セダン 「究極の4ドアスポーツセダン」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

究極の4ドアスポーツセダン

2021.9.27

年式

2021年1月〜モデル

総評

普段は高級4ドアセダンとして世の中に紛れ、一人きりの時間はキレッキレの走りを楽しむ。その使い分けができる点ではM4よりも大人っぽく、現行車種のなかでも最高に楽しいスポーツセダンだといえる。

満足している点

トランスミッションがDCTからATに変更されたが、スポーツ性能をスポイルしていない。むしろ渋滞時などではクラッチ摩耗の心配が減り、扱いやすくなったとも言える。

不満な点

GOODポイントで書いたDCT→ATへの変更は、スポーツドライビングを重視するユーザーにどう受け取られるか気になるところでもある。

デザイン

4

第6世代は予想以上に拡大された縦長のキドニーグリルが、良くも悪くも話題となった。しかし見慣れるもので、今はそれがひとつの強烈な個性とアイキャッチになっている。3シリーズから80mm拡幅されたフォルムは威風堂々。その上で走りにも高い安定性を与えた。

走行性能

4

新型直列6気筒ツインターボ「S58」ユニットの強烈なパワー（510PS）を、後輪だけで見事に受け止めるシャシーファースターぶりに脱帽（※）。シャープなハンドリングのM4に対し、どっしりした大人っぽいセッティングになっているのもM3らしさがあって素晴らしい。※2021年秋より4WD仕様のM xDriveも設定。

乗り心地

3

基本的にはがっしりした乗り味だが、コンフォートモードでダンパーをソフトににセットしておけばセダンとしての役目をきちんと果たせるだろう。

積載性

3

3シリーズと同じ480Lが確保されており、十分以上に実用的。

燃費

2

WLTCモード平均で10km/L。実質トータル6〜8km/Lぐらいだろうか。決して低燃費ではないが、このパフォーマンスから考えれば十分納得できる数値だと思う。

価格

3

ベーシックモデルで1324万円という価格は安くはない。しかし911カレラよりも安価な上に、フォーマルユースができて、もちろん走りの素晴らしさは保証付き。となれば、本気な人にとっては納得の価格設定だと言えるだろう。