アウディ A6アバント (ワゴン) 「正常進化した快適な長距離エクスプレス」のユーザーレビュー

べー. べー.さん

アウディ A6アバント (ワゴン)

グレード:A6 アバント 40 TDI クワトロ スポーツ_RHD_4WD(Sトロニック_2.0) 2021年式

乗車形式:マイカー

評価

3

走行性能
3
乗り心地
5
燃費
5
デザイン
3
積載性
5
価格
3

正常進化した快適な長距離エクスプレス

2024.11.22

総評
正常進化した部分も多いですが、新しいが故に”家電化“”電子化”した部分に難あり。
そして先代の出来がまあまあ良かったこともあり、コストカットが目に見えてわかる車になってしまいました。
とはいえ、買い物から車中泊、キャンプまで簡単にこなすことができ、1人乗車~4人乗車であればどの席でも快適に移動できるのは変わらず。
ボディサイズは全幅が先代から+10mmの1885mm、全長が-5mmの4950mm。
このクラスだと取り回しは当然よくないですがそこは4輪操舵(オプション)でカバー。
執筆時点で日本での発売からすでに5年が経過していますが、まだまだイマドキと言えるのではないでしょうか。
毎度のお約束ですが、ライバル(と謳っている)Eクラス、5シリーズにはブランド力では全く太刀打ちできないので、そこを気にする方にはAudi自体を全くおすすめしません。
ナビや電装系に少し不安はありますが、じっくり見て、乗って「いいな」と思える方にはA6という車は強くおすすめできます。
満足している点
先代(4G/C7)前期→後期からの乗り換えですが、基本的に快適な長距離エクスプレスであることは変わりありません。先代の時点でクルマとしてのレベルは高いと感じていましたが、さらに良くなったポイントを以下に挙げます。

・ハード、ソフト両面での大幅進化
基本設計が2010年の先代から8年進化。エクステリアは”最近のAudi”という感じ。
インテリアを見ると、大きめのモニタにバーチャルコックピット(液晶メータ)。最近ではどの車でも当たり前のようになってきてはいますが、やはり8年分の進化は大きいと感じました。
それ以上に驚いたのは、運転支援システムの進化。
先代でも衝突被害軽減ブレーキ(AEBS)や車線逸脱防止支援(LKAS)、アダプティブクルーズコントロール(ACC)は付いていました(オプション)が、LKASは車線の左右をピンポン玉のようにうろうろ、ACCはアクセルON、ブレーキONの設定しかないのか、前に車がいるのに規定の車間距離間近まで加速したと思えばすぐブレーキ…
今回のモデルではLKASは車線の真ん中をしっかりとらえステアリング操作を支援、ACCもアクセル/ブレーキOFFで車間が詰まるのを防いだりしてくれています。また、ACC作動中でもコースティングモードやアイドリングストップもしっかり作動。ほとんど人が運転するのと変わらないレベルになっていたことには驚きました。

・後席の居住性が改善
先代に比べシート座面長が伸びています。そのため、太もも裏をしっかり座面に付けた状態で座ることができ、違和感はかなり解消されました。
・ステアリングヒータが選択可能になった
2021年モデルからやっと日本でも選択できるようになりました。あると冬暖かくてありがたい装備です。

・乗り心地が良い
オプションでドライビングパッケージを選択した場合、電子制御サスペンション(ダンピングコントロールサスペンション)が装備されます。乗り心地の欄で後述。

・小回りが効く
オプションでドライビングパッケージを選択した場合、4輪操舵(ダイナミックオールホイールステアリング)となり、最小回転半径は5.7m→5.2mへ。イメージにくいですが、5.2mというとアクアやフリード、Audi車で比較するとA3に+0.1m。駐車時はもちろん、狭い交差点やUターン時はかなり恩恵を受けます。
不満な点
・MMI(ナビ)が欠陥品レベル
基本的に純正ナビでの音声案内を使用するのはおすすめできないレベル。
右折禁止で右折指示、目的地に着いたと思えば中央分離帯の向こう側なんて当たり前。
音声案内もわかりづらく、直進と右折レーンが分離した十字路交差点を直進させるときに「左方向です」と音声案内をします。意味が分かりません。
また、地図を拡大しても市街図はなし(都市部の3D詳細地図はナビに出ますが)、高速道路に乗っても出口やSAの案内すら出ません。
「じゃあCarPlayを使ったら解決するじゃん。」と思われるかもしれませんが、有線接続のみのCarPlayの接続も途中で何度も途切れたり、接続できなかったりと不安定です。このナビはどうにもなりません。
また自宅やラジオなどのメモリ昨日も日によって表示されたりされなかったり。
タッチパネルではなかった頃のMMI(MIB2まで)でできていたことがほとんど出来なくなっています。よくこれで搭載したなというのが正直な感想。

・電装系(ソフト面)が不安定
最近のクルマなので当然カメラだったりセンサだったりいろいろな機能がついていますが、毎週のように「運転アシスト:故障!」「ESC:故障!」「Pボタン:故障!」など出ます。
一瞬出て消えるものもあれば、放置したら消えるものもあれば…
全方位カメラ(サラウンドビューモニター)に関しては、日によって全方位カメラが使えなくなります。フロントだけ映っていたり、完全ブラックアウトだったり、エンジンかけなおしたら直ったり直らなかったり…
上記内容に関しては今回購入した車両だけではなく、以前に代車として2週間や1ヶ月借りた個体などほかの2台も同じであり、個体差はないと考えます。

・Connect機能(Audi Connect)で行える機能の少なさ
やれることと言えば、遠隔での施錠・開錠と携帯からナビへ目的地を送れるくらい。
車内では目的地検索にGoogle検索が使用できたり衛星地図を表示できたり、ニュースや天気を見ることができますが…使わない…
コンシェルジュ機能(Audi Connect Navigator)が廃止になる前は少しだけ便利でしたが、廃止になった今あまり価値は見出せません。
新車登録から3年間は無料で付帯、以降は2年ごとに12,650円(施錠・開錠)+42,350円(天気・ニュースやGoogle検索・衛星地図)。
一応2年延長しましたが、もう延長はしません。

・目に見える面でのコストカットの多さ
インテリアは先代に比べハードプラの箇所が増えました。そしてそのプラトリムの厚さもペラッペラに。軽量化などもあるので一概に悪とは言えませんが、見てるとちょっと悲しい…
フロントのシートベルトの固定部もシートフレームからピラーへ移動。あまり気にはなりませんが目に見えたコストカットだと感じます。
また、物理スイッチとして残っているスイッチ類も先代を含め一つ前のものと比べると引っ掛かりがあったり各スイッチで押し心地にばらつきがあったり、過去のAudiと比較し「あぁ金掛かってないんだな…」と思わされる触り心地。
さらに2021年モデル以降は、リアフロアマットのピン廃止、コンソールのボルト隠し蓋廃止、シートベルトバックルのイルミネーション廃止、ドアポケットイルミネーション廃止などなど…先代では照らされていたドアポケット内が照らされなくなったのが特に不便。
その他先代より劣化したポイントとして

①フロントサイドドアガラスが合わせガラスではなくなった
②前席ヘッドレストの前後可変機能がなくなった(本国ではオプションあり、日本ではコンフォートシートのみ装備)
③マップランプでリヤのライトだけ付けるボタンがなくなって不便 ぐらいでしょうか。

・インテリアの質感
ハードプラが増えただけではなく、未だにドアアームレストがステッチなしの革シボ塩ビ巻きだったり、2022年モデル以降は本木目パネルがオプションですら選択できなかったり…他社同セグメントと比べるとどうしても劣ります。
※ちなみにアームレストや木目は日本仕様に設定がないだけで、本国ではオプションとして設定があります。

・スピーカーの音質が悪い
先代は日本仕様はBOSEサラウンドサウンドシステムが標準装備。
現行はアウディサウンドシステムが標準装備。
どちらも本国ではオプションなのですが、
先代では本国では低価格から順に
標準装備(日本設定なし)→アウディサウンドシステム(日本設定なし)→BOSE→B&O
でした。
今回モデルでは
標準装備(日本設定なし)→アウディサウンドシステム→B&O 3Dサウンド→B&O 3Dアドバンスト(日本設定なし)
単純にスピーカーのオプショングレードが下がっただけなので音質が悪いのも納得…せざるを得ないかなと。気になる方はB&O 3Dサウンドシステムが必須。
デザイン

3

引き算の美学の究極であったような先代(4G/C7)のシャープかつクリーンなデザインに若干の角張りとエッジを立たせたラインをプラスしたおおむねキープコンセプトのデザイン。
チーフデザイナーが変わっており、今のAudi車の言語デザインはこの車のデビューあたりから始まっています。
ボディサイズは全幅+10mm以外ほとんど変わっていないとは思えないほど視覚的に大きく見えます。
先代ではボディ裾部に向けすり鉢状に絞られ、フェンダーだけ張り出していたようなボディでした(実際、全幅が一番広いのはフロントフェンダー頂点)。
今回はボディサイド面全部で幅いっぱい、といった印象。ボディ裾部は先代と違い比較的地面と垂直に落としていたり、新しいデザイン言語で取り入れられているブリスターフェンダーとして面全体で出ている感じがあり、塊感は強くなりました。
周りからも車格が1つ上がったように見られます。ラグジュアリーさは以前に比べかなり強くなっています。
デザインの好き嫌いは個人にお任せするとして、一つかなりもったいないのが「グリルのレーダー部分」。コストや(発表当時)自動運転レベル3に対応させるために仕方ないとはいえ、もう少しレーダー部分をうまく隠していただきたかったですね。

ちなみに私は先代のデザインの方が圧倒的に良いと思っています。
走行性能

3

今回は初めてディーゼル車を選択。
先代前期V6 2.8 FSI(自然吸気)→先代後期直4 2.0 TFSI(ターボ)→直4MHEV 2.0 TDI(マイルドハイブリッド+ディーゼルターボ) への乗り換え。
車両重量1870kg〜のクルマに150kW(204PS)/400Nm(40.8kgm)のディーゼルターボエンジンは正直なところ、「ストレスなく街中を走れる最低限」の出力であると感じます。
また今回、2Lモデルには12Vマイルドハイブリッドが搭載されていますが、恩恵は体感できるほどではありません。
また、ディーゼル特有の振動はどうしても車室内やペダルを介して足裏に伝わってきます。
ガラガラ音も外から聞くとそこそこ大きく、車内でもガソリン車同等の静粛性とは言えません。
ディーゼル車の特性(デメリット)や燃費の良さ(メリット)、出力の低さなどいろいろ勘案したうえで快適移動手段、足として割り切れるなら2リッターディーゼルの選択はありだと思います。
パワーが必要な方は55 TFSI(3.0Lガソリン)、ディーゼル車の音や振動が苦手な方は45TFSI(2.0Lガソリン)をお勧めします。
乗り心地

5

ダンピングコントロースサスペンション(オプション)の乗り心地はかなり高いレベル。
良く動く脚です。通常時の乗り心地は比較的柔らかめです。段差などの大きい入力があると流石に揺れますが一発で収まります。エアサスほどふわふわせず、路面からの情報も捉えられるのでドライバーズカーとしては良いバランスに思えます。
ワインディングで少し車を振ってみると、ロールがかなり抑えられているのがわかります。安定感があるため、体感よりもスピードが出がち。
積載性

5

基本的には荷物を載せないので重視するポイントではありません。
先代と大差ないように思えます。
リアシートの分割が4:6から4:2:4に変更されており、長尺物を載せやすそうです。載せませんが…
燃費

5

2.0L ガソリンターボ→2.0L ディーゼルターボへ乗り換えです。
Eセグメントなので楽しさは基本ないものですが、ディーゼル車だとさらに楽しさはありません。それと引き換えに経済性には非常に優れています。
燃料がハイオク→軽油へ、平均燃費は9.2km/L→約15km/Lになりました。
時速110kmあたりでトップギア(7速)に入るので、この速度域での高速巡航だと20km/Lも越えます。
同じ距離走行したときの燃料代は約半額と考えてよいでしょう。
価格

3

認定中古であっても、3年落ち3万キロで新車価格の50~60%になるので非常にコスパが良い。悪く言えばリセールは壊滅的。
故障経験

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