新型チェロキー、本気になったジープの底ヂカラ
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:小林 俊樹
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:小林 俊樹
乗り込み、走り出すとこれまた衝撃的変貌だ。今までのジープ特有のゴツゴツさやユサユサ感とは無縁で、乗り心地は静かかつ滑らかでボディ剛性もたっぷり。オンロード性能はまさしく上級サルーン並みだ。
ハンドリングも滑らかで上質感があり、かつてのチェロキーとは別物。テイストはジープらしく若干ゆるめだが、しっかり感もあって明らかにドイツ製SUVや日産エクストレイルなどと同レベルのオンロード性能。実際、足回りにもアルミ製フロントクロスメンバーやアルミ製バネリンクを採用しており、今までとは次元が違う出来映えだ。
その根源たる秘密は明らかで、今回はプラットフォームをダッジ・ダートと共有。元を辿ると現行ジュリエッタの新世代FFプラットフォームで、ホワイトボディの65%に超高張力鋼板や高強化スチール、ホットスタンプ加工を採用。ねじれ剛性だけとっても前モデル比36%アップとまるで違う。
それはパワートレインや4WDシステムも同じで、ベーシックな2.4リッター直4のタイガーシャークエンジンは、177ps/229Nmの十分なパワー&トルクを発揮するだけじゃない。燃費効率を実に45%も改善。それを搭載する「ロンジチュード」はJC08モード燃費で10.4km/Lだから、今までのはなんだったの? ってくらいに良くなっている。
同様に本格オフロード仕様の「トレイルホーク」と豪華バージョンの「リミテッド」に搭載される新型3.2リッターV6のペンタスターエンジンも272ps/315Nmを発揮するだけじゃない。燃費効率は30%も改善して、JC08モード燃費は9km/L弱。ちなみにどちらのエンジンも9速ATと組み合わされる、超ハイテクぶりなのだ。そして実際のマナーは非常に上質。かつてのジープにあった時代遅れ感はまるでなし。
当然4WDシステムも最新。リミテッドに積む「アクティブドライブII」と、ハードなトレイルホークに積む「アクティブドライブロック」の2種類で、どちらも走行モードが選択できるセレクテレインシステムを備える。しかし本当の注目は残るロンジチュードがチェロキーとして初のFFモデルであること。遂にジープも都会派仕様を出す時代になったわけ。これまた隔世の感がある。
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