ボルボ新型XC40は兄貴分たちに劣らない乗り味とユーティリティが魅力
掲載 更新 carview! 文:石井 昌道/写真:ボルボ・カー・ジャパン
掲載 更新 carview! 文:石井 昌道/写真:ボルボ・カー・ジャパン
EPS(電子制御パワーステアリング)はアシスト量の大きいラックアシスト式だけあって操舵力が軽めながらインフォメーションが確か。チープなEPSにありがちなカクカクとしたコギングのような感触はなく滑らかで高級感がある。センター付近のわかりやすさ、微舵領域での反応なども申し分ない。ざらついたロードノイズがやや耳に付くこともあったが、20インチ・タイヤとしては妥当なセンではある。その他のエンジン・ノイズなども含め、静粛性に関しては兄貴分たちのほうが若干有利かもしれない。
D4に乗り換えるとロードノイズが減り、乗り心地にはさらにマイルドさが加わって快適そのものだった。コーナーでの振る舞いにも不満はないが、R-DESIGNの適度に活発なハンドリングのほうがXC40のキャラクターにはあっているようだ。
エンジンに関してはすでにお馴染みのものなので多くは語らないが、低回転域からトルクフルなD4はやはり日常使いには優れていると感じた。だが、T5もまったく悪くなく、XC60で乗るよりもずっと良く感じられた。150kgほど軽いからか、低回転域からターボのもたつきを感じづらく、ドライバビリティがいいのだ。しかも高回転域まで伸びやかでスポーティ。ノイズも耳に付きにくいので、XC40ではT5がベストマッチなのかもしれない。
XC90やXC60などボルボの新世代商品群に惹かれてはいるものの、サイズや価格などで二の足を踏んでいる人にとってXC40は理想的な存在だろう。人によっては横幅がやや広いのがネックになるかもしれないが、デザインや質感、乗り味などはコンパクト・セグメントだからといって手抜きされてはいないので期待していい。日本へは2018年の6月前後にまずT5 AWDから導入が始まる。その後、180PS程度のガソリンのFFがエントリーモデルとして追加されるようだ。
D4については残念ながら未定。3気筒のT3は本国でも1年以上後にならないと発売されないが、日本に導入される可能性もあるようだ。また、2019年以降になるが48VのマイルドハイブリッドやEV(電気自動車)も追加される。日本は電動車両の有望市場と見られているから、こちらの導入にも期待したい。
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