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旧オーナー伏木悦郎が 新旧プリウスで哲学!

それでも評価は新型に傾かない

テストしたプリウスIIIには、オプションのソーラーパネル付ムーンルーフが装着されていた。専用の太陽発電で車内換気を行なうソーラーベンチレーションと、車外からの作動が可能なリモートエアコンシステムのセットオプション。ボディ上部に約20kgの重量物が載るこのセットアップには、ツーリングセレクションに設定されるハードセットサスが用意される。ただし、タイヤは215/45R17ではなく、Sに標準の195/65R15。重心高の上昇による操安性の悪化と燃費性能の維持をはかりにかけた結果だが、走りのバランスは悪くない。プリウスIIIに共通する剛性感と静かな乗り味が調和した独特の雰囲気は、柔らかさと優しさが先に立つプリウスIIとは異質の感覚だ。

これまで一般的とされてきた価値観に照らすと、よりパワフルで速く、剛性感が高くてハンドリングも正確、空力性能にも優れて燃費もいい。プリウスIIIはすべてにおいてプリウスIIを凌ぐということになりそうである。

だが、それでも僕の評価は新型に傾かない。

プリウスIIIは、排気量アップをともなうシステムパワーの増強によって、180km/hのトップスピードと最大38.0km/Lの燃費を実現。その走りのパフォーマンスに見合うボディを仕立てた上で、これまでのエコカーの概念から一歩踏み込んだ走りのセットアップもトライしている。ツーリングセレクションに採用された215/45R17というタイヤ選定は、右肩上がりを善とする従来型の価値観に照らせば歓迎されるのだろうが、これからの時代に相応しいかどうかは疑わしい。

プリウスIIは、スタイリングにしても走りのパフォーマンスにしても目線がフラットで過度にスピードに依存する感覚がない。乗り換えると走りのキャラクターは真逆だが、決定的にスピード不足と感じることはまれだ。

欧米対応と称してスピードレンジを高め、ドライバーを無意識の内にエネルギー多消費に向かわせかねない新型と、レベルではなく限られた資源を有効に使う発想を掘り下げる余地を残した旧型。どちらに未来があるかといえば僕は後者。そこに見られる全体に貫かれた人に優しいクルマ作りだと思う。10年前だったら諸手を挙げてプリウスIIIと言えたが、時代は完全にシフトした。

プリウスIIIは、製品としては素晴らしいけれど上を見たことで時代の流れから外れかけている。プリウスIIは、THSのオリジナルコンセプトに留まるがゆえに次が展望できる。いま問われているのは勝ち負けではなくて、どちらに未来が託せるか。僕はもう少し年季の入った従来型に付き合おうと思っている。(試乗編・終)

※赤字…2人乗車

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