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SLS AMG 国内試乗記 AMGの悲願が叶うとき

6.2リッターV8とロー・ギアード

鼻先に収められる、63シリーズ中最もハイチューンとなる6.2リッターのV8はご存知のように、AMGの完全オリジナル設計となるパワーユニットM156型の発展系である159型である。このエンジンは本来、今の時代を直噴化で乗り切るはずだった。しかし時代が求める環境性能は想像以上に厳しく、AMGの主力エンジンは5.5リッターのV8ターボへと改められた。そうした時期にも関わらず、SLS AMGにこの6.2リッターのV8が与えられたのはやはり、このクルマはAMGの手によって設計された初めてのクルマだからだろう。そんなクルマにはやはり、100%オリジナルのAMGユニットが相応しい。

最高出力571ps、最大トルク66.3kgmを発生する6.2リッターのV8の有り余るパワー&トルクは、後の2輪だけで受け止められる。言葉にするとあっさりしたものだが、その数字の大きさを考えるとアンビリーバブル。だがSLS AMGはこの“信じられない”を実現するために、実にまじめに作り込まれているのが特徴でもある。

例えば前後重量配分はFRとしては珍しい前47:後53の後ろ寄り。これも理屈を考えればなるほど納得で、つまりはトラクション重視として大パワーを受け止めるためだろうと考えられる。もちろんそのためにトランスミッションは後輪の間に配置されるトランスアクスル方式を採用している。

さらにシャシーで興味深いのはこのクラスのスポーツカーでありながら、電子制御の可変サスペンションを備えておらず、コンベンショナルなメカニカル・サスペンションを採用している点。これはSLS AMGがサーキット走行までしっかりと想定していることの証だろう。もちろん電子制御のサスペンションでもサーキット走行向けの設定は可能だが、コントロールしている様を余す事なく伝えるリアルな感触という点でもメカサスの方が上。SLS AMGがいかに走りを存分に楽しみ味わう設定であるかが分かる。

さらにゲトラグ社製の7速ツインクラッチ式2ペダルMTのステップ比は本気のローギアードな設定。実際100km/h巡航で、トップギアで2000rpmを大きく超えてしまう。6.2リッターのV8で7速ならば、いまどきであれば2000rpm以下だろう。そうした時代性にこだわらない辺りは加速の良さやレスポンスの良さを重視している証だ。

つまりSLS AMGに内包されるメカニズムを紐解くと、そこにあるのは圧倒的なまでに“走るため”を重視した内容が見て取れる。ある意味、時代に逆らっているとすら思えるほどに、走りに対してストイックな仕立てとなっているのだ。

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