ギャラン フォルティス スポーツバックに試乗

滑らかさ、質感はいまひとつだが…

しかし、乗るとやはり三菱車であることを実感する。私が乗ったのはスポーツグレードのラリーアートだが、インテリアからして少々物足りない。もちろん、セダンが180万円以下、5ドアが190万円台から買えることを考えると値段なりだが、特にお得な感じはしない。

インパネ樹脂はほぼソフトバッドなしのハード素材のみで、ラリーアート仕様に付いていたメタリック調パネルはやや質感が足りない。シートも悪くはないが、格別印象に残らない。

走り出しても同様だ。エンジンは始動したとたん、「ガーッ」と少々ツヤっぽくないノイズが入ってきて、走り出すとタイヤノイズも含め、徐々に音圧レベルは高まる。回転フィールも240馬力を発揮する6000rpmまで自然に伸びるが、無駄に回したくなるほど滑らかではない。

足回りもスポーツ度合いの強いのラリーアートということもあって、路面の大きめな継ぎ目でゴツッとノイズが入ってくる。

しかし、基本的な乗り心地、操縦性は非常にレベルが高い。それは三菱ならではの事情も関係しており、車種別に細かくプラットフォームを変えることができないために全体がオーバークオリティなのだ。

具体的にはフォルティスからランエボ、はたまたミニバンのデリカD:5までプラットフォームを共有。よって基本剛性は非常に高く、ステアリングの質感や剛性感、飛ばした時の安定感や安心感、細かい部分を除く乗り心地などは非常に良い。

特に個人的には直進性が良いフルタイム4WDのクセして、ステアリングを切ればシームレスにスッと曲がるコーナリング性能や、1速から6速までキッチリとエンジンを味わえるツインクラッチSSTは素晴らしいと思った。総合的な乗り心地も悪くないし、値段はもちろん300万円ちょいにハネ上がるが、検討の価値はある。