ル・マン直前。トヨタチームの中心=TMGに参戦の意義を聞いた
掲載 更新 carview! 文:島下 泰久/写真:トヨタ自動車
掲載 更新 carview! 文:島下 泰久/写真:トヨタ自動車
先日、ヨーロッパでの取材の合間を縫って時間を作り、ドイツ ケルンにある「TMG(トヨタ モータースポーツ有限会社)」を訪問してきた。トヨタのヨーロッパに於けるモータースポーツ活動を担う同社は、元々はWRCの前線基地であったTTE(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)が起源。これまでグループA時代までのWRCにF1、WECなどをトヨタ チームとして戦ってきた会社である。
施設内を見学し、またTMGの副社長/テクニカルダイレクターのパスカル・バセロン氏、そしてここで開発される「GRスーパースポーツ コンセプト」の市販版の開発責任者である古場博之氏などに話をうかがうことができた今回の訪問。せっかくなので、意外や知られざる? TMGとはどんな会社なのかをここで紹介できたらと思う。
「現在のTMGの業務の一番大きな部分を占めるのは言うまでもなくWECでのレース活動です。続いてはWRC用のエンジン開発。その他に86などを使ったカスタマーモータースポーツの支援、そして古場さんが手掛けているGRスーパースポーツもあります。実に60以上のプロジェクトが同時に動いているんです。スタッフは正規メンバーだけだと300人ほどですが、色々合わせれば400~500人にはなります。国籍は20以上、40歳以下の若いエンジニアがとても多いですね」
バセロン氏は、まず会社の規模をこう紹介してくれた。ちょうどレースウィークだったこの週、工場内ピットではWECのマシンを整備中。また、カスタマーラリー用の「86」の製造、そしてこの時、目前に迫っていたニュルブルクリンク24時間用の「レクサスLC」も、やはりここの一角でトヨタ自動車のスタッフ達によって整備が進められていたという具合で、とにかく規模は非常に大きい。
「各プロジェクトは、それぞれがひとつの小さな会社のようなものです。独自の予算を持ち、リスクと利益があります。こうすることでエンジニアの経験が高まり、仕事の効率も向上するんです」
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