N-WGN、部品供給が滞り一時生産停止
text:Naoto Nishimura(西村直人)2代目となったホンダの軽ハイトワゴン「N-WGN」
【画像】N兄弟 N-WGN/N-ONE/NBOX 全260枚
現在、電子制御パーキングブレーキ(EPB)の構成部品に不具合が見つかり部品供給が滞り一時生産停止となっている。
これはサプライヤー企業が製造する部品でN-WGNそのものに非があるわけではない。いわゆるリコールとも違う。単純に部品供給が滞っていて生産ができない、これが実情だ。
一方、新型N-WGNに対するユーザー評価はとても高い。広報部によれば8月9日の発売以降、9月28日時点で2万6000台の受注を抱えていたというから、相当な人気ぶり。
軽自動車市場の競争は非常に激しく、ご存知のように2019年も日産/三菱の「デイズ/eKワゴン」、ダイハツ「タント」と強烈なインパクトをもった新型車が投入された。
N-WGNの成り立ちは初代が誕生した2013年からユニークだった。当時から人気を博していた背の高い軽スーパーハイトワゴンよりも、あえて低い車高で誕生したからだ。
たとえば兄弟分の「N-BOX」と比較すると135mm低かった。同じく兄弟分の「N-ONE」では物足りない、けれどもスーパーハイトワゴンまでは必要としないユーザーにとって、まさに「ちょうど良いサイズ」だったわけだ。
この発想は新型N-WGNにも受け継がれている。
N-WGN「ファーストカーとして満足」と筆者
新型N-WGN、ずばりファーストカーとして満足できる走行性能を持つ。
競合車と同じくNAエンジン/ターボエンジンを用意するが、筆者(西村直人)のおすすめはNAエンジンだ。
トランスミッションであるCVTにはN-WGN向けに専用制御が盛り込まれ、日常のあらゆる走行シーンで力強さが体感できる。
具体的には、大人2名+ラゲッジにそこそこの荷物といったシーンであれば余裕すら感じられ、エンジン回転が先行するラバーバンドフィールもアクセル全開時以外には顔を出さないから静粛性も高い。
運転席にはSバネ構造を採用し内部のウレタン密度を30%アップさせて身体との密着度を高めた。
ステアリングには上下調整のチルト機構に加え、前後調整ができるテレスコピック機能を追加し正しい運転姿勢がとりやすい。新設計のブレーキペダルとリンク式機構でブレーキ操作もスムースだ。
後席では乗り降りする際に身体が当たるボディ側を20mm内側に削ることで乗降性能を向上させている。ラゲッジルームもさらに使いやすくなった。こうした細かな改良も新型N-WGNの美点だ。
新型N-WGNは、車としての基本性能性能を高めたことで競合車との差別化を図った1台。機能強化されたホンダセンシングによる高い安全性能も光る。
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