はじめに
今回のテスト対象は、BMWのデザインコンシャスなクロスオーバーハッチバック、X2のハイパフォーマンスバージョンだ。そのルックスがお気に召さない向きもあるだろう。ミュンヘンの面々も、それは承知の上だろう。確信犯だと言ってもいいかもしれない。
背が高い5ドアのファミリーカーながら、600万円近い価格で、300ps級のパワーと4WDを兼ね備えるX2 M35i。BMWがこのクルマの外見とポジションを評するのに用いた言葉は「二極化」だ。X2をはじめてロードテストの物差しで測るにあたって、われわれはこの最上級バージョンを選択した。
X2は、賛否両論あることを覚悟の上で造られたクルマだ。エントリーモデルであっても、この手のクルマのほとんどより大胆で目を引く視覚的なボリュームをもたせ、一般的なクロスオーバーのデザインとは一線を画した。
そして、明らかに若くてどこまでも自由な考えを持つオーナーの個人主義を主張するものに仕立てる意図があったと思われる。Mパフォーマンス版でなくとも、見るもののほとんどを振り向かせたに違いない。
とはいえ、われわれはこれから、このクルマについて短からぬ文章を綴っていこうとしている。そのパフォーマンスやハンドリング、英国の路上における快適性や日常での使い勝手などを、ロードテストの尺度でつまびらかにしていくのだ。
また、このクルマがまだ目新しいMパフォーマンスの名にふさわしいのかも判定したい。むろん、派手でアグレッシブなルックスや、それと同じくらい驚くべき価格についても言及することになるだろう。
ハイパフォーマンスなクロスオーバーは成長しつつあるジャンルだ。このBMWは、群雄割拠するこの新たな戦線で、覇を唱えることができるのか。そしてより重要なのは、これが買うに値するクルマなのか。そこのところをはっきりさせようではないか。
意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆
X2のプラットフォームであるUKL2は、ミニブランドの大型モデルや、ついに前輪駆動ベースとなった第3世代の1シリーズとシェアするコンポーネンツ。生産するのも新型1シリーズと同じ、ドイツのレーゲンスブルク工場だ。
ここ最近のBMWが採っているスモールカー戦略を把握しているなら、このクルマがエンジンをフロントに横置きし、前輪駆動を主体にラインナップしていることはご存知だろう。
今回のM35iはしかし、二輪駆動ではない。Mパフォーマンス初となる4気筒は強烈な306psを発揮。B48型2.0L直4ターボのバリエーションはミニ・クーパーS用からBMW530e用まで多岐にわたるが、今回の新たなパフォーマンス仕様は、大型化したメインベアリングを備える新たなクランクシャフトや、新設計のピストンと吸気システムを備え、ほかのバージョンより大きなターボチャージャーに合わせて圧縮比が下げられている。
最高出力の306psは、1750rpmから発生した最大トルクの45.9kg-mが下がり始めた直後に発生。このサイズのクルマには十分すぎるトルクだと思うだろうが、それはMディビジョンのエンジニアたちも同様だろう。それだけに、クラッチ方式の四輪駆動を組み込んだのだ。リアアクスルに装備されたそれは、ほかの4WD版X2とは異なるシステム。また、フロントアクスルに採用されたLSDが路面へのパワー伝達を補助する。
電動パワーステアリングは、専用スペックに再チューン。ギアレシオは、ほかのX2が15.9:1なのに対し、M35iは15.0:1だ。
Mスポーツ仕様のローダウンサスペンションや高性能版ブレーキ、20インチのホイールとランフラットタイヤは標準装備だが、アダプティブダンパーはオプションのMスポーツプラスパッケージに含まれる。ただし、アダプティブダンパーに組み合わせるタイヤとホイールは19インチになる。
ボディカラーは6色用意されるが、どれも専用色ではない。逆に、ほかのX2との識別点となるのがセリウムグレーのボディトリム。ドアミラーカバーやキドニーグリルのフレーム、テールパイプが変更される。これがとくに好みではないというテスターも、少なくともグロスブラックやクロームとの差別化としてはおもしろいという意見だ。
内装 ★★★★★★★★☆☆
ドライバーズシートから見ると、キャビンはややタイトで、助手席との距離が近く感じる。もっとも、このクルマのボディがコンパクトSUVというより大柄なハッチバックのようなサイズであることを踏まえれば、驚くには当たらない。それでも、ファミリーカー向けハッチバックの一般的な水準からすると、前席の囲まれ感はいささか強い。
それでも、問題になるほどではない。キャビンのヴィジュアルやマテリアルのアピールは、数少ないパフォーマンスクロスオーバーのライバルたちと比べてもトップレベルだ。
X2におけるより魅力的なマテリアルのブレンドは、たとえばアウディSQ2あたりより効果が大きい。テクスチャーの入ったアルミパネルがダッシュボードからドアトリムにまで走り、センターコンソールやエアコンパネルには艶のあるピアノブラックが控えめに用いられる。
一方で、コントラストの際立つブルーのステッチが施されたファブリックのスポーティなシートや色のついた室内照明は、パフォーマンスカーっぽさ満点の演出だ。
型押しされたソフトタッチの樹脂も多く用いられ、ダッシュボードの表面を覆っている。しかし、アウディのキャビンでならすぐに見つけられるような、硬く引っかかりのあるプラスティックは目につかない。
X2のボディサイズはSQ2をやや上回る程度だが、実用性の面でも凌いでいる。前席がタイトな分、後席の余裕は大きくなっている。アウディのリアシートでは前席をまたぐように脚を広げなければならないように感じたが、このBMWなら膝が前席シートバックに触れないだけのゆとりがある。頭上空間も、X2の方が広く感じられた。
荷室は、通常時の容量が470Lで、SQ2の355Lに大きく差をつけている。後席シートバックは40:20:40の3分割。手前には荷物を滑らせるための段差が付いているものの、フロアはフラットで使いやすい。開口部は広く、重くて大きな荷物の積み降ろしが不便になることはない。
走り ★★★★★★★★☆☆
かつては、35iという記号を持つBMWを選べば、無条件で6気筒が積まれていたものだ。それも過去の話になってしまった。とはいえ、パフォーマンスに関していえば、4気筒を搭載するX2 M35iでも不満の声が上がることはないだろう。
8速ATをスポーツモードに入れ、ESCのダイナミックセッティングを選ぶと、ローンチコントロールを使う準備は完了。エンジンは回転を2600rpmにキープし、ブレーキを解けば四輪駆動システムが、撃ち出されるような、しかし一糸乱れぬスタートを実現する。
われわれがマークした0-97km/hのベストタイムは5秒フラット。実に速い。しかし、やや非力ながら軽量で、目を見張る加速を見せたSQ2にはコンマ5秒及ばなかった。
それでもこのBMWは、楽しませてくれるという点では上だ。低回転域では、いくぶん自然さに欠けるものの、熱中させてくれるサウンドを聞かせ、冷静に素早くシフトアップしてゆくギアボックスは軽快ながら満足のいくキックを生み出す。
モディファイされたB48型4気筒ターボは、突き詰めればBMWの誇る6気筒に比肩するものではない。それでも、レッドラインの6700rpmに近づいても息切れすることはなく感じられるユニットだ。
そうはいっても、この秀逸なエンジンは、ありふれた日常の中でこそ真価を発揮する。同等のパフォーマンスを持つフォルクスワーゲングループのモデル群とは異なり、中速ギアのレシオが程よい間隔で配置されているため、1750rpmで最大値に達する強大なトルクと相まって、見せる中速域の加速ぶりは止まっているときと同じくらい激しい。4速での48-113km/h加速はSQ2を1秒以上、クプラ・アテカを2秒ほど凌ぐ。
330iや630iなどに積まれるB48より大きなターボを装着しているにも関わらず、BMWで今のところ最強の2.0Lは、スロットル入力に対してわずかな遅れがあるものの、ひどいラグに悩まされることはない。ギアボックスが、ソフト寄りのモードで自動変速にした際にみせるなめらかで秀逸なマナーと相まって、ドライブトレインの守備範囲はこの上なく広いものとなる。
いっぽう、ブレーキ性能は最初こそ良好で、ペダルフィールは強固で身の詰まったものだが、公道でもハードに使うとフェードしがちな傾向を示す。
使い勝手 ★★★★★★★★☆☆
インフォテインメント
テスト車は1260ポンド(約17万円)のテックパッケージ装着車で、ワイヤレス充電デバイスや上級版Bluetooth、ヘッドアップディスプレイ、そしてBMWナビゲーションプラスを装備する。
ディスプレイは標準仕様の8.8インチに代わり、大画面の10.25インチとなる。インフォテイメントのソフトウェアは、最新世代のBMW各車に採用されるものよりやや旧式だが、いま見ても出来がいい。
グラフィックはシャープで、マップの詳細さもかなり高いレベルだ。動作の遅れは最低限で、操作に慣れるのも容易なので、いま手に入るこの手のシステムの中では良いほうの部類に入ることは変わらない。
テスト車はまた、995ポンド(約13.4万円)のM35iプラスパッケージも備えていた。これは、セットに含まれるハーマンカードンの600Wオーディオだけでも追い金する価値がある。サウンドクオリティは実にすばらしく、音質はリッチでクリア。さらに、ボリュームを上げてもディストーション知らずだ。
燈火類
M35iグレードのX2には、フルLEDヘッドライトが標準装備。今回はテストする機会がなかった。
ステアリングとペダル
2ペダルではあるが、この手のクルマの一般的なレイアウトよりブレーキペダルがセンターに寄っている。これに近いものを挙げるなら、マクラーレンだろうか。
操舵/安定性 ★★★★★★★☆☆☆
機械面では、X2 M35iは今のところBMWの運動性の主流であるものとはかけ離れている。ベーシックなディーゼルの3シリーズでさえみごとな走りをみせるのは後輪駆動であることが一因だ。あえてそれと違う道を行くというのは、バカげているようにも思える。
それだけに、FR由来のバランスや、爽快でコミュニケーション性に富むステアリングのレスポンスは期待しないでほしい。その手のBMW像を追うと、このクルマの真価を見失う。
4WDのクロスオーバーとしては、トラクションとスタビリティに主眼を置く必要があり、その点ではすばらしい。ステアリングは、Mディビジョンがチューニングしたにもかかわらず、思ったほどギア比がクイックではない。それでも、ターンインしたがらないように感じるほど緩いものではなく、テスト車が装備するパッシブサスペンションとのマッチングは上々だ。
結果として、このクルマはコーナーへの入りがとりわけ落ち着いたものとなっている。そこから、標準装備のフロントLSDがクルマをよく曲がらせ、それをうまく後輪駆動が補助することで、このクラスとしては強烈に機敏なコーナリングをみせる。
ドライコンディションでは、アンダーステアへもハッキリと抵抗する。ボディコントロールは、低速域では硬すぎると感じるが、速度が上がるにつれタイトながら滑らかな動きをするようになる。
総じて、スピードや走りの能力はほどほど。ずば抜けた資質を持ち合わせているとは言えない。限界を感じさせるステアリングは、期待するほどにやる気をくじかれ、シャシーはたしかに俊敏で、ブレーキを残しての穏やかな旋回でも無感覚ではないのだが、ドライビングのプロセスに楽しみは希薄で、心から熱中できることはない。
Mスポーツプラスパッケージをはじめとするフル装備状態ならば、ハンドリングのバランスやクルマへののめり込み度は多少なりとも高まるだろう。しかし、おそらくはそれでも長年のBMWファンが求めるレベルには達しないはずだ。賭けてもいい。
快適性/静粛性 ★★★★★★☆☆☆☆
19インチタイヤとのセットならばアダプティブダンパーを装着できるが、テスト車の20インチタイヤではパッシブダンパーしか組み合わせられない。そんなわけで、今回の車両では、コンフォートモードでもダイナミックモードでも、乗り心地のクオリティに大きな違いはない。ようするに、決して快適とは言えないのだ。
ローダウンされたハードなMスポーツサスペンションでは、英国の凹みだらけな公道で苦戦を強いられる。平坦でないお粗末な舗装は、ボディの落ち着かない動きを生み、深い轍や窪み、ジョイントは、音を立てるほど強い衝撃を見舞う。
その攻撃的な乗り心地は、かなりパフォーマンス寄りのクルマに見られるレベル。ところが、おもしろいことにこのX2は、SQ2よりも路面の不整を探り当てる能力に長けているように思える。ライバルより1インチ大きいホイールと、それに履いたランフラットタイヤが、その理由ではないだろうか。
布張りのシートはアウディのものよりしっかり身体をホールドしてくれる。アジャスト性にもすばらしく優れ、高さのあるキャビンながら低く座らせてくれる。だが、快適性の洗練度は傑出したものではない。大きなタイヤが生む、かなりのロードノイズが原因だ。113km/h巡航時には、騒音計は70dBを示した。これは、SQ2の68dBには劣る数字だ。
購入と維持 ★★★★★★☆☆☆☆
X2 M35iは高価だ。4万4235ポンド(約597万円)の本体価格は、直接的な競合モデルといえるアウディSQ2より8110ポンド(約109万円)高い。このライバルにしても、今年の早い時期にロードテスト を行なった際には、ずいぶん高額なクルマだと思ったものだが。
当然ながら、この価格の主な理由は、Mパフォーマンス仕様となったメカニズムにある。しかしながら、標準装備の内容も十分に納得のいくものだ。ナビやシートヒーター、デジタルラジオやクルーズコントロールといった快適性に関するアイテムはひと通り揃っている。
しかし、テスト車と同じ仕様とするには、さらに少なからぬ出費が求められる。ヘッドアップディスプレイやワイヤレス充電装置などのテックパッケージは1260ポンド(約17万円)、MシートやハーマンカードンHi-fiオーディオ、UVカットガラスなどのM35iプラス仕様は995ポンド(約13.4万円)の上乗せが必要で、最終的には4万8630ポンド(約656.5万円)となる。
それでいて、残価予想はかなり寂しいものだ。3年・5.8万km後の残価率は購入価格の44%まで目減りするとみられ、アウディの58%に比べるとかなり見劣りする。
スペック
レイアウト
X2 M35iは、X1やミニ・クロスオーバーと同じUKL2プラットフォームを採用。エンジンはフロント横置きで、主に前輪を駆動するが、クラッチを用いた4WDシステムが必要に応じて、M仕様のリアアクスルへトルクを送る。英国仕様はパッシブサスペンションと20インチホイールを標準装備。前後重量配分の実測値は、57:43だった。
エンジン
駆動方式:フロント横置き四輪駆動
形式:直列4気筒1998ccターボ、ガソリン
ブロック/ヘッド:アルミニウム
ボア×ストローク:φ94.6×82.0mm
圧縮比:9.5:1
バルブ配置:4バルブDOHC
最高出力:306ps/5000-6250rpm
最大トルク:45.9kg-m/1750-4500rpm
許容回転数:6700rpm
馬力荷重比:191ps/t
トルク荷重比:28.5kg-m/t
エンジン比出力:103ps/L
ボディ/シャシー
全長:4360mm
ホイールベース:2670mm
オーバーハング(前):854mm
オーバーハング(後):836mm
全幅(ミラー含む):2100mm
全幅(両ドア開き):3530mm
全高:1526mm
全高:(リアゲート開き):2040mm
足元長さ(前):最大1130mm
足元長さ(後):最大690mm
座面~天井(前):最大1030mm
座面~天井(後):最大910mm
積載容量:470-1355L
構造:スティール/アルミニウムモノコック
車両重量:1610kg(公称値)/1668kg(実測値)
抗力係数:0.33
ホイール前/後:8.0Jx20
タイヤ前/後:225/45R20 94Y
ピレリPゼロ
スペアタイヤ:なし(ランフラットタイヤ)
変速機
形式:8速トルコンAT
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
1速:5.52/7.4
2速:3.18/12.7
3速:2.05/19.8
4速:1.49/27.2
5速:1.23/32.8
6速:1.00/40.6
7速:0.80/50.5
8速:0.67/60.2
最終減速比:3.20:1
燃料消費率
AUTOCAR実測値:消費率
総平均:11.0km/L
ツーリング:15.0km/L
動力性能計測時:4.0km/L
メーカー公表値:消費率
低速(市街地):9.3km/L
中速(郊外):12.4km/L
高速(高速道路):13.7km/L
超高速:12.0km/L
混合:12.2km/L
燃料タンク容量:61L
現実的な航続距離:669km
CO2排出量:157g/km
サスペンション
前:マクファーソンストラット/コイルスプリング、スタビライザー
後:マルチリンク/コイルスプリング、スタビライザー
ステアリング
形式:電動、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.7回転
最小回転直径:11.3m
ブレーキ
前:通気冷却式ディスク(サイズ未公開)
後:通気冷却式ディスク(サイズ未公開)
静粛性
アイドリング:41dB
全開時:84dB(4速)
48km/h走行時:60dB
80km/h走行時:66dB
113km/h走行時:70dB
安全装備
ABS/ASC/DTC/DBC/HDC
Euro N CAP:5つ星
乗員保護性能:成人90%/子供87%
歩行者保護性能:74%
安全補助装置性能:77%
発進加速
テスト条件:乾燥路面/気温16℃
0-30マイル/時(48km/h):2.0秒
0-40(64):2.8秒
0-50(80):3.9秒
0-60(97):5.0秒
0-70(113):6.4秒
0-80(129):8.1秒
0-90(145):10.3秒
0-100(161):12.7秒
0-110(177):15.5秒
0-120(193):19.0秒
0-130(209):23.5秒
0-140(225):29.2秒
0-150(241):-秒
0-160(257):-秒
0-402m発進加速:13.6秒(到達速度:166.7km/h)
0-1000m発進加速:24.8秒(到達速度:213.4km/h)
ライバルの発進加速ライバルの発進加速
アウディSQ2(2019年)
テスト条件:乾燥路面/気温13℃
0-30マイル/時(48km/h):1.8秒
0-40(64):2.5秒
0-50(80):3.4秒
0-60(97):4.5秒
0-70(113):5.9秒
0-80(129):7.4秒
0-90(145):9.3秒
0-100(161):11.6秒
0-110(177):14.2秒
0-120(193):17.8秒
0-130(209):22.4秒
0-140(225):29.1秒
0-150(241):-秒
0-160(257):-秒
0-402m発進加速:13.2秒(到達速度:171.4km/h)
0-1000m発進加速:24.2秒(到達速度:214.2km/h)
中間加速
20-40mph(32-64km/h):2.0秒(2速)/3.1秒(3速)/5.1秒(4速)
30-50(48-80):2.1秒(2速)/2.4秒(3速)/3.4秒(4速)/4.6秒(5速)/7.2秒(6速)
40-60(64-97):2.5秒(3速)/3.2秒(4速)/3.8秒(5速)/5.2秒(6速)/8.9秒(7速)
50-70(80-113):2.7秒(3速)/3.3秒(4速)/3.8秒(5速)/5.0秒(6速)/7.0秒(7速)/11.1秒(8速)
60-80(97-129):3.3秒(3速)/3.4秒(4速)/4.0秒(5速)/5.1秒(6速)/6.8秒(7速)/9.2秒(8速)
70-90(113-145):3.7秒(4速)/4.2秒(5速)/5.0秒(6速)/7.1秒(7速)/9.1秒(8速)
80-100(129-161):4.3秒(4速)/4.6秒(5速)/5.1秒(6速)/7.7秒(7速)/10.0秒(8速)
90-110(145-177):5.9秒(4速)/5.4秒(5速)/5.5秒(6速)/8.4秒(7速)/11.3秒(8速)
110-130(177-209):9.0秒(5速)/6.5秒(6速)
100-120(161-193):6.5秒(5速)/5.9秒(6速)/9.5秒(7速)
120-140(193-225):9.0秒(6速)
各ギアの最高速
1速:50km/h(6700rpm)
2速:85km/h(6700rpm)
3速:132km/h(6700rpm)
4速:182km/h(6700rpm)
5速:220km/h(6700rpm)
6速:250km/h(6157rpm)
7速:250km/h(4932rpm)
8速(公称値):250km/h(4144rpm)
8速・70/80マイル/時(113km/h/129km/h):1871rpm/2139rpm
制動距離
テスト条件:乾燥路面/気温16℃
30-0マイル/時(48km/h):8.6m
50-0マイル/時(64km/h):24.0m
70-0マイル/時(80km/h):46.4m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.74秒
ライバルの制動距離アウディSQ2(2019年)
テスト条件:乾燥路面/気温13℃
30-0マイル/時(48km/h):8.5m
50-0マイル/時(64km/h):23.5m
70-0マイル/時(80km/h):45.5m
結論 ★★★★★★★☆☆☆
初代X5で、BMWはSUVでもまともなハンドリングを実現できると、世界中に向けて証明してみせた。しかし、この新作パフォーマンスクロスオーバーは、おそらくかなりの難物だ。
パワフルながら効率的な小排気量エンジンと、一般的なホットハッチに似たアーキテクチャーは、このミュンヘンのメーカーにとっては比較的なじみの薄いテリトリーだ。本意ではないかもしれないが、商売上の理由から参戦せざるを得なかった、というところか。
ある意味、X2 M35iのパフォーマンスに文句はない。このパッケージングのハイライトとなる新型4気筒パワートレインは、力強く、洗練され、キャラクターも薄いというわけではない。
いっぽうで、低速域での乗り心地は、毎日の足とするにはハッキリ言って不十分だ。中速域になると、走りはスリルに欠けるが、この上なくクイックで、天候を問わずしっかりした足取りが根底にある。ファミリーカーでありながら、それほど濃厚ではないものの、状況次第でエンターテインメント性も発揮する。
X2 M35iは、このクラスでもっともエキサイティングなクルマだといってもいい。しかし、熟成度ではベストではない。しかも高価だ。この価格帯なら、もっと守備範囲の広いクルマが探せる。
担当テスターのアドバイス
リチャード・レーン欠点もあるが、これもアウディもクプラも悪くない。とはいえ、個人的に選ぶならホットハッチのM135iだ。このクラスでクルマ選びをするのに、クロスオーバーをあえて指名する理由は限りなく小さい。
サイモン・デイヴィススロットルレスポンスは、個人的な嗜好からすればやや鈍いといえる。踏みはじめの4分の1ほどはまるで遊びなのかというくらいで、さらに踏み込まないと動き出さないのではないかとさえ思うほどだ。もっとも、それを過ぎれば良くできているのだが。
オプション追加のアドバイス
ヴィジュアル的には物足りないかもしれないが、おすすめは19インチ仕様だ。もちろん、アダプティブダンパーもセットになるMスポーツプラスパッケージを選びたい。これで乗り心地が改善されることを望むばかりだ。
改善してほしいポイント
・せめて舗装の劣悪な英国には、アダプティブダンパーを標準装備した仕様を用意してほしい。20インチ仕様はあまりにも硬すぎる。
・価格を考えれば、標準装備のさらなる充実を望みたい。少なくとも、バックモニターくらいはつけてほしい。
・ステアリングのアシストをもう少しだけ弱めてほしい。カジュアルな使い方のオーナーは、軽いほうがいいと言うかもしれないが、それにしても軽すぎる。
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