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日産 新型スカイラインマイナーチェンジの詳細 400psの「400R」も新登場

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日産 新型スカイラインマイナーチェンジの詳細 400psの「400R」も新登場

日産は2019年7月16日、スカイラインをビッグマイナーチェンジし、高精度デジタルマップを採用した先進運転支援システム「プロパイロット2.0」を搭載するとともに、グレード構成も変更したスカイラインを発表した。発売は9月が予定されている。

新生スカイラインのポジショニング

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今回のビッグマイナーチェンジにあたり、スカイラインの商品価値とポジショニングは改めて練り直されて登場した。1957年に登場した初代スカイラインから数えて13代目となる現行モデルのV37型は、2014年の登場だった。

このV37型はインフィニティ・ブランドのQ50と同一モデルとなり、日産のエンブレムがはずされ、インフィニティのエンブレムが使用され注目された。またこのV37型で初めて1モーター/2クラッチ式のハイブリッドモデルも投入している。またハイブリッドモデルには、世界初のステアbyワイヤー式のダイレクト・アダプティブ・ステアリング (DAS) を採用している。

そしてこのマイナーチェンジで、プロパイロット2.0を搭載し、自動運転的な新しい価値を提供し、日産の掲げるインテリジェント・モビリティの象徴としている。新たに導入されるV6型3.0Lツインターボ・エンジン搭載モデルは、シャシー性能を熟成することで操る喜び、ドライビングプレジャーを訴求し、日産の走りの象徴にする・・・言いかえれば、スカイラインは日産の技術と走りの象徴という、以前から課せられた使命が改めて明確にされ、今回から日産のエンブレムも復活し、スカイライン専用のフロントマスクデザインも採用されている。

また、プロパイロット2.0や最新の常時接続技術によるインテリジェント・モビリティの先進性と、日本国内に新投入される3.0L・V6で300ps、400psを発生するVR30DDTT型エンジンにより、競合する輸入車プレミアム・スポーツセダンを上回るパフォーマンスとドライビングプレジャーを発揮することで、商品力で優位に立つことを目指しているモデルだ。





モデルラインアップ

新型スカイラインの新たなラインアップも変更されている。VQ35HR型エンジンを搭載するハイブリッドモデルは、全モデルがプロパイロット2.0を標準装備し、FRモデルとアテーサE-TSによる4WDモデルをラインアップ。グレード設定は、GT、GT Type P、GT Type SPの3機種となる。

また、日本初導入の3.0L・V6ツインターボエンジン、VR30DDTT型エンジン搭載モデルは、プロパイロット2.0は装備せず、GT、GT Type P、GT Type SPの3グレードは300ps仕様。ハイパフォーマンスモデルとして400ps仕様のエンジンを搭載する400Rが設定されている。この400Rは、競合するBMW 340i Mスポーツを上回る最高出力をアピールしている。

そして、これまでスカイラインにラインアップされていたメルセデス・ベンツ製の2.0L・直4ターボエンジン搭載モデルはラインアップから消滅している。ただし、北米仕様の2019年モデル、中国市場にはインフィニティQ50として、依然としてこの2.0L・直4モデルはラインアップされている。

デザイン

新型スカイラインのデザインは、フロントグリルをインフィニティ用のグリルから日産のシンボルである「Vモーション・グリル」に変更し、リヤはスカイラインのアイコンであるLED製の丸目4灯コンビランプを採用。全体としては大きなデザイン変更は行なわれていない。

インテリアは、より質感、機能性を高め、プレミアム・スポーツセダンにふさわしい仕上げとしている。またハイブリッドモデルには、日産の国内仕様では初採用となるカラー・ヘッドアップディスプレイ、プロパイロット2.0専用の7インチサイズのアドバンスド・ドライブアシスト・ディスプレイを採用している。

ハイブリッドモデルにプロパイロット2.0を搭載

今回のビッグマイナーチェンジで、ハイブリッドモデルにレベル2.5ともいえる3次元高精度マップを使用し自動車線変更、直進時のハンズオフ機能を備えた「プロパイロット2.0を初採用している。

運転支援システムに360度センシングと3次元高精度マップによる位置情報を組み合わせてナビで目的地を設定すると、ルート案内と同時に、高速道路上ではインターチェンジ、ジャンクションでの合流、分岐、追い越しなどの操作もアシストされ、直線走行時はハンドルからの手放しも可能だ。さらに車線変更、追い越しなどはシステムのガイドに従い、ドライバーはハンドルに手を触れているだけでスムーズに行なわれる。

このプロパイロット2.0は、3眼カメラ、アラウンドビューカメラ4個、5個のレーダー、12個の超音波センサーで、常時360度のモニターを行ない、同時に内蔵する高精度デジタルマップと走行位置を照合する。またデジタルマップにより、見通しの効かない高速道路形状でも先読みすることが可能だ。

そしてこのシステムのために、ドライバーが運転する意志を持ち、前方を注視しているかどうかを判断するためのドライバーモニターカメラを装備し、ドライバーが正常な状態ではないと判定されると前方注意、ハンドルを握るための警告が段階的に行なわれる。それでもドライバーが反応しない場合は、システムにより車両を自動的に停止し、SOSコールのオペレーターに自動接続されるようになっている。

※プロパイロット2.0 関連記事

VR30DDTT型エンジンとシャシー

今回からスカイラインのハイブリッドモデル以外に搭載される3.0L・V6ツインターボのVR30DDTT型エンジンは、GT-Rに搭載されるVR38DETT型エンジンと同じ「VR」の呼称が使用されているが、かなりポジションは違っている。



GT-R専用のVR38DETT型エンジンは2007年に登場し、少量生産されるハンドビルド・エンジンという、いわば特殊なエンジンだ。しかしVR30DDTT型エンジンは北米のインフィニティ・ブランド用高性能量産エンジンで、生産は2016年から磐城工場で行なわれている。そして、2017年からQ50、Q60クーペ用として北米市場に投入されている。ポジション的には従来のVQ型の後継エンジンとされている。

またインフィニティ用として開発されているため、海外プレミアム・ブランドのエンジンに匹敵する最新技術を投入し、高性能化を図り、高出力、ハイレスポンス、燃焼効率、ドライバビリティの良さを狙っている。

VR30DDTT型は60度V型6気筒で、ボア・ストロークは86mm×86mm。DOHC・24バルブで、吸気側カムシャフトは電動可変バルブタイミング機構を採用。一方で圧縮比は10.3と高く、直噴、ツインターボで、シリンダーヘッド一体型の排気マニホールドを採用している。またシリンダーボアは、アーク溶射コーティングした鏡面加工処理が採用され、GT-R用エンジンと同じく日本製エンジンでは希少なライナーレス構造となっている。

ターボは、超小型ターボとして回転レスポンスを向上させ、電子制御ウエストゲートも採用。400ps仕様のエンジンはタービン回転センサーも装備している。また過給されたエアはコンパクトで高性能な水冷インタークーラーで冷却されるシステムになっている。

出力は、304ps/6400rpm、400Nm/1600-5200rpmと、400R用の405ps/6400rpm、475Nm/1600-5200rpmの2仕様が設定されている。いずれもプレミアムガソリン仕様だ。なお、スカイライン史上最高の出力を誇る400Rの0-100km/h加速は5.0秒を下回るといわれている。

トランスミッションはハイブリッドモデル専用7速AT、ターボエンジンモデルは7速ATを搭載している。またハイブリッドモデルに設定される4WDは、日産オリジナルのアテーサE-TSを採用している。

シャシー性能

シャシーでは、新たに開発された連続可変ダンパー(インテリジェント・ダイナミック・サスペンション)を400Rに標準装備し、GT Type SPにメーカーオプションとして設定している。走行シーンに合わせ、ダンパーの減衰力を精密に、連続的に制御することで車体をフラットに制御し、優れた乗り心地と操縦安定性を両立させている。

ステアbyワイヤーのダイレクト・アダプティブ・ステアリング(DAS)は、ステアリングの切り初めのレスポンスを向上させる一方で、低中速域では操舵をなめらかにし、修正舵に対する過敏さを抑制することで、より気持ち良い操舵フィーリングに熟成されている。

新しいサスペンション・チューニングと、DASの組み合わせにより驚きのハンドリングと感動の乗り心地を両立させているという。
なお400RのみはDASではなく、ラックパラレルアシスト式電動パワーステアリングを装備している。

最新のコネクテッドサービスと車内WiFi

従来型のスカイラインで、大きく進化したのがコネクテッド機能だ。今回から最新の「日産コネクト」を採用している。

この新システムは、車載通信モジュールを搭載し、常時インターネット接続により、コネクテッド・アシスタンス(サポートセンターとの通話機能)とSOSコール、ドアtoドア・ナビゲーション、スマートフォンによる車両機能のリモートコントロール、ナビの地図データの無線アップデート(OTA)などが含まれる。

特にドアtoドア・ナビゲーションは、スマートフォンアプリでルート計画や目的地設定を行ない、そのデータは車載ナビに転送されるので、クルマに乗り込むとすでに目的地、ルートが設定されており、最寄りの地点にクルマを駐車し、その後はスマートフォンのナビで最終目的地までルート案内されるシステムになっている。

もうひとつの画期的なシステムが車内WiFiシステム(ドコモinカー・コネクト)の採用だ。これは別途WEBで申し込みを行なう方式で、用途に合わせて1日のみ、1ヶ月、あるいは通年など様々なコースを自由に選択できる。車内WiFiの環境にすればモバイル通信のデータ通信料金を気にすることなく、インターネット環境となり、動画やゲームなど大容量の通信が可能になる。

また、通信モジュールを通じて、ナビゲーションの地図データ、プロパイロット2.0の3次元デジタルマップのデータの更新も年に3回程度の頻度で行なわれ、最新の道路データを自動で取得できるOTA(Over the Air)機能も備えている。

新型スカイラインは、ビッグマイナーチェンジとはいえ、新たな商品ポジショニングを行ない、本来のスカイラインの目指すべき方向へ軌道修正。さらに技術の象徴にふさわしい革新的なシステムを搭載することで、日産のプレミアム・スポーツセダンとしての存在感を改めてアピールしようとしている。

スカイライン 諸元・装備表
スカイライン 400R 諸元・装備表

【価格】

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