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アウディ「Q5」を買うならガソリンではなくディーゼルを選ぶべき理由

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アウディ「Q5」を買うならガソリンではなくディーゼルを選ぶべき理由

アウディ「Q5 40 TDIクワトロスポーツ」の実力検証

 アウディ「Q5」は、同社の大型SUV「Q7」に続く「Qシリーズ」の第2弾として、2009年に日本市場に投入された。当時、アウディは次々と意欲的なモデルを投入。フロントバンパーを突き貫けた逆台形グリルが斬新なデザインということで人気を集め、発売直後から日本だけでなく、世界市場でもベストセラーモデルとなった。しかし最近のアウディ車はいまひとつパンチの効いた新型車がなく、話題に乏しい状態だった。

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 そんな中、8年ぶりにミドルサイズSUV「Q5」がフルモデルチェンジ。新しいプラットフォームをベースにデザイン、メカニズムを一新した。発売後、スポーティーモデルなどを追加してきたが、今年2月、同社は初めてディーゼルエンジンモデルの投入を決断した。

 エンジンは最新の4気筒の2Lディーゼルターボ。7速ATを組み合わせ、駆動方式はもちろんクワトロ(4WD)方式を採用している。最高出力190PSはガソリン車の「XC60」と同じ。さらに40N0mの最大トルクも同じ数値だが、出力の発生回転数帯は「Q5」のほうがワイド。トルクも若干高回転まで高トルクをキープしている。

「Q5」はアウディのレーシングディビジョンである「アウディスポーツ」の息のかかった「SQ5」という3Lのスポーツモデルから2Lのファミリーモデルまで、8モデルも揃っている。ディーゼルターボはこのガソリンモデルの間に位置するモデルだ。

外観、装備は?

 ボディーサイズは、ボルボ「XC60」ディーゼルやアルファロメオ「ステルヴィオ」ディーゼルの2車とほぼ同じ。ホイールベースはこの2車の中間ぐらいのサイズだ。ただし、車重は1920kgと一番重い。他の2車も4WDなので、クルマの条件は同じだが重量に差がある。
 装備だが、アウディのデザインの特徴となっているヘッドライト「マトリクスLEDライトパッケージ」はオプション。外板色は10色用意されている。さらに、スペシャルボディーカラーもディーラーで選ぶことができる。

内装、装備は?

 国産メーカーもベンチマークにしているというアウディの内装。その造形とカッチリしたデザインは、同社の特徴のひとつでもある。機能面では標準装備のナビゲーション付きインフォテインメントシステムはボイスコントロールを含む各種の最新デバイスが使えるようになっている。ちなみに、内装色は6パターンが用意されている。

先進安全技術は?

 気になる安全性能だが、追突防止と衝撃軽減の後方監視機能や車線変更時の側方からの車両接近警告などはオプションだ。ライト類もLEDはオプションになる。ある程度、お金をかけないと、満足できる装備は揃わない。

走行インプレッション

 パワーユニットは4気筒DOHCディーゼルターボ。1気筒4バルブのエンジンヘッドを持ち、スーパーチャージャーとターボのツイン過給機で出力、トルクを確保している。3車の中で最も重い重量と低い数値の出力/トルクの組み合わせでは、動力性能のスポーツ化は望めない。今回も0→100km/hの加速は9秒台半ばだった。上記の3車の中では最も遅いタイムだった。

 2Lディーゼルターボエンジンは、1500回転からトルクが太くなり、一気に4500回転まで上昇する。エンジン音はアクセル・オンでややガラガラ音が耳に入ってくる。さらに、3000回転から唸り音が高まる。「ステルヴィオ」や「XC60」と比較すると、やや音に関しては耳障り感が高い気がする。

 ちなみにこのクルマは走行モードが選択できるが、このきめ細かな操作はアウディのきめ細かい走りのフィーリングも結びついている。4WDの性能については、新型「Q5」になった時、従来のフロント40%、リア60%というエンジントルクの配分を止めており、トラクション面での負荷が小さく、4WD走行の必要性が乏しい場面ではセンターデフとリアデフのクラッチを切り離して、前輪のみにトルクを集中させるFF走行を採用している。

 さらにFFから4WDに戻る時は制御システムが先読みし、瞬時に後輪に駆動力を伝えるのが特徴だ。ダイナミック、コンフォート、オートの3つの走行モードで走ってみたが、全体にソフトな印象で、それがボディーのロールに表われていた。スポーティーさや、軽快さより、安心感のある操縦性を意識したセッティングがこのクルマの特徴だ。

 最後に購入を検討している人にアドバイスを。今回試乗したモデルの車両本体価格(税込み)は657万円。これは、ガソリンエンジンの2Lモデルより5万円安く、シリーズの中で最も価格の低いエントリーモデルに位置しているのだが、他車と比べると高めの設定になっている。これはここ最近のアウディ車の置かれている状況を考えると、決してプラス材料とは言えない。これからの巻き返しに期待したい。

■関連情報
https://www.audi.co.jp/jp/web/ja/brand/innovation/tdi.html

文/石川真禧照  撮影/萩原文博

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