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2019年最初の大規模クラシックカー・オークション 27台の名車たち 後編

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2019年最初の大規模クラシックカー・オークション 27台の名車たち 後編

1972年製 インターメカニカ・イタリア・スパイダー

数百万ドルもするフェラーリでも、20台も見れば退屈してくるかもしれない。そこでこんなちょっと変わったクルマはいかがだろう? イタリアとアメリカの混合から誕生した、生産台数わずか500台の稀少車だ。

サビサビのフェラーリ308GTB、616万円で落札 BHオークション

新興メーカーのインターメカニカが1967年から1972年の間に製造していたこのクルマは、イタリアン・スタイルにアメリカのパワーを組み合わせることで壮大な相乗効果を狙った。

今回のRMサザビーズによるオークションに出品されるスパイダーは、最終年に製造された1台。同時代のイタリアン・スポーツカーを真似たボディのボンネット下には、フォード製のV8エンジンが積まれている。

こんなクルマが好きな人にとってはめったにないチャンスだ。予想落札価格は12.5万~15万ドル(1360万~1640万円)とされているが、最低落札価格は設定されていないので、それより安い金額で手に入れられる可能性もある。

1967年製 ランボルギーニ400GT 2+2

ランボルギーニが欲しい? それならグッティングが素晴らしく派手なカウンタック25thアニバーサリーを出品する。461psを発生する強力な5.2ℓV12エンジンを搭載し、ポスターにしたくなるほど見栄えするリアウイングも付いている。

しかし、もっと控えめなモデルが好みなら、この400GTがお薦めだ。このイタリアン・メーカーによる素敵な1960年代後半のツアラーは、実用的で、美しく、素晴らしい状態に保たれている。新車当時に米国へ輸出されたクルマという。予想落札価格は45万ドル(約5000万円)ほど。どちらのランボルギーニを選ぶべきか、もうお分かりだろう。

1959年製 リスター・ジャガー

伝説的レーシング・ドライバー、スターリング・モスと同じシートに座りたいなら、ボナムズが出品するこの1959年製のレースカーを手に入れよう。そうすれば本当にそんな希望を叶えることができる。

このジャガー製エンジンを搭載するリスターのスポーツカーは、セブリング12時間(ここでモスがステアリングを握った)からワトキンス・グレンまで、当時多くの有名なレースに出場している。

シャシー・ナンバーBHL 123は、本物の希少価値あるレースカーだ。

今回のオークションに出品される車両はオリジナル度が高く、レストアが施されており、多数のオリジナル・パーツと歴史を感じさせる写真や資料が付属する。200万ドル(約2.2億円)の値が付いてもさほど不思議ではない。

1971年製 ランボルギーニ・ミウラSV

この走行距離が少ないランボルギーニに欲情しても言い訳は要らない。イタリアン・メーカーによるゴージャスなスポーツカーで状態の良い個体、しかも最もパワフルな390psのエンジンを搭載するSVなのだから。

オリジナル度が高く、無改造で、走行距離計の数字は2万9290km。史上初の本物のスーパーカーでこれより良い状態の個体とはまず出会えないだろう。それが210万ドル(約2.3億円)という予想落札価格の理由だ。せめてポスターでもいいから欲しい。

1954年製 フェラーリ500モンディアル・シリーズI

稀少で物語性に富むためか、ボナムズはこのクルマの予想落札価格を明示していない。この1954年製フェラーリのレースカーにまつわる歴史は信じられないような数々の伝説に彩られている。

フェラーリの工場で12台が製造されたモンディアル最初のシリーズの中でも11台目に製造された個体で、フィル・ヒルやジョン・フォン・ノイマン(どちらも自身が伝説的なレーシング・ドライバーだ)がステアリングを握ったという。

その後もプレイボーイとして名高いポルフィリオ・ルビロサが所有し、さらにあるレースの後、パドックで伝説的ハリウッド・スター、ジェームズ・ディーンがこのクルマを賞賛している様子が写真に残っている。

まず間違いなくミュージアムに所蔵されるようなクルマだが、間もなくスコットデールでオークションに掛けられる。どのような人物が落札することになるにせよ、あっという間に多くのゼロが並ぶことは確かだ。

1987年製 ロールス・ロイス・ファントムVステート・ランドレー

国家元首になった気分が味わえる。RMサザビーズのオークションに出品されるこのロールス・ロイスは、僅か5台のみが製造されたファントムVの中でも、ルーマニア政府から注文を受け、ミュリナー・パークウォードによってボディが架装された1台。

英国女王のエリザベス2世を二度乗せたこともあるという。オリジナル度が高く、今まで一度もレストアされたことがない状態で、カクテルバーからワインクーラーまで、考えられる限りの物がすべて備わっている。

予想落札価格は130万ドル(約1.4億円)。そんなに出す気はないという人のために、RMサザビーズのオークションには他にもオーストラリアの慈善事業のために特別に製作されたシルバー・スピリットが出品される。

こちらもすべてのオプションが装備されているが、女王を乗せたことはない。予想落札価格はずっと安く、27万5000ドル(約3000万円)となっている。

1973年製 ポルシェ911カレラRS2.7ツーリング

ダックテール・ウイングですぐに見分けが付くポルシェのRS2.7はレースのために軽量化された車体とクラシックな911のルックス、そして強烈なパフォーマンスを備えている。

中でもツーリングと呼ばれるモデルは、パフォーマンスを維持したまま多くの快適装備を加えた仕様。まず間違いなくオールラウンダーの完璧なスポーツカーであり、現代では非常に人気が高い1台だ。

この1973年型はオリジナルのシャシーとギアボックスがそのまま残されているが、その日常的な使いやすさの表れとして走行距離は8万1000kmとやや多い。

また、現在のオーナーによって趣味の良いアップグレードがいくつか加えられている。RMサザビーズによると落札価格は45万ドル(約5000万円)程度になる見込みだという。

1986年製 フォードRS200エボリューション

怪物のようなグループBカテゴリで戦うには、ラリーカーとしてホモロゲーションを得るために、まず十分な台数のロードカーを生産した後、それからさらに非常に速いクルマを作り上げ、24台をロードカーとして販売する必要があった。

まさにそれこそ、フォードがRS200エボリューションでやったことだ。猛烈で野蛮な600psのマシンは、1980年代中期に世界で最も加速性能に優れたロードカーとして記録に名を残した。

その24台のうち1台がRMサザビーズのオークションに登場する。予想落札価格は50万ドル(約5500万円)。

高すぎるって? 今回のオークションには「スタンダード」なRS200も出品される予定で、こちらはもっと安く27万5000ドル(約3000万円)と見積もられている。

1957年製 フェラーリ250GTクーペ・スペチアーレ

フェラーリは夢見るクルマに相応しい。今回われわれがご紹介する最後の跳ね馬もまた、最も高価で、それなりの理由がある。

この250GTはピニン・ファリーナが、第二次大戦中にベルギー国王と結婚して平民からレティ公爵夫人となったリリアン・バエルにために特別に製作したカスタム・ボディを纏っているのだ。そしてこのクルマによる縁が、エンツォ・フェラーリを1950年代中期のタイヤ・サプライヤー撤退による危機から救った。

後にこのクルマはレティ公爵夫人から著名な心臓外科医のドベーキー医師に贈られ、1990年代には徹底的なレストアが施された。現在のオーナーは20年ほど前からこのクルマをずっと所有している。

そんな物語性を帯びたフェラーリの予測落札価格はもちろん安いはずがなく、1100万~1300万ドル(約12億~14億円)の間だという。

1948年製 タッカー48

3つのヘッドライトにジュークボックスを思わせるグリル、スペース・エイジ的なライン。1940年代のアメリカで、彼らは単なる自動車ではなくそれ以上の何かを作り上げた。

プレストン・タッカーが事業破綻する前に製造したクルマは僅か51台。この美しいブルーの個体はその中の1台だ。1948年に完成すると、会社の経営破綻を受けてオークションに掛けられたが、最近2度目のレストアを受けている。RMサザビーズがこの印象的なクルマに付けた予想落札価格は、160万ドル(約1.7億円)ほどとなっている。

1925年製 ブガッティ・タイプ35Aグランプリ

1936年に僅か6台しか製造されなかったブガッティの中でレストアされていない個体を欲しいと思うなら、グッディングのオークションに注目した方がいい。100万ドル(約1.1億円)ほど用立てれば、ゴージャスな2ライト・ヴァントーのタイプ57が手に入るだろう。

あるいは同メーカーの1925年製グランプリ・レーサーが希望なら、ワールドワイドのオークションに、稀少なレース仕様でレストア済みのタイプ35Aが出品される。こちらの予想落札価格は190万から240万ドル(約2億~2.6億円)の間。どちらを選ぶも貴方次第。

1993年製 ヴェクター・アヴテックWX-3プロトタイプ

少量生産の新興メーカーによるスーパーカーの中で、ヴェクターW8はおそらく最もよく知られているモデルの1台だろう。

しかし、これはW8ではない。その後継として計画されていたWX-3だ。最高出力1000psを謳う狂気的スーパーカーあるいはそれを目指した残痕。それ以外の何物でもない。

1992年のジュネーブ・モーターショーで初めて公開されたこの狂ったマシンは、結局量産化には至らなかった。そのプロトタイプとして製作された1台のクーペとその翌年に発表されたロードスターが、創立者のジェリー・ウィーガートの手元に残された。

その2台が両方ともRMサザビーズのスコッツデール・オークションに出品される。予想落札価格は1台50万ドル(約5500万円)ほど。しかし実際のところ、運転してみたいと思う人がどれだけいるだろうか?

1977年製 ロータス・エスプリ・シリーズ1

最後にご紹介するのは素敵なロータス・エスプリ。非常に稀少なわけでも、最も高価なわけでもないが、ジョルジェット・ジウジアーロによるくさび形のライン、太いタイヤ、魅力的なポップアップ式ヘッドライトなど、愛さずにはいられないクルマだ。

1970年代的なインテリアはオートミールのクロスと茶色のマルカサイトの組み合わせ。

この車両は1977年製で、最初のオーナーが30年間所有していた後、1000時間に及ぶ徹底的なレストレーションが施されたが、オリジナルのオックスフォード・ブルーの塗装はそのまま残されている。

このクルマが欲しいって? RMサザビーズによる予想落札価格は8万~10万ドル(約870万~1100万円)。お買い得と言えるだろう。

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