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18歳 1972年式アルファ・ロメオ・ジュリアを買う(2)

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18歳 1972年式アルファ・ロメオ・ジュリアを買う(2)

もくじ

ー ユサフ君(18)とクラシックカーの生活
ー 旧車を所有するという体験
ー コントローラブルな操縦性
ー 70年代のアルファの魅力

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ユサフ君(18)とクラシックカーの生活

1972年式のジュリア・スーパー1.3がわたしの家に到着した。

18歳にはそれこそクラシックなクルマだが、インディゴグレーの小さな車体を見ていると、ふたつの衝動にかられた。

まずはドライブに出ること。そしてもうひとつはレストアをすること。

埃やすすを取り除き、新しいパネルでインテリアを一新した。素人仕事であまり面白くもなかったが、どうにか見た目的にも動作的にも完璧なものに仕上げた。

その後はシャシーにも少し手を加えた。これが一番楽しかった。ブリストルのアルファ専門店(240馬力のGTA-Rを作ったショップだ)からより低く、硬いサスペンションキットを購入し、GTAのアロイホイールのレプリカやKoniのダンパーを装着した。

旧車を所有するという体験

全ての作業には6カ月以上かかり、費用はおよそ3000ポンド(42万円)。「やり終えた」とは言い難いが、もう終わりだ。最近では毎日乗っているし、旧車を所有する経験を十分に味わえている。

車幅は狭く車高は高く感じるが、細いAピラーのおかげで視野は広い。サイズやパフォーマンスの点では、現代のクルマには圧倒されてしまう。それでもはじめは怖かったが、次第に楽しみ方がわかってきた。

1290ccで90馬力程度だが(ダイナモメーターで計測した)、回転をあげる必要があるので、今日の交通の流れに乗るのはかなり大変だ。とはいえ、辛いことでもない。ギアはショートで、エンジンは活発な唸り声をあげる。ギアチェンジするとオイルや機械の感触が伝わり、ペダルだって、シンクロが磨耗するのを避けるためにヒール・アンド・トゥするのに最適な配置だ。

それに何より、スピードを感じられる。

コントローラブルな操縦性

プッシュすると、ノイズが盛大に入ってきて100km/hが160km/hのようだ。これこそがこのクルマの楽しいところだろう。

わたし達は速く走っているという感覚を味わいたいからスピードをあげるのであって、何もダッシュボードの数字を求めているのではない。スピード感が合法的な速度で味わえるのは、新しいクルマにはない魅力だろう。

コーナーでは、ジュリアのステアリングは親しみ深い、古典的な感覚を与えてくる。わたしのジュリアはノーマルと比べると低く、硬い足回りになっているものの、それでもロールしてグリップ感を感じさせる。

車幅はかなり狭いので(1560mm。ちなみに現行ジュリアは1873mm)、コーナーで狙ったラインに乗せるのも簡単だ。それに細い175サイズのタイヤを履かせているので(標準ではさらに10mm細いピレリ・チントュラートというタイヤを履いている)、低いスピードでも自由に操ることができる。

70年代のアルファの魅力

車重は1000kgで、ハンドリングは繊細かつコントロールが容易。新調したダンパーもうまく働いている。少しばかり硬いが、フィーリングはよくなり、乗り心地もうまくコントロールされている。

わたしはジュリアの根本的なキャラクターを守ることが重要だと考えている。究極のグリップやパフォーマンスは欲しくないのだ。シャシーが少しロールするくらいでちょうどよく、細く滑りやすいタイヤを履いて暴走族よりも遅いスピードでクルマの限界を感じたい。

中速コーナーではややアンダーステアを出すものの、アクセルを加減すればすぐニュートラルに戻り、その気になればアンダーパワーでだってスライドに持ち込める。

速く走らせても楽しく、キャラクター性のある実用的で小柄なパッケージを持つジュリアを、わたしは心から愛おしく思うのだ。

この時代のアルファには特有の魅力がある。このクルマを運転するのが大好きだし、これから先、手放すのが惜しくなりそうだ。

ユサフ・アシュラフ

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