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【試乗】2種類のガソリンエンジンを追加! マツダCX-8は軽快なエンジンフィールが好印象

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【試乗】2種類のガソリンエンジンを追加! マツダCX-8は軽快なエンジンフィールが好印象

 軽快な加速感はガソリンエンジンならでは

 1988年に登場した初代MPV。当時マツダは3列シートながらマツダはミニバンとは呼ばず。「新カテゴリーの多目的高級サルーン」と呼んでいた。あれから29年、再びマツダは新ジャンルの3列シートモデルに挑戦、それが3列シートクロスオーバーSUV「CX-8」だ。

【試乗】3列目でも十分快適! マツダCX-8は脱ミニバンを本当に可能にするクオリティ

 シッカリ座れる3列シートが話題になりがちだが、個人的には最新マツダラインアップの中で最も見た目と走りがマッチしており、決してインパクトや派手さはないものの、“本質”へのこだわりは次世代マツダへの序章とも言える一台だと思っている。

 2017年12月の発売以降約3万台の受注を獲得。多人数乗用車の新たな選択肢として幅広いユーザーに支持されているが、じつは20~30代の購入者が多いという。決して安いクルマでないが、いい物はシッカリと評価されている証拠のひとつと言えるだろう。

 登場から1年、マツダ恒例(!?)の商品改良が実施された。今回のテーマは「ラインアップ追加」と「質感と安全性の向上」である。

 これまで2.2Lディーゼルターボ「スカイアクティブD」のみの設定だったが、新たに2.5L直噴ターボ/2.5L直噴の「スカイアクティブG」を追加。2.5L直噴ターボは先に登場したCX-5と同じユニットで230馬力/420N・mのパフォーマンス。2.5L直噴は190馬力/252N・mとスペック的にはアテンザと同じだが、車重とのバランスを考慮し気筒休止レス仕様となっている。

 フットワーク系も手が入っており、高い評価を受けているリニアなハンドリングと快適性をさらにレベルアップすべく、前後ダンパーやスタビライザー、EPS制御などを変更。さらにCX-5で初採用されたエンジントルク制御に加えてブレーキ制御を組み合わせた次世代車両運動制御技術の進化版「Gベクタリングコントロールプラス(GVC+)」も追加されている(機能に関してはCX-5の記事を参照)。

 CX-8は日本向けマツダクロスオーバーSUVシリーズのフラッグシップということで、さらなる質感向上も実施。具体的には3列目まわりの静粛性向上やエアコンパネルのデザイン変更、フロントアームレストの高さ変更、アルミホイールカラーの変更などに加えて、最上級グレードのLパッケージは7インチマルチスピードメーターやフロントシートベンチレーション、フレームレスインナーミラー、インテリアイルミネーション、IRカットガラスなども追加されている。そしてマツダの中で唯一“牛歩”だったマツダコネクトが、CX-5同様にApple CarPlay/Android Auto対応の「マツダコネクト」に進化。これは順次他のモデルにも水平展開されるはず。

 また安全性能も抜かりなく、CX-5同様に夜間歩行者検知機能が追加された進化版のアドバンスド・スマート・シティ・ブレーキ・サポートが採用されている。

 試乗は先に登場したCX-5と同じく「GKNドライブライン・ジャパン」のブルーピンググラウンド内で行った。2.5L直噴ターボはスペックや基本特性がディーゼルターボと拮抗するが、軽快かつ伸びのいいフィーリングはガソリンエンジンならでは個性を感じる。

 ただ、CX-8のSUVのGT的なキャラクターを考えるとエンジンがやや元気すぎる感があるのも事実だが、MPVにラインアップされていた2.3Lターボ搭載の「23T」のように、見た目と走りのギャップにニヤリとできる人であればアリな選択だ。駆動方式はAWDのみ、で価格は同グレードのディーゼルターボより約20万円安だ。

 一方、2.5L直噴NAは思わぬ伏兵と言った存在で、「これで十分でしょ」と思えるパフォーマンスにビックリ。もちろんディーゼルターボやガソリンターボと比べてしまうと発進/再加速時に若干重さは感じるが、リアルワールドで普通に乗る限りはそれほどネガな印象は感じない。また、静粛性が高いので高めの回転域を使ってもそれほど騒がしくないのだ。

 駆動方式はFFのみで、価格は同グレードのディーゼルターボより約50万円安である。

 ただ、CX-8のキャラクターを考えると本命はディーゼルターボである事は変わりなく、デビュー当初に購入したユーザーは安心してほしい。あくまでも今回のエンジンラインナップの追加は“選択肢が増えた”なのだ。

 ハンドリングはサスペンションの熟成とGVC+の相乗効果で、大柄なボディを感じさせない自然なハンドリングと落ち着きある乗り味が上手にバランスした「SUVのGT」的な乗り味に磨きが掛かり、無駄な動きが減りよりスムーズになった旋回挙動と運転のしやすさ、そして動的質感の向上などが確認できたが、フラット路面でコーナーの少ない高速周回路での試乗だったため、結論は先に書いたCX-5と同じようにリアルワールドで改めて乗って判断したい所である。

 ちなみに今回の商品改良でスターティングプライスは300万円を切る289万4400円(25S)と、より身近になっている。「CX-8はいいけど高いからな……」と諦めていたユーザーにとっては朗報で、「CX-8の裾野を広げる」と言う意味では非常に効果的である。しかし、その一方でマツダコネクトのApple CarPlay/Android Auto対応などは「最初から対応してよ」と思う部分も……。

 これはCX-8に限ったことではないが、マツダの「最新は最良」、「新技術は惜しまず投入」という考えや姿勢はよく理解できるのだが、以前にも増して頻繁になった商品改良を見ると、「目的」と「手段」が入れ替わってしまったかのような“モヤモヤ”を感じてしまうのも事実である。

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