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長期テスト マクラーレン570GT(3) NSXとの比較 570Sとの違い

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長期テスト マクラーレン570GT(3) NSXとの比較 570Sとの違い

もくじ

ー 積算8257km 跳ね上げ式ドアの実用性
ー 積算8664km NSXとの比較
ー 優れたグランドツアラー
ー テスト車について

長期テスト マクラーレン570GT(1) 570Sでない理由 オプションと価格

積算8257km 跳ね上げ式ドアの実用性

「毎日乗れるマクラーレン」らしく、570GTの象徴ともいえる跳ね上げ式のドアのおかげで、狭い駐車スペースでも心配はいらない。

ヒースロー空港の駐車場の区画は狭く、空いていた隣の区画にボルボXC60が停まっているのを見て心配になってしまったのだ。ところが、実際に駐車してみると、ドアは写真の通り問題なく開いた。魅力的で機能的。まさに、このクルマを象徴する言葉だと思う。

依然としてマクラーレンの後部からは、原因不明のガラガラとした異音がする。B&W社の助手席側のスピーカーが壊れてしまったのは、レエケースかも知れない。

積算8664km かつての盟友、ホンダ

マクラーレンとホンダといえば、過去のF1でのパートナーシップを思い返すひとも多いだろう。昨年までの残念な結果も記憶には新しいけれど。多くのカップルがそうであるように、現在の両社はそれぞれ別の道を歩んでいる。両社が共にした痕跡は、もはや残っていないようだ。

マクラーレン570GTとホンダNSXとを比較した時は、まさにそれを物語っていた。また以前、英国AUTOCARの姉妹誌で、アウディR8とポルシェ911ターボSも交えたグループテストを行ったのだが、改めて振り返ってみようと思う。

マクラーレンは最もエキゾチックな雰囲気を漂わせ、価格も高い。しかしNSXも近似した数字を持つ。570psで、17万9155ポンド(2741万円)の僕の570GTに対して、ホンダNSXの広報車は581psで18万250ポンド(2757万円)。資料によれば、どちらもほぼ同等のオプションを含んだ価格となる。

また両車がターゲットとしている顧客層も似ている。高次元のパフォーマンスとエキゾチックな雰囲気を備えつつ、優れたドライビングマナーを持った、日常的に利用できるスーパーカーを欲するひとたちだ。

この共通する立脚点にありながら、エンジニアリングのアプローチは大きく異なる。F1でのパートナーシップの不一致を、2台のロードカーが暗示しているようにも思えてしまう。もっとも、サーキットでは緊張状態にあったとしても、企業の思想や理念が明確に違っているから、自ずとそうなったのだろう。

マクラーレンは、基本的にはかなりシンプルな構造のクルマだといえる。最新技術に執着することもなく、ドライビングの基本となる、ニュアンスやフィードバックを極めるというアプローチをとっている。それらはすべて置いておいて、ハイブリッドシステムや多彩なドライビングモードを備えるホンダとは、対象的。

ただ、ハイパーカーに相当する複雑な技術の集積を、スーパーカーの価格で提供するホンダには、評価に値するだろう。

ホンダやドイツ勢を交えたグループテストでは、NSXが提供するパフォーマンスの高さを歓迎する意見と、わたしのように、マクラーレンの純粋さを良しとするひととで、見解が分かれた。マクラーレンに対する熱い想いもあって、グランドツアラーという性格を持つクルマでありながら、純粋なスポーティさの視点が強くなったように思う。

優れたグランドツアラー

570Sと比較すると確かにステアリングは穏やかで、フィードバックも密ではない。でも、山道や高速道路を570GTで飛ばしていると、常にステアリングを握る手には路面の状況が伝わってくる。この感覚がわたしは好きだけれど、現在のドライバーにとってはあまり馴染みのあるものではないし、ドライビングを楽しむために必ずしも必要だとはいえない。

570GTでの高速巡航走行は快適。ガラス製のルーフも、想像以上に広く感じられる。乗り心地も、多くのマクラーレンがそうであるように上質。しかし、タイヤの走行音はうるさく、路面のキャッツアイや凹凸の振動を、剛性の高いカーボンファイバー製のタブに伝達させる傾向は、より洗練されたライバル、特にホンダとは異なる。

これは批判ではなく、あくまでも経験としての事実。

評価としては、コントロールに対してのフィードバックの純粋さと密度、加えてどれだけ楽しめるかが重要だと思う。どのクルマもそれぞれの個性がある。比較テストと、以前のピュア・マクラーレンというイベントを振り返って考えると、570GTにはかなり満足しているといえる。

近々、テスト車両には、オプションとなるピレリPゼロ・コルサ・タイヤを履かせる予定。ハンドリングのシャープさで、570Sとの差を埋めてくれることを期待している。そんなスポーツタイヤを履いたら、グランドツアラーの性格が薄まるのではないかって?

次回、その結果をお伝えしたい。

気に入っている点:燃費

ここまでのパフォーマンスを備えながら、高速道路での巡航では10km/ℓに届くこともあるのは、素晴らしいと思う。

気に入らない点:日差しの暑さ

グラスルーフはインテリアの雰囲気を素晴らしいものにしているが、晴れた日には車内がかなり暑くなる。駐車する時は日陰がオススメ。

テスト車について

モデル名:マクラーレン570GT
新車価格:15万5755ポンド(2383万円)
テスト車の価格:17万9155ポンド(2741万円)

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