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【試乗】グイグイ曲がる! 三菱エクリプスクロスのSUVらしからぬ走りに心酔

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【試乗】グイグイ曲がる! 三菱エクリプスクロスのSUVらしからぬ走りに心酔

 アウトランダーとは走りでも明確なキャラ分け

 三菱ファンの方にとって約4年振りとなる待望の新型車は、さらなる拡大が期待できるミドル系SUV市場に投入されるエクリプス クロス。すでにアウトランダーがその市場で頑張っているが、エクリプス クロスはスタイリッシュ系のクーペSUVとして参入。すでにテストコースでは触れていたが、今回、ついに公道で試乗できたので紹介しよう。

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 一般道試乗で主に確認したかったのは乗り心地だった。なぜなら、テストコースで以前乗った印象がとても良く、それはひと世代熟成を重ねたような洗練された乗り味をしており、新型車でありながら煮詰めの“あら”が見受けられなかったので、残る不確定要素は生きた道でこそ試せる乗り心地だけだったから。

 御殿場から箱根方面への一般道で試乗をしたわけだが、結果から述べると、さすが満を持して出したモデル。その完成度を前にすると、三菱ファンはもちろん、全長4500mm前後のミドル級SUVを探している方にオススメしたくなる。

 しかし、一つだけ条件をつけよう。オススメできるのは前席を主体として使う場合だ。勘違いされそうなので正確に言うと、後席を使う環境がダメというわけではない。しかし、クルマの揺れ方に差がでるなど、より美味しい使用環境は1名乗車か2名乗車にあるという贅沢論だ。

 これを理解するには背景を知ったほうが良い。そもそもこのエクリプス クロスは、2012年末に登場したアウトランダーの兄弟車。噂では同時期にスタイリッシュなSUVとして企画が立ち上がったが、さまざまな影響があり日の目を見ることがなかった。その企画モデルが、今の時代に適合されながらエクリプス クロスの名で登場したというわけだ。

 それを踏まえると、アウトランダーをSUV王道のアクティブファミリー層を狙う企画モデルとするなら、スタイリッシュSUVであるエクリプス クロスは、よりダイナミックな走りも受け止めるSUVになって然るべきだろう。

 ボディサイズを見ても、ホイールベースは2670mmでアウトランダーと同じながらも、全長が290mm短い4405mm。それだけオーバーハングが短く、運動能力は必然的に上がる。全高も低重心につながる25mm低く設定された1685mm。

 そのような基本的なキャラクター設定に沿った味付けや作りと、アウトランダーが熟成させた基本性能を引き継いだことで、走りが優れているのがエクリプス クロス。具体的に乗り込んだ瞬間こそは、アウトランダー同様の見晴らしの良さや開放感を備えており見切り性能も高いが、同時に若干の腰高感を予感させる。

 しかし走り出すとボディ補強された効果も相まって、走行振動が少なく、足まわりがとてもしなやかに動き接地感が高い。とくにリヤまわりのしっかり感が増したことで、旋回中の踏ん張り感が高く、ハンドルの切り始めなどではアウトランダー同様の遊びのような感触が残っているが、切り込んだ際には手応えが増すとともにグングン曲がる。

 ちなみにテストコースでは、タイヤが鳴きだして旋回力が落ちそうな領域でさえ、内輪ブレーキ制御などのS-AWCが働いているのだろう、不思議なほどグイグイと安定して曲がり続けていたことを付け加えておこう。何にせよ、アウトランダー以上に旋回力と踏ん張り感が高い。そんな走行性能を持ちながらも、乗り心地にしなやかさを維持していたのでオススメしているわけだ。

 そして、1.5リッター直噴ターボの新エンジンの完成度も高い。最大出力は150馬力。最大トルクは240N・m。箱根の山道を3名乗車で走ってもストレスフリーなことや、6000回転リミットまでの吹き上がりのスムースさや、低回転から力強さからは、スペック以上の性能を感じる。

 気になるのはCVTの特性が関係するのだろう。アクセル操作に対するレスポンスが少し鈍感になる時がある。しかしこれもパドルシフトを使った8速の擬似的なステップ変速を使えば鋭くできるし、それでいて通常のスムースなCVTらしい走りが欲しいならエコモードを選べば良いなど、使いこなせば満足できる味付けだ。

 そんな好印象のなか、ひとつ大きく気になるのが、リヤシートのホールド性の低さ。形状が平坦で、しかも後席に乗ると前後方向の揺れが大きく出やすくなり、その特徴と相まって後席は疲れる。これを踏まえて、最初に美味しさを存分に味わえるのは1名もしくは2名乗車といったわけだ。

 最後に、もう少し待っていれば欧州で使っている2.2リッターディーゼルが搭載されるとか、アウトランダー自慢のPHEVが積まれるのではと勘ぐる方もいるが、気に入った方は今がエクリプス クロスは買い時だ。

 なぜなら1.5リッター直噴ターボの完成度が高い上に、このようなクーペSUV的なスタイリッシュな“個性的”デザインをしたモデルは、どのモデルにも起こる「見慣れる」というデザイン消費が起きたとき、魅力の落差が大きいから。だからこそ街中にエクリプス クロスが走っておらず、自分のクルマ以外を見ないような今のタイミングで乗ると格段に付加価値が増す。

 何にせよ、若干安く設定された価格設定によるコストパフォーマンスの良さも含めて、ミドルSUV族にオススメの一台だ。

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