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軽でもここまでやるか! ホンダが新型N-BOXに詰め込んだ贅沢すぎる技術

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軽でもここまでやるか! ホンダが新型N-BOXに詰め込んだ贅沢すぎる技術

 軽のNA初のVTECに軽初のウエストゲート!

 N-BOXには新開発のエンジンが投入された。660cc以下という排気量制限のなかで高出力と低燃費を両立させるため、先代N-BOXのエンジン(S07A)もロングストローク仕様だったが、新しいS07Bはさらにロングストローク化された。大幅な軽量化およびエンジンの低燃費化に加え、従来モデル同様のクラストップのトルクを両立させることができたのでハイギアード化が可能になり、さらに燃費性能を向上させることができている。

【18年も据え置き】軽自動車の規格見直しは必要ないのか?

 S07BにはNAとターボ仕様の2タイプを設定。NAは軽自動車として初めて「VTEC」を搭載(吸気側)したほか、ボアの小径化にともない燃焼室の表面積を縮小することで冷却損失を低減させ、またスパークプラグから燃焼室遠端までの距離を短かくすることで耐ノック性も高めている。レギュラーガソリン仕様ながら12.0という高圧縮比を実現し、燃費性能も高めた。

 ターボ仕様では、新たに電動ウエストゲートを採用した(軽自動車初)。ウエストゲートは本来、ターボの過給圧が上がりすぎるのを防ぐために高負荷領域だけ機械的に作動するものだが、これを電動化して低負荷時にも作動させることでターボチャージャーの負荷を減らし、過給圧の立ち上がり特性も制御できる。

 660ccのターボ付きエンジンで自主規制枠の64馬力を発揮させるのは、現在の技術では難しくはないので、高回転域の出力を当然確保しつつ低回転域での扱いやすさや燃費性能を高めるべく、VTC(連続可変バルブタイミング・コントロール機構)と電動ウエストゲートで出力特性を制御しているのだ。

 トランスミッションはエンジンタイプ、駆動方式にかかわらずCVTとなる。NA用、ターボ用でそれぞれ変速比が設定されているが、ターボ用は全体的にハイギヤードで、マニュアルモード付きとなっている。CVT内部構造を見直し、フルード量を従来より少なくすることで攪拌抵抗を低減し、またシールリングなども低フリクションタイプに変更。

 CVTのオイルポンプは従来の1系統から2系統に。CVTではプーリーがベルトを挟んだり潤滑のために油圧が必要だが、低/定負荷領域では高圧系統の油圧をそれほど必要としないので、1系統の高圧ポンプではロスが生じる。そこで、車両の運転状態に応じて2系統の油圧回路(高圧系/低圧系)を切り替えることで、ポンプ全体のロスを低減。また、プーリー径のサイズアップや表面性状の変更、フルードの変更により、プーリーにかかる油圧を低く設定しオイルポンプの負担を軽減している。CVTの進化も燃費向上に大いに貢献しているのだ。

 超高張力鋼板の採用で軽量化と高剛性を両立したシャシー

 今回のモデルチェンジでN-BOXのプラットフォームは刷新された。軽自動車はボディサイズに制限があり、とくにN-BOXのようなスーパーハイトワゴンではどれだけ容積率を高めるかが課題となる。そうした条件のなかで、さらに軽量化と高剛性化を両立し、衝突安全性/静粛性/操縦安定性までも向上させるべく、新型プラットフォームを投入することとなった。今後登場するNシリーズのベースとなるだけに、ホンダの軽自動車全体の「屋台骨」となるプラットフォームだ。

 また、今回は「助手席スーパースライドシート」が搭載されることもあり、ロングスライドレール組み込みや床下燃料タンクレイアウトなど、低床化を前提にプラットフォーム開発が行われた。

 ボディについては、従来モデル同様、インナーフレーム構造による高効率継ぎ手骨格を継承しつつ、フロントピラー(ダブル)からルーフサイド(フロント)、センターピラー(アウターパネル)にかけての環状部を中心に、1180PMaの超高張力鋼板を新たに採用。780MPa以上の高張力鋼板の使用部位を従来モデルの15.4%から46.7%にまで拡大している。そのほか、シーム溶接や高粘度接着剤による接合部分を増やすことで、高剛性化と約15%の軽量化を実現している。

 シャシー、サスペンションについては「安心・意のままの走り」をコンセプトに操縦安定性/快適性/静粛性の向上が図られている。フロントにマクファーソン・ストラット、リヤにトーションビーム式(FF)またはド・ディオンアクスル式(4WD)というサスペンションの基本形式は従来モデルと同様。

 だがフリクションを低減させ、微振動領域の作動性と応答性を高めた高性能ダンパーを新たに採用、またリヤサスペンションにスタビライザーを追加(FFのみ)することでロール剛性を高めつつ、スプリングレートを下げることで乗り心地を向上させている。

 操縦安定性の向上は、ステアリングシステムの進化によるところも大きい。ステアリングコラムシャフトを大径化するとともに、ステアリングラックの取り付け剛性を高め、ベアリング類のガタ詰めを行うことで操舵時の動き出し(レスポンス)の遅れが解消された。そのうえでECUによる電動パワーステアリングの最適制御により、安心感の高いステアリング特性を実現している。

 そして、軽量化はシャシーまわりでも徹底されている。フロントブレーキ、ホイール、ダンパーの軽量化のほか、ナックルやスタビリンク(フロント)のアルミ化によりバネ下重量を軽減することで、高い運動性能を実現しているのだ。

 普通車レベルまで高められた衝突安全性

 パッケージ拡大と軽量化を実現しつつ、新型N-BOXの衝突安全性能は普通車レベルにまで高められた。フロアパネルの衝撃吸収構造を変更し、ドアロードパス構造を採用。前面・側面・後面の全方位の安全性を高めた(社内テスト・ランク5★レベル)。

 パッシブセーフティの面では運転席・助手席エアバッグのほか、前席サイドエアバッグ&サイドカーテンエアバッグを装備(一部グレードにオプション)。サイドカーテンエアバッグは体格差に対応する形状とし、助手席スーパースライドシート仕様の全域スライド位置に対応。乗員全員の頭部を保護する。

 アクティブセーフティでは、ドライバーの視界特性を重視したダッシュボードやメーター、フロントピラーなどの形状やレイアウトを採用し、メーターの視認性を高めている。

 また、ホンダ自慢の安全機能装備「ホンダセンシング」を全車に標準装備。CMBS(追突軽減ブレーキ)は前走車だけでなく対向車・歩行者に対応している。前走車に追従するACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)が搭載され、LKAS(車線維持支援システム)と歩行者事故低減ステアリングはステアリング制御機能付きとなる。ちなみにオートハイビーム機能付きのLEDヘッドライトは全車に搭載される。

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