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ボルボXC60試乗レポート ジャーマンスリーをガチライバルとする新型ボルボXC60

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ボルボXC60試乗レポート ジャーマンスリーをガチライバルとする新型ボルボXC60

2017年10月16日に国内デビューをした新型ボルボXC60だが、ひと足先に試乗できたので早速お伝えしよう。<レポート:高橋 明/Akira Takahahsi>

(参考リンク:ボルボ 新型「XC60」テクノロジー解説)

ボルボ スカンジナビア・デザイン、上質さをアピールするプレミアムSUV「XC60」解説

ボルボは先代のXC60からプレミアムセグメントへ移行しているが、新型XC60ではそのプレミアム度にさらに磨きをかけ、ジャーマン・プレミアムに対抗するモデルという位置づけでデビューした。また、ボルボは新世代ボルボへの移行も始まり、その第一弾としてSPA(スケーラブル・プラットフォーム)を使用した90シリーズがすでに国内デビューもしている。新型XC60はそのSPAを採用したモデルで、新世代ボルボの第2弾が60シリーズというわけだ。ちなみに、小型車用の新世代プラットフォームCMAを採用した40シリーズもワールドプレミアされている。

■ポジショニング

ドイツのプレミアムモデルとガチ勝負するとしているボルボだが、ライバルとなるのは、メルセデス・ベンツGLC、BMWX3(2017年11月国内発表)、そしてアウディQ5あたりのモデルになる。新型ボルボXC60の全長は4690mm、全幅1900mm、全高1660mm、ホイールベース2865mmでライバルたちと同等のサイズでデビューした。

こうしたプレミアムセグメントになると、良くて当たり前という存在になる。軽く500万円オーバーで1000万円にも手が届くグレードも存在するわけで、それで安っぽいとか、乗り心地が悪いとか、そうした量販モデルで問題となるような完成度のものではなくなる。

では、どこが違い、他モデルに対して優位となる部分は何か?というのが気になる。ひとつにはブランドという力が存在する。アウディも過去急激に、プレミアムブランドへと変化したブランドではあるが、今では高級ブランドとして当たり前のように認知されている。メルセデス・ベンツやBMWは言うまでもなく、高級ブランドとしての認知度は高い。

そうした中でボルボ・ブランドは、「これから」というところにポジションしている。ブランド力という点ではこれまでのジャーマンスリーにはまだ及ばないのもの事実だ。

■デザイン

ではほかの魅力は何か?やはりスカンジナビアン・デザインというのは魅力のひとつだ。XC60のデザイン的特徴としてフェイス周りでは、90シリーズから採用されているLEDヘッドライトと北欧神話の雷の神様「トール」をモチーフにしたハンマー型T字デザインのライト周りだ。個性的でハイセンスなデザインになっている。

また、グレード展開ではモメンタム、インスクリプション、R-Designという展開だが、いずれもグリルデザインが異なり、個性を主張している。

そしてもっともジャーマンスリーとの違いは、XC60はXC90の小型版、XC40のラージ版というヒエラルキーではないことだ。ボディサイズの大きさの違いでヒエラルキーとされることなく、各モデルの個性を主張していて、ユーザーの気に入ったモデルを購入してほしいということなのだろう。こうした販売戦略的なところが異なっているのもポイントかもしれない。

インテリアも北欧デザインを主張し、ラグジュアリーなインテリアにしている。2013年に発表したコンセプトクーペのインテリアをもっとも忠実に再現したモデルがこのXC60のインテリアだそうだ。新世代ボルボの象徴としたコンセプトモデルをどこまで再現できるかがポイントであり、再現率の高さは魅力になる。

具体的には、U字型のダッシュボードと2重構造のようなデザインのダッシュパネル、ダイヤモンドカットされたキラキラ光るスイッチ類。そしてXC90とまったく同じフロントシートをXC60にも採用しており、セグメントを超える豪華なフロントシートになっているところもポイントだろう。装備としては、ベンチレーションやマッサージ機能も搭載している。

もちろんインパネ類も最新のタッチ式を採用し、スイッチ類の数を大幅に削減している。ボルボの資料によればポルシェ・マカンのスイッチ、ボタンの数が53個あるのに対し、新型ボルボXC60は僅か8個になっている。

ところが、試乗中にこのボタンの少なさから、何かをしようとしたとき、どこに何があるのか非常に迷うことになった。これはオーナーとなれば使う頻度の高いものはすぐになれるだろうが、試乗レベルではなかなか使いにくい。だが、そもそも、そんなことはボルボでも十分承知していて、なぜそうしたのか。

その答えは、音声で操作できるようになっているのが新世代ボルボの魅力なのだ。例えば室内の温度が熱いとか寒いといった時、温度調整ボタンを探すのではなく、ハンドルにあるマイクスイッチを押し「熱い」と言えば、「エアコンの温度を23度にします」と音声で応え、そして自動で温度調整される。もちろん、ナビゲーションの目的設定なども音声で設定できる。

こうした音声認識は認識レベルがあまり高くなく、実用性において疑問視されていたが、このボルXC60に搭載されている音声認識機能はかなり実用的だと感じられた。言うまでもなく日本語対応なので、あとは、使う用語の整理ができれば、かなりのレベルで、先進的なインテリアだと感じられることは間違いない。

■エンジンパワー

国内導入はプラグインハイブリッドのT8、ガソリンモデルの出力違いのT6、T5、そしてディーゼルのD4がラインアップするが、試乗したのはT5で、直列4気筒の2.0Lターボ254ps/350Nm仕様のモデルだ。組み合わされるミッションは8速ATで、ダイレクト感のあるATが搭載される。またいずれもAWDでFFは導入されない。

パドルシフトも装備され、力強さを十分に感じられるエンジンで、JC08モード燃費では12.6km/Lというスペックになっている。

今回試乗はできなかったが同じ2.0LのT6エンジン仕様はターボチャージャーとスーパーチャージャーが組み合わされ、320ps/400Nmというスペックになっている。

■走行インプレッション

特筆は走行時の静粛性だ。プレミアムモデルではもっとも重要な要素かもしれない。タイヤのロードノイズの低さ、高速道路や、路面の悪い場所でもフロアなどからのロードノイズの進入がなく、とても静かだ。驚異的な静かさと言ってもいい。

サスペンションは特徴的な樹脂製リーフスプリングをリヤサスペンションに採用しているが、走行性能において、他の形式のサスペンションとの違いは感じられない。また、エアサスペンション仕様もあり、こちらは+30万円のオプションで選択できるようになっている。

高級ブランドのプレミアムカーということからも、このエアサスペンションがベストチョイスだと感じた。機能としては高速走行時に10mm車高が下がり空気抵抗を減らすことや、停車時の乗降性をよくするために車高が下がるといった機能があるものの、やはり乗り心地が断然いい。コンベンショナルなサスペンションは反対に路面からのインフォメーションを掴みやすく、ある意味ドライバーズカー的視点からは魅力がある。しかし、この新型XC60はジャーマンスリーとの決定的な違いとしては、セグメントを超える静粛性とこの乗り心地抜群のエアサスペンションだと思う。

■安全性能

ボルボの安全性はもはや言うまでもないほど、信頼性が高いという認識が一般化していると思う。センサー類の進歩は日ごと改良されており、このXC60にもより精度の高い制御が可能となっている。特にACCでは140km/h未満まで全速対応しており、渋滞時や交通量の少ない高速道路などでは疲労軽減に役立つ。

また、このACCのパイロットアシストはドイラブモードに連携しているため、車線変更したあとの加速でも、ダイナミックな加速が可能であり、また緩加速も可能とするなとフレキシブルな対応をする。もちろん前走車への追従、前走車がいない場合でもレーンキープして車線内自動走行はする。

他のメーカーとの制御の違いとしては、レーンキープ機能において、制御介入が早めで、強い力でステアすることが挙げられる。車線内において、路面の傾斜等で片側へ寄っていくようなケースでは、素早く修正されるのだ。そして比較的強めのトルクでステアされる。事故を未然に防ぐという意向かもしれない。この辺りはエンジニアの考えが反映されるところでもあり、いわばXC60の特徴とも言えるポイントだ。

て、ここまで新型ボルボXC60の魅力を探ってきたが、もうひとつ注目したいポイントがある。それは価格だ。これもボルボからの資料になるのだが、装備レベル、エンジンレベルをそろえた場合のバリューコストはボルボが断然有利なのだ。こうしたグレードと装備を同等にしてみた場合の価格差は、実際の購入時の検討材料として参考にしてみたいポイントだ。

(参考リンク:ボルボ 新型「XC60」テクノロジー解説)

■価格

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