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【新型トヨタ・ハリアー詳細解説】上質な走りを生むシャーシの秘密

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【新型トヨタ・ハリアー詳細解説】上質な走りを生むシャーシの秘密

 ターボ車は前後にパフォーマンスダンパーを装備

 ビッグマイナーチェンジを実施し、2リッターターボエンジン車を追加したことで話題の新型トヨタ・ハリアー。

【クルマが傷む】駐車時の「据え切り」やっていませんか?

 シャーシのチューニングで特筆されるのが、ターボ車のパフォーマンスダンパーの装備がある。これはヤマハ発動機が開発した「車体制振ダンパー」で、前後のサイドメンバー間に橋渡しで装着される。構造は、棒状の太い部分に単筒型の高圧ガス入りオイルダンパーを内蔵したもので、ボディ振動のようなストロークが小さい領域で減衰力が素速く立ち上がる特性をもたせてある。

 振動とは小さな振幅なので、ボディに振動があるということは、そこについているサスペンションの取り付け位置なども動いていることになる。その振動を抑えることでサスペンションなどの動きが本来の状態に近くなるほか、乗員が感じる振動やノイズも減るため、操縦安定性はもちろん車両全体の質感も大きく上昇する効果を期待できる。

 サスペンションでは、操縦安定性と乗り心地を高レベルに両立するため、FADショックアブソーバーを採用している。FADとは振動数感応という意味の言葉の頭文字。電子制御などの外部からのコントロールに頼らずに、路面や走行状況に合わせて特性を変えるパッシブ型の減衰力可変メカである。作動としてはコーナリングのような大きくゆったりした動きでは減衰力を高く保って操縦安定性を確保し、段差や荒れた路面での通過時のような小さく早い動きでは、減衰力を低下させて快適な乗り心地を実現する。

 ハイブリッドはモータートルクを使ってピッチングを減少

 また、ハイブリッド車では専用装備として「ばね上制振制御」を備えている。こちらは、路面の凹凸に応じて、モータートルクをリアルタイムに制御することで、車体のピッチング(前後方向の角度変化)を少なくするものだ。たとえば、凸路面への通過でフロントがもち上がるときには、モータートルクを下げることで前下がりの動きを与えてやることでもち上がりをキャンセル。一方、凹部の通過ではこの逆を行なってフラットな乗り心地を提供する。

 車両安定制御では、滑りやすい路面等で走行安定性を確保するS−VSCがある。これは、ステアリング制御(電動パワーステアリング)、ブレーキ制御(VSC,ABS)、駆動力制御(VSC,TRC)と協調制御を行ない、滑りやすい路面でのコーナリングで、車両の挙動が安定する方向に駆動力配分と操舵トルクをアシストする。

 ターボおよびガソリンの4WDシステムでは、ダイナミックトルクコントロール4WDを搭載する。こちらは、駆動力配分を行なうリヤデフへの電子制御カップリングをリアルタイムでコントロールして、常に最適な駆動状態にするもの。発進時や滑りやすい路面では、状況に応じた最適なトルクをリヤに配分し、コーナリング時はステアリングの操舵量からドライバーの意図するターゲットラインを算出。車両の挙動に応じて、きめ細かくリヤへ配分する。4WDではS-VSC+ダイナミックトルクコントロール4WDの協調制御となる。

 先進安全装備に関しても触れておきたい。今回、トヨタ・セーフティセンスPが加わった。これはフロントウインドウ上部の単眼カメラとフロントグリル内側にあるミリ波レーダーで前方の状況を検知する安全支援システム。車両のほかに歩行者も認識し、ドライバーがブレーキを踏んだ場合はプリクラッシュブレーキアシストを。そしてブレーキを踏めなかった場合はプリクラッシュブレーキを作動させて、衝突回避または被害軽減を図る。

 また、車線逸脱警報のレーンディパーチャーアラート、夜間走行時のヘッドライトの切り替え操作を軽減するアダプティブハイビームシステム/オートマチックハイビーム、レーダークルーズコントロールも備え、安全だけでなく、疲労を減らす装備がセットになっている。

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