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新型ホンダ・フィット試乗 マイナーチェンジ前後の違い ハイブリッド徹底解析

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新型ホンダ・フィット試乗 マイナーチェンジ前後の違い ハイブリッド徹底解析

■どんなクルマ?

3代目フィット マイチェン

ロータス・エヴォーラGT430 436ps 2000万円超え ロータス公道モデル史上最強

シティの後を受けて登場したロゴがフィットの前身となる。ロゴは実用型コンパクト2BOX車の基本に徹底したモデルだったが、日本市場では商業的に失敗。フィットはパッケージングもハードウェアもロゴから継承されていない。それらは明確に革新を示すが、前作の失敗の影響も大きい。開き直れたからこそ飛躍できたわけだ。


ただ、ロゴから継承がまったくなかった訳でもない。共通項は実用性である。実用性のこだわりは当時のコンパクト2BOX車でも群を抜き、センタータンクレイアウトなどの独自設計を採用し、収納や積載の多様性で同クラス他車を圧倒していた。


3代目となる現行モデルへのFMCでは一部の収納機能を廃止。実用機能は多少低下しているのだが、ノートなどの直接の競合車がプレミアムあるいはシンプルの方向へ向かい、相対的にはこれまで以上に実用性と多用途性に優れたモデルとなっている。

フィット、なぜダウンサイザーが選ぶ?

長い前置きになったが、先代から現行モデルの実用機能の「多少の低下」の理解は今回のMCの要旨のひとつである。実用性に振りすぎれば道具感が強くなり、プレミアム感が減少しやすい。実用の勘所を押さえてプレミアム感の向上を図ったのだ。プレミアム感はダウンサイザーにとって要点のひとつであり、結果フィットのダウンサイザー需要も上昇した。

内装・外装だけじゃない 全パワートレイン改良

新意匠の前後のバンパーやヘッドランプの採用や本革風合いのインテリアの設定などの内外装の変更がプレミアム感向上の要点だが、注目は見た目の変化だけではない。快適性向上のためボディ剛性を強化。全パワートレインに改良を加えて、燃費とドライバビリティを改善。つまり、走りのプレミアム感向上も注目される。


さらに、ホンダセンシングの採用も見逃せない。ハイブリッドのベーシックグレード以外に設定され、「F」グレード以外は標準装着される。安全と運転支援機能の充実は次世代基準の先取りにもなり、ダウンサイザーや長い付き合いを前提とするドライバーには欠かせない要件のひとつである。

■どんな感じ?

衝突回避で、ステアリング制御

クラス相対で最も大きなアドバンテージとなるのはホンダセンシングだ。ミリ波レーダーと単眼カメラを用いて
・AEBS(衝突回避自動制動システム、車両/歩行者に対応)
・LKA(車線維持支援)
・ACC(前走車追従機能付き定速走行装置)
・標識認識機能
などの安全&運転支援機能を実現している。こういったシステムを1.3ℓクラスに標準展開するのも先進性になるが、AEBSに「回避操舵支援」機能を付加するなど機能面でも先進的である。

ステアリング支援 LKAにメリット

とくにLKA(車線維持支援)は実用面の効果が大きい。約60km/h以上での対応になるが、車線逸脱しそうになると修正操舵を行う。手放し御法度ながら自動操舵と言ってもいいくらいだ。対応できるコーナー半径の制限もあり、原則的にはドライバー自身が操舵を支配する必要があるものの、車線内の走行ライン維持修正の滑らかさも含めて実用的である。ACCとのコンビで高速長距離走行の運転ストレス軽減の効果は相当なものだ。

走りの進化も見所。劇的と言うほどでもないので熟成という表現が適当だろう。

DCT制御の進化

搭載されるi-DCDはアトキンソンサイクル制御の専用エンジンと7速DCTを用いた1モーター2クラッチ式のパラレルハイブリッドである。完全エンジン停止状態での電動走行および電動入力の変速も可能である。

DCTの苦手とする発進時などのクラッチの断継時に電動を用いることで、極低速域の扱いやすさやスムーズな変速を実現。初期リコール対策後にちょっとラフになったが、MCでは再びDCTとは思えぬ滑らかな変速感と極低速特性を取り戻していた。

ハイブリッド制御の進化

MCで、電動のよさを積極利用

さらに余力感も含めたドライバビリティの向上も熟成の要点だ。従来モデルはEV走行以外では電動の介入を意識させない特性だったが、MCモデルでは電動ならではのトルクピックアップのよさを積極的に用いている。


踏み込み直後の加速立ち上がりがやたらと早い。踏み込み始めるのと同時にグイっと加速。内燃機では有り得ない反応である。しかも、踏み込み直後のトルク増を大きく、その後に鈍していくような特性なので、スペックを超えた力強さだ。巡航ギアの維持能力も優れ、クラス上の余力が感じられる。


快適性改善の鍵は「落ち着き」である。サスやフレーム周りの振動や揺動に減衰が感じられるようになった。多少オーバーな表現だが、「ヒョコヒョコ」から「どっしり」という感じだ。細かな揺れの減少や据わりがよくなり、それらがフットワークから受ける車格感を向上させているのだ。騒音関連も静かさよりも苛つくような音質が減り、全体的に肌触りのいい乗り味となった。

■「買い」か?

上級クラスのプレミアム感を濃縮するダウンサイジングもあるだろうが、プレミアムとかスポーティを誇張すると脂ぎったあるいは子供っぽくなりやすい。MCでフィットは質感や車格感を向上させたが、自慢気に言葉を躍らせるような類ではない。大技はホンダセンシングくらいで、基本は肌触りとか着心地にも似た良質の改善である。


あまり大袈裟に捉えられても困るのだが、便利なタウンカーであり、高速長距離走行も上手にこなし、ふたり乗車なら多様なレジャーにも対応できる。試乗したハイブリッドS(写真赤)はRSルック仕様で高めの価格設定だが、標準系ラグジュアリー仕様のハイブリッドL(写真青)なら約208万円。タウン&ツーリングを気軽にこなせるエコなクルマを求めるダウンサイザーを筆頭に、コンパクト2BOX車ユーザーの多くに勧められるモデルである。

ホンダ・フィット・ハイブリッドSホンダセンシング

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