現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > アルピーヌA110 同乗試乗&インタビュー ポルシェ718ケイマンを超えたか?

ここから本文です

アルピーヌA110 同乗試乗&インタビュー ポルシェ718ケイマンを超えたか?

掲載 更新
アルピーヌA110 同乗試乗&インタビュー ポルシェ718ケイマンを超えたか?

アルピーヌA110 アルミニウム製を選んだ理由

秋に開催される国際試乗会を前に、ダン・プレッサー記者が、アルピーヌA110の同乗試乗を許された。ルノーのテクニカルセンター(フランス北部、オーブヴォワ)からレポートをお届けしよう。

ルーテシアR.S.新型 シャシーカップ試乗 ポロGTI/208GTiに、コスパで王手

チーフエンジニアに訊く、A110

固定式でリクライニングもできないバケットシート。そのパッセンジャーシートに身をかがめて入り込もうとすると、あの二人から耳にした言葉が頭をよぎった。

・エリック・レイマン(商品企画ディレクター)
「A110の開発にあたって、まず最初にはじめたのはカスタマーからのヒアリングです。2012年のことでした。まずポルシェ、ケータハム、ロータスのオーナーを集めてクリニックを開き、それから参加者の間口を広げていったのです」

「すると、日々を快適に過ごせるスポーツカーを望む声が多かったのです。ただし、“サーキットでも楽しい” という条件付きですが…」

・デイビッド・トゥーヒグ(チーフエンジニア)
「アルピーヌとしては、時速60km/h台で公道を走っていても、ドライビングプレジャーを感じさせるクルマが欲しいのです。それにもかかわらず、サーキットに行く週末には、血がさわぐようなモデルが理想ですね」

彼のチームが、このクリニックの結果をもとに、スペックを決定した。その目指すところは、第1に “軽量” であること。

「車重が軽ければ、スプリングレートを高める必要もなく、猛烈に硬いクルマのなかで毎日を過ごす必要がなくなります。これがA110のボディをアルミニウム製にした理由です」

「続いて重要なのが、サスペンションの選択でした。全輪ダブルウイッシュボーンの採用は、このクラスでは非常に稀なことでしょう。718ケイマンは、フロントがマクファーソンですから」



車重1080kg 全輪ダブルウィッシュボーン

初心にかえって自動車工学のテキスト、それも第1章を読み返してみた。

・ダブルウィッシュボーン
・軽量ボディ

このふたつが、A110のダイナミクス性能を方向づけることは間違いない。

前者は、ハードコーナリングにおいてもポジティブキャンバーに陥ることなく、路面にぴったりとトレッド面を接地させる。この点に関してはストラットに優るのだ。

それがストラット・サスペンションでは、クルマの姿勢を正すために強固なアンチロールバーを必要とする。その代償が、乗り心地の悪化だ。

「ダブルウィッシュボーン式を四輪に採用したことで、ボディロールに悩まされる必要がありません。A110に取り付けたアンチロールバーをご覧ください。小ぶりで、中身は中空です。乗り心地に悪影響はありません」

・車両重量は、ミニマムに(1080kg)。
・足まわりは、ダブルウィッシュボーン式。

これが素晴らしいスポーツカーの鉄則だ。



「A110」助手席インプレッション ウルゴン登場

例えばスロットルを踏み込んだときにどうなるか? A110のサスペンション設定は、スムーズなキャンバー変化という点では、クラス随一の性能だとトゥー匕グは胸を張る。それゆえハードに攻め込んでいっても唐突な挙動変化はなく、狙い通りのラインにクルマを乗せることができるという。

思い切ってコーナーに飛び込むと、わずかにトーアウトとなる設定がなされており、緩やかにアンダーステアが顔を出す。シャシー自体のバランスは、実にニュートラルにチューンされている。

低中速:扱いやすく、走るのが楽しい
高速域:安定していてセーフティマージンが大きい

これは望んでも、なかなか成し遂げられないキャラクターである。

アルピーヌA110 ウルゴンの隣からレポート

それでは本日の主役に登場して頂こう。ドライバーの名は、ロラン・ウルゴンだ。彼よりもA110のダイナミクス性能を語るにふさわしい人物はいるまい。そしてテストコースは、ルノー・テクニカルセンターの高速テストコース。これ以上の条件はないだろう。わたしはその助手席に同乗させてもらった。

A110のステアリングを握ったウルゴンは、鳥肌が立つほどのスピードで、連続するタイトコーナーに進入する。さきほどまで、優美で穏やかなルックスのクルマだと思っていたが、今のわたしは野生動物にしがみついているような気分だ。



延々とつづくドリフト ケイマンに勝機は?

ストレートを立ち上がると強烈なパフォーマンスで加速していく。デュアルクラッチのトランスミッションは、変速がシャープで、キレがいい。それに本物のスポーツカーだけが発するサウンドが、終始耳をくすぐるのだ。

ウルゴンが、走行モードを「トラックESC」にすると、わずかにスリップしながら、低速コーナーでドリフトを披露してくれた。

もっと楽しみたい? とばかりに、彼はおもむろにシステムOFFを選んだ。するとそこから長々と続く激しいドリフトがはじまった。助手席から見ているかぎり、クルマの身のこなしは驚くほど軽く、ステアリングのレスポンスは鋭い。スピードを高めていっても安全マージンが失われることはなかった。

テストコースの最もラフなセクションにA110が差し掛かる。ここでは、多くの開発車両がフェンスの犠牲になるという。しかし、その走りはどこまでも懐が深く、スムーズだ。これほどのコントロール性と走行性能が共存するモデル。決して数多くは存在しない。

さて、本当にアルピーヌA110は、ファン・トゥ・ドライブの申し子なのだろうか? その答えは、AUTOCARが試乗を許されるまで待つことにしよう。わたしが今皆さまに約束できることはただ一つ。718ケイマンは確実に追い詰められているということだ。

こんな記事も読まれています

GTWCアジア:ANR with VSRがジャパンカップ開幕戦のSUGOにスポット参戦へ
GTWCアジア:ANR with VSRがジャパンカップ開幕戦のSUGOにスポット参戦へ
AUTOSPORT web
ええ、カワイイのにターボだけ!? アルトCってただのミラジーノ対抗じゃない感がスゴい!!!!!!!
ええ、カワイイのにターボだけ!? アルトCってただのミラジーノ対抗じゃない感がスゴい!!!!!!!
ベストカーWeb
「ジャパンモビリティショー2024」開催決定 新しい事業つくるビジネスイベントに
「ジャパンモビリティショー2024」開催決定 新しい事業つくるビジネスイベントに
グーネット
アウディ A4/A5シリーズに“傑作”うたう2つの特別仕様車 インテリアの質感アップ
アウディ A4/A5シリーズに“傑作”うたう2つの特別仕様車 インテリアの質感アップ
グーネット
SUBARUサンバーを快走仕様!「誰もやらないスピーカー修復」2
SUBARUサンバーを快走仕様!「誰もやらないスピーカー修復」2
グーネット
小さいことに価値があるGLAのベストバイがコレ!【メルセデス・ベンツ GLA】
小さいことに価値があるGLAのベストバイがコレ!【メルセデス・ベンツ GLA】
グーネット
昭和世代じゃなきゃ理解不可能!? マツダがこだわる[ロータリーエンジン]って何がそんなにスゴい?
昭和世代じゃなきゃ理解不可能!? マツダがこだわる[ロータリーエンジン]って何がそんなにスゴい?
ベストカーWeb
新型[コスモスポーツ]復活!! 特許庁に出願されたから市販化秒読み!? しかもリトラクタブルも続行
新型[コスモスポーツ]復活!! 特許庁に出願されたから市販化秒読み!? しかもリトラクタブルも続行
ベストカーWeb
彼女のマツダ「RX-7」は175台限定の「タイプRZ」でした! ドレスデザイナーがFD3Sを選んだ理由と愛車に巡り合ったストーリーとは
彼女のマツダ「RX-7」は175台限定の「タイプRZ」でした! ドレスデザイナーがFD3Sを選んだ理由と愛車に巡り合ったストーリーとは
Auto Messe Web
鉄人リードのル・マン連続出場途切れる。ドライバー変更のプロトン、マスタング3台目のカラーリングを公開
鉄人リードのル・マン連続出場途切れる。ドライバー変更のプロトン、マスタング3台目のカラーリングを公開
AUTOSPORT web
中国GP以降伸び悩むセルジオ・ペレス。契約更新の保留が大きなプレッシャーに
中国GP以降伸び悩むセルジオ・ペレス。契約更新の保留が大きなプレッシャーに
AUTOSPORT web
ハイブリッドでクラシックな「アメリカン」 ジープ・グランドチェロキー 4xeへ試乗 悪路性能は圧巻
ハイブリッドでクラシックな「アメリカン」 ジープ・グランドチェロキー 4xeへ試乗 悪路性能は圧巻
AUTOCAR JAPAN
人はなぜ「◯◯界のロールス・ロイス」を目指すのか? 最高であり文化の香り漂うのは「ベル・エポック」という豊かな時代に誕生したから!?
人はなぜ「◯◯界のロールス・ロイス」を目指すのか? 最高であり文化の香り漂うのは「ベル・エポック」という豊かな時代に誕生したから!?
Auto Messe Web
フォード・マスタング躍進。チャズ・モスタート&キャメロン・ウォーターズが今季初勝利/RSC第4戦
フォード・マスタング躍進。チャズ・モスタート&キャメロン・ウォーターズが今季初勝利/RSC第4戦
AUTOSPORT web
2024スーパーGT第3戦鈴鹿のGT300クラス公式予選Q1組分けが発表
2024スーパーGT第3戦鈴鹿のGT300クラス公式予選Q1組分けが発表
AUTOSPORT web
ふたつの心臓を持つ猛牛!ウルスにプラグインHVが登場【ランボルギーニ ウルスSE】
ふたつの心臓を持つ猛牛!ウルスにプラグインHVが登場【ランボルギーニ ウルスSE】
グーネット
5速MTのみ! オープントップの新型「スポーツモデル」発表! レトロデザインに「タテ型マフラー」採用した「小さな高級車」に反響あり
5速MTのみ! オープントップの新型「スポーツモデル」発表! レトロデザインに「タテ型マフラー」採用した「小さな高級車」に反響あり
くるまのニュース
フォード・マスタング 史上初「4ドア仕様」導入か 派生モデル展開を示唆、しかしEV化は否定
フォード・マスタング 史上初「4ドア仕様」導入か 派生モデル展開を示唆、しかしEV化は否定
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

940.01550.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

648.91358.0万円

中古車を検索
A110の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

940.01550.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

648.91358.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村