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ロータス、ジーリー(吉利汽車)の経営の吉凶 ボルボを例に、今後を占う

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ロータス、ジーリー(吉利汽車)の経営の吉凶 ボルボを例に、今後を占う

ロータス再生には時間がかかる?

物事は、そうそう急には動かない。

ロータス・エリーゼ・カップ250発表 吉利汽車ショックから初の新車

中国の吉利汽車がボルボを傘下に収めたのは2010年のことだったが、その成果が明らかになり始めたのはそれから5年ほど経ってからのことだった。

新型XC90が登場した2015年、吉利とボルボが怠けていたわけではないことが明らかになった。

先進的なプラットフォームを共用し、パワートレインの設計を合理化することで、ボルボは成功を収め、さらに急速に発展している。

雰囲気は明るく、経営陣は嬉々として精力的に活動し、この控えめなメーカーは順調に機能している。

ラインナップの整備が完了していないにもかかわらず、昨年の販売台数は過去最高を記録し、2020年までには年販80万台規模に達するとみられている。

この控えめな数字を、野心や目標の欠落だと考えるのは間違いだ。彼らが目指すのは、2020年以降に生産されるボルボの乗員が誰一人として命を落とすことのない安全性だ。

また、95g/kmのCO2排出量と低NOxの両立はディーゼルエンジンでは不可能だと考えており、すなわちそれに代わる新技術の研究にも熱心に取り組んでいるのである。

さて、そんなボルボ再生の原動力となった中国資本が、今度はロータス・カーズ株の過半数を取得し、経営権を掌握する運びとなった。

いつかはエリーゼも一線を退く

幸運、精力的、野心的、決断力。

ここ最近会ったロータス関係者には、無縁に思えたフレーズの数々だが、彼らにやる気がないわけではない。

プロトンのように親会社が苦境にあっては、健全な会社運営は困難で、有能な技術者が他社に流出することもあるだろう。

昨年、ロータスが黒字に転じたことは特筆に値する。しかし、モデルレンジを再構築するためには、投入できる資金も、スタッフの数も、必要とされる水準にはとても届かない。

これまではなんとか凌いできたが、そろそろ新たなヒット作が必要だ。

エリーゼは異例なほど長く人気を保ち続けているが、ベテランアスリートがそうであるように、いつかは一線級の実力を保てなくなり、引退の時が来る。

また、大きな利益をもたらすほどの高額車でもない。上位機種のエヴォーラは存在するが、十分なセールスを記録してはいない。

ロータスには常に才能あるエンジニアが在籍してきたが、常に何かが足りない状態が続いてきた。

資金はいつでも投入されてきたわけではなく、場合によっては、顧客が求めるクルマ造りを主導するリーダーシップさえままならない。支持を集めるメーカーに、それらは欠けてはならないものだ。

人気ブランドが適切な商品を提供すれば、ひとびとはそれを買うはずなのだ。ロータスでなければ、と納得できるクルマさえあれば、それは売れて然るべきなのである。

そのために必要なこととは何だろう?

今のロータスにとって必要な、たったひとつのこと

今のロータスに必要なのは、吉利がボルボに注入したのと同じエネルギーだ。それは、経営と資金の両面で求められている。

吉利は、ボルボの方向性を定めた後には、放任主義を貫いてきた。おそらく今後数ヶ月で、ロータスもそうするに値するかどうか、吉利がいかに判断したかをわれわれは知ることになるだろう。

しかし、その方向性がどのようなものかを目にするには、ボルボと同じく数年かかるだろうと考えている。

願わくは、今回こそロータスに幸福なときが訪れて、それが長く続いてもらいたいものだ。

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