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F1メキシコGP:ハミルトン、完璧なタイヤ管理でフェラーリを逆転。レッドブル・ホンダはアルボン5位

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F1メキシコGP:ハミルトン、完璧なタイヤ管理でフェラーリを逆転。レッドブル・ホンダはアルボン5位

 F1第18戦メキシコGPの決勝レースが行われ、メルセデスのルイス・ハミルトンが今季10勝目を挙げた。

 予選では、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが最速タイムを刻んだものの、黄旗無視があり4番グリッドに降格。シャルル・ルクレール、セバスチャン・ベッテルのフェラーリ勢がフロントロウを独占することとなった。

【動画】フェルスタッペン最速も……2019年F1第18戦メキシコGP予選ハイライト

 ソフトタイヤの性能劣化は激しい傾向で、メルセデス勢も含めトップ6はミディアムタイヤスタートを選択。Q3に進出したマクラーレン勢、トロロッソ勢以外はほとんどミディアムタイヤスタートを選び、ダニエル・リカルド(ルノー)はハードタイヤを履いてグリッドに並んだ。

 エルマノス・ロドリゲス・サーキットの気温は22度、路面温度38度のドライコンディションで決勝スタート時刻を迎えた。

 スタートではフェラーリがワンツー体制をキープ。1コーナーではフェルスタッペンとハミルトンが並び、挙動を乱したハミルトンに押し出されたフェルスタッペンがコース外に飛び出して、9番手まで後退した。この隙にアレクサンダー・アルボン(レッドブル)が3番手となった。

 ハミルトンに代わってカルロス・サインツJr.(マクラーレン)が4番手。6番手スタートのバルテリ・ボッタス(メルセデス)はランド・ノリス(マクラーレン)にも交わされ、7番手となった。

 後続に接触があったことでバーチャルセーフティカーが出されたが、デブリ回収が行われ、3周目にレース再開。ハミルトンはサインツJr.をパスして4番手に上がった。

 フェルスタッペンはスタジアムセクションでボッタスのインを強襲しオーバーテイクに成功するが、ボッタスのフロントウイングで右リヤタイヤをカットされてしまい、タイヤがパンク。緊急ピットインを強いられ、最後尾まで後退することになった。

 ボッタスは8周目までにマクラーレンの2台をオーバーテイクし、5番手とした。ソフトタイヤでスタートしたピエール・ガスリー(トロロッソ)は大きくペースダウン。11番手まで落ちたガスリーは、たまらず9周を終えたところでピットインし、タイヤをハードへと交換した。翌周にはダニール・クビアト(トロロッソ)もピットインした。

 トップ4は1秒~1.5秒間隔で走行していたが、アルボンは12周目にベッテルのDRS圏内に迫る場面もあった。しかし、オーバーテイクを仕掛けるまでには至らなかった。

 13周目にノリスがピットインするも、ピットレーン出口で緊急停止。左フロントタイヤの装着が不完全だったようで、クルーがマシンを押し戻してタイヤを再装着したことで大きく遅れてしまった。

 フェラーリ2台から離され気味だったアルボンは14周目にピットイン。ミディアムタイヤをリフレッシュした。これに反応する形で、翌周にルクレールもピットイン。こちらもミディアムからミディアムへとタイヤ交換しており、2回以上のピットストップが確定した。一方、ベッテルやメルセデスはすぐにはピットインせず、そのまま走行を続けた。

 ベッテルの1.8秒後方まで迫るハイペースで走行を続けていたハミルトンは、24周目にピットインしハードタイヤに交換。アルボンの前でコースに復帰し、オーバーカットに成功した。ハミルトンはさらにファステストラップを刻む中、ベッテルはピットに入らずラップを重ねた。

 フェルスタッペンはオーバーテイクの連続でポジションを上げていった。31周目にサインツJr.をオーバーテイクして10番手に浮上し、ポイント獲得圏内に戻ると、その後もハードタイヤをうまく管理しオーバーテイクショーを続けた。

 サインツJr.はペースが厳しく、ガスリーに追いつかれてしまう。必死に防戦し、サイド・バイ・サイドのバトルを展開するが、そこにトップのベッテルが追いついてしまった。懸命のブレーキングでガスリーからポジションを守るサインツJr.に詰まる形で、ベッテルはタイムをロスした。結局、ガスリーからポジションを守りきれなかったサインツJr.は2度目のピットストップを実施。のちにトロロッソ勢も2度目のピットストップを行った。

 ベッテルがピットインしたのは、38周を終えたところ。ピットストップが早すぎたと無線で訴えるハミルトンよりも14周新しいハードタイヤを手にし、4番手でコースに復帰した。前を走るルクレールとアルボンはもう一度ピットストップが必要で、1ストップ戦略遂行を目指すハミルトンとは6秒弱の差だ。

 43周を終えたところでルクレールが2度目のピットストップを行うが、右リヤタイヤ交換で3秒以上タイムロスしてしまった。アルボンも翌周にピットに入るが、こちらは問題なくピット作業を終えた。

 これでトップはハミルトンに。2番手のベッテルとは3秒のギャップがあったが、ペースが上がらず徐々に接近を許した。

 スタートからハードタイヤで走り続けていたリカルドが50周を走ってようやくピットイン。8番手でコースに復帰した。

 レース残り20周を切り、ハミルトンを追い詰めたいベッテルだが、後方からはボッタスが迫りDRS圏内に。メルセデスに挟み撃ちされる状態となった。しかしボッタスはストレートスピードで勝るベッテルにオーバーテイクを仕掛けることができない。

 ハミルトンは自己ベストを更新し、逃げの体制。ベッテルはなかなかハミルトンの尻尾を捕まえることができず、周回を重ねていった。

 結局、ベッテルはハミルトンにオーバーテイクを仕掛けることもできず、ファイナルラップに突入すると、好戦略とタイヤマネジメントでフェラーリを逆転したハミルトンが、隙を見せずにトップチェッカー。今季10勝目を挙げた。

 ベッテルは速さを活かせず2位。ボッタスが3位に入り、タイトル争いの決着を次戦に持ち越した。

 レッドブルはフェラーリとメルセデスのバトルに割って入れず、アルボンの5位が精一杯。一方、フェルスタッペンはハードタイヤで後方からリカバリー。オーバーテイクショーを見せ、6位を獲得した。

 7位はレーシングポイントのセルジオ・ペレス。終盤はリカルドの猛攻を押さえ込んで、”ベスト・オブ・ザ・レスト”を獲得し、地元ファンから大歓声を受けた。

 最終ラップでは、9位を争うヒュルケンベルグとクビアトが接触。ヒュルケンベルグはスピンしてリヤウイングを破損、チェッカーを受けられなかった。これによりクビアトが9位、ガスリーが10位でフィニッシュした。ただこの件によりクビアトには10秒のタイム加算ペナルティが科され、ガスリーが9位、ヒュルケンベルグが10位となった。

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