フルモデルチェンジした新型レクサス「NX」について、小川フミオが解説する。Vol.2はインテリアなどについて。
クオリティの高いインテリア
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フルモデルチェンジした新型レクサス「NX」の眼目は「カーボンニュートラル社会の実現と、多様化するニーズやライフスタイルに寄り添うクルマづくり」とされ、その“次世代レクサスの第1弾”として開発されたのが、今回登場した新型NXという。
9月の終わり、ジャーナリスト向けに、生産プロトタイプともいうべき量産車にかぎりなく近い車両が公開された。試乗こそ出来なかったが、あたらしい技術の数かずを体験できた。使い勝手の面でも、あたらしいNXには”楽しさ”や便利さが詰まっているようだ。
「人間中心の考え方に基づいた最新の予防安全技術と利便性を高めるための先進技術の採用」とうたわれる技術の数かずは、じっさいに目で観て、手で触れてみると、なるほど、説得力があって、日常で頼りになりそうと思わせるものだ。
そのひとつが、「Tazuna Concept」(タヅナコンセプト)なる独自の考えに基づいて設計されたコクピット。SUV的にやや高めの着座位置をもつシートにからだをおさめると、ダッシュボード髙は低めで、視野は広い。
大型モニターが2つそなわるので、斬新さはある。いっぽう、エアコンやドライブモード切替えなど物理的な操作スウィッチ類はあえて残されている。ダッシュボードやステアリング・ホイール、ドアの内張りには、レザーやウッドパネルや金属類が使われており、いずれも質感がはっきり感じられる。
「Tazuna Concept」は名称のとおり、馬の手綱に着想を得たコンセプト。ヘッドアップディスプレイとセンターディスプレイを操作するさい、視線移動を自然な範囲にとどめることに心を砕いたと説明される。
運転に集中しながらも、ナビゲーション・システムやオーディオやドライブモードを「姿勢を崩さずスムーズに」操作できる設計という。
音声認識による対話型コマンドシステムも、あたらしいNXではかなり進歩している。「ヘイ、レクサス」(任意で好きな起動ワードに変更可能)というと、「どうされましたか?」と、モニターにも文字が表示される。
ナビゲーション・システムの目的地設定やオーディオの選択、そして温度設定なども、運転中のドライバーは視線の移動なく音声認識によっておこなえる。前席なら左右べつべつに認識してもらえるようで、これも便利だ。
室内は、いってみれば、上品にまとめられている。ダッシュボードはブラックなので、シートはそれを活かすべく、ブラックと、もう1色エクストラカラーとのコンビネーションで構成される。ホイールベースは従来より30mm延長されて2690mmになった。とはいえ、ことさらのロングホイールベースではない。それでも、175cmのおとな(私のことだ)にとっても、後席のスペースはじゅうぶんと感じられた。
e-ラッチシステムの使い勝手
いわゆるスマートテクノロジーを使ったシステムとしては、スマートフォンでドアの施錠と解錠が行えたり、エンジンスタートが出来たりする。
「レクサス・チームメイト・アドバンストパーク」なるあたらしい機能は、スマートフォンによるリモート駐車を可能にする。スマートフォンを手にして車両の近くに立っていれば、車両を操作できるのだ。ドアが開かないぐらい、狭い幅の駐車場も市街地にはある。そういうときはとくに便利そうだ。
印象ぶかかったのは、ドアに採用された「e-ラッチシステム」。ドアハンドルにスイッチが仕込まれていて、ハンドルを握るだけで解錠が行われる。レクサスとしては初採用の技術である。
メリットは、アクションがスムーズなこと。従来のドアハンドルなら、いちど引いてロックを解錠し、そののち、もういちど引いてドアを開けるという2アクションだった。「襖(ふすま)を開閉する所作のスムーズさに注目した」と、レクサスでは開発のヒントを語っている。
じっさいに、慣れると使いやすい。車内から外に出ようというとき、プルハンドルの一部に設けられたスイッチを軽く押せば解錠して、ドアがわずかに開く。そのあと押せばいい。
このとき、e-ラッチシステムは後方の死角をみているモニターと連動し、自転車や歩行者などが開いたドアに衝突しないように、ロックをコントロールしているという。
「自動のドア解錠機構は、これまでも他社がいろいろ採用してきましたが、ドアハンドルに組み込むことで、より自然な使い勝手を実現したのはNXが初と自負しています。かつ、万が一、バッテリーが上がるなどした場合、ボタンのあるハンドル部分を、押すのでなく、従来のドアの物理的な構造と同様、自分のほうに引けばロックが解除されるので、パニックにもならないと思います」(加藤武明チーフエンジニア)
日常的な使い勝手におけるストレスを改善するのは、小さいようでいて、じつはオーナーには大きな意味をもつ。
e-ラッチシステムも人間中心というレクサス車の思想のひとつの象徴のように思えた。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)
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