エンジンのバラシ作業をスタート。中身は一体どうなってる?
クランクシャフトに問題を発見。原因はオーバーレブと想定!
「筑波1分切りを狙う爆速コペン、登場!」2.0Lターボ勢を蹴散らす230馬力のKカーチューンド
取材当日、ガレージ八幡に到着すると、すでにエンジンが降りていた。現役引退後、屋内保管されてたとはいっても、20年近く前に組まれたエンジンの中身が気になるワケで、キチンと組み直すために今の状態を確認して、必要ならばパーツも交換しなくてはならない。
エンジンを降ろした後、サスメンバーを確認。サビで赤褐色になっている。が、屋内保管されてたこともあってボロボロと崩れるようなことはなく「サンドブラストかけて補強してやればOKでしょ!」と森田代表。ステアリング形式が、ハコスカの時代から変わらないボール&ナット(R31でやっとラック&ピニオンになる)というのが泣かせる…。
当時、トラストが発売していたTD05ツイン用のステンレス製EXマニ。森田代表いわく「ステンEXマニって、パワーがあるクルマならそれほど割れない。逆にパワーがないと、全開時間が長くなって熱や振動の面でキツくなってくるから割れやすいんよ」とのこと。
分解作業は、古い設計のエンジンらしく構造が単純で、かつて何度となく組んではバラし…を繰り返した森田代表の手際の良さもあって、本当にアッという間。撮影のために途中で手を止めてもらいながらも、30~40分ほどで全バラ状態になってしまった。
ここからはエンジン分解作業をダイジェストで。カムカバーやタイミングチェーンの取り外しなど細かい作業は省略。というか、「エンジンをバラし始めたよ」と森田代表に言われて作業場に入ったら、すでにこの状態になっていた。
ヘッドを降ろしてピストンとご対面。各気筒独立した冷却水路を持つフルジャケットシリンダーが姿を現す。ピストン&シリンダーの状態は見た目に良好だけど、クリアランスを計測してから交換するかどうかを決めることに。
今度はひっくり返してオイルパンを取り外す。FJ20は鋳鉄製ブロックで剛性が高いから、クランクキャップは今時のエンジンに多いラダー式ではなく別体(5クランクベアリング)式だ。「アルミブロックのSR20だと、クランクシャフトを回しながら特殊な締め方をするけど、FJ20は規定トルクで締めるだけ。ササッと組めるよね」とのこと。
コンロッドの太さに注目! 右がFJ20純正、左がSR20DET純正。厚さこそSR20用の15.2mmに対してFJ20用は13.9mmと薄いけど、幅はひと回り広く、大端部にかけての形状も頑丈そう。また、大端部=コンロッドメタルの幅は、SR20用が23.0mmであるのに対してFJ20用は26.8mmと約4mmも広い。
いかにも頑丈そうで無骨なカウンターウエイトを持つクランクシャフト。メインジャーナル径は54.84mmでSR20の54.96mmとほとんど変わらないが、クランクピン径はSR20の47.94mmに対して49.92mmとFJ20のほうが約2mm太い。
燃焼室がコンパクトな今時のエンジンはバルブ挟み角がせいぜい30数度だが、設計が古いFJ20は60度と大きい。そのため、必然的にヘッドの幅も広くなる。バルブ駆動はロッカーアームを介さない直打式で、バルブクリアランスの調整はインナーシムで行う。
バラしながら各部をチェックしてみると、ゼロヨン以外で走らせることはなかったというほど走行距離が短かったため、基本的には“健康優良児”であることが判明。ピストンとシリンダーの状態は良いし、ヘッド周りも問題無し。ただ、クランクシャフトの1番ピン内側にメタルと接触した形跡が…。
「点火時期が早かったりすると、ピストンが上がってくるところで爆発するから、上から叩かれてクランクピンの外側にキズが入る。これは内側だから遠心力でメタルと接触してるはず。原因は多分オーバーレブだと思う。どうするかは加工屋サンと要相談やね」と森田代表。
エンジンは、メカニカルな部分の仕様変更はなく、大容量メインインジェクター+ダイレクトイグニッション化+F-CON Vプロ導入と燃料&点火&制御系を進化させるのが軸になる。ズバリ、目標馬力は500~600psだ。
森田代表いわく「最大ブースト圧は1.8~2.0キロを考えとるけど、T517Zツインに近いパワーは問題なく出せると思うよ」とのこと。次回では、早くもエンジン組み上げ? 吸排気系のリメイク? それともボディ関係? 何が出るかはお楽しみに!
TEXT&PHOTO:廣嶋健太郎(Kentaro HIROSHIMA)
●取材協力:ガレージ八幡 愛知県半田市上浜町10-20 TEL:0569-26-1660
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みんなのコメント
こんなに くそ真面目な人が 今の車好きなのか。
つまらん人たちだ。