現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「鮮烈なガルフカラー仕様の240Z」プライベーターの意地と創作意欲が作り上げた大作

ここから本文です

「鮮烈なガルフカラー仕様の240Z」プライベーターの意地と創作意欲が作り上げた大作

掲載 更新 82
「鮮烈なガルフカラー仕様の240Z」プライベーターの意地と創作意欲が作り上げた大作

600馬力のRB25DETを搭載するネオ旧車チューンド

美麗なワイドボディをビビットなガルフカラーで包み込む

「鮮烈なガルフカラー仕様の240Z」プライベーターの意地と創作意欲が作り上げた大作

プライベート・ビルダーであるリチャード・マドランバヤンが、手塩にかけて作ったダットサン240Z。見た目の派手さからショップのデモカーかと思われがちだが、エンジンスワップやパーツの取り付けなど、主な作業はリチャード本人が行っている。

とはいえ、リチャードはクルマとは無縁の仕事を生業としており、決してプロのビルダーというわけではない。それでも子供の頃からとにかくクルマが好きで、今も寝る間を惜しんでクルマについて考えるのが日課という、生粋のエンスージアストでもあるのだ。

アメリカでは“Z-Car”のファンによってネット上に立ち上げられたフォーラムが数多く存在する。そこでは有名なメーカーの製品に限らず、技術のあるアマチュアが製作したオリジナルパーツが紹介されたり、純正流用や他車種流用術、どこかの誰かが実践したカスタムの実例など、様々な情報が掲載されている。

そうした情報源からリサーチを重ね、知識をアップデートさせてきたリチャード。「人とは違うクルマを作りたい」という強い信念にも支えられ、脳内に渦巻く様々なアイデアを自らの腕で具現化してきた。

エンジンは、北米には輸出されていなかったR33/34スカイラインなどに搭載されたRB25DETをチョイス。オイルパンの加工と移設に必要な切断や溶接の作業も覚え、CX Racingからリリースされているマウントキットを利用しながらエンジンスワップを実行した。

トランスミッションは日産純正5速MTを使い、カスタムメイドのプロペラシャフトで長さを合わせ、ファイナル3.9のLSDを備えるスバルWRX STI純正デフにジョイント。デフマウントにはオリジナルの製作者であるRon Tylerという人物にちなみ、Zファンの間でRTマウントと呼ばれている吊り下げ式マウントを使用している。

エンジン本体にはワイセコのピストン、イーグルのコンロッド、東名パワードのポンカムなど日米の高品質なパーツを投入。ターボはリチャードが住むカリフォルニア州オックスナードにあるAPEXパフォーマンスがカスタムしたφ62mmタービンを、サスタワーとのクリアランスを避けるように少し高めにマウントする。

セラミックコートされたCX Racingのエキマニ、TREADSTONEのインタークーラー、Tialのウェイストゲート&ブローオフバルブ、GReddyのインテークマニホールドなど一流メーカーのパーツをふんだんに投入。これらは、同じくオックスナードにあるRDエンジニアリングがチューニングを担当した。パワーは現在の仕様になってからは計測していないそうだが、過去のデータから考えると600ps前後は出ていると推測される。

一方で日産純正のN1ウォーターポンプ&オイルポンプ、アメリカンV8のLS2用イグニッションコイル、GMのセンサーなど、様々な純正流用術も活用。AEMのECUとウォーターメタノールインジェクションシステムも備え、燃料ラインもオリジナルで構築した。使用燃料はE85ではなく通常のガソリン。

エクステリアはZTrixのワイドボディキットとRetro-Specのカーボンパーツ、そしてリチャード自ら製作したワンオフのカーボン製サイドスプリッターやカナードで武装。リヤディフューザーはRE雨宮スタイルのマツダRX-7用を加工して取り付けている。ヘッドライトやフロントウインカーはLEDで、電飾のようにユニークな光り方をするzLEDs製カスタムLEDテールライトも装備。

往年のポルシェがレーシングカーに使用していたガルフカラーでペイントし、他のどの240Zとも違うオリジナリティを演出した。

ワイドフェンダーに収まるホイールはニスモのLM GT2をリバレルした3ピース仕様。リム幅12.5J、インセット40という超絶ワイド&深リム化を実現し、315/30R18という極太タイヤを装着している。

サスペンションとブレーキはともにノンプロの製作者がZのコミュニティを通じて市販しているキットを使用し、S13シルビア純正コイルオーバーとウィルウッドのビッグブレーキにコンバージョン。ステアリングはRB純正の油圧ポンプ、トヨタ・ターセルのラックとスープラのタイロッドを利用してパワステ化した。

ダッシュボードとセンターコンソールにはMSAのカバーを装着してリフレッシュ。シートもレザートリムに張り替えられたNRGのバケットシートを備える。

メーターホルスターの中には、Speedhutの各種メーターや燃調を司るZeitronixのワイドバンドゲージをインストール。オーディオシステムもオリジナルで組まれ、カスタムインストールされたドアスピーカーはインフィニティの純正品が使用されている。

数限りないアイディアを現実のものとしてきたリチャードだが、実は次なるプロジェクトも既に進行している。聞けば、ダットサン240ZにR35GT-RのVR38DETTを載せるというではないか。尽きることを知らないリチャードの情熱と探究心が、今度はどんな形で昇華されるのか。完成の時をじっくり待つこととしよう。

Photo:Akio HIRANO Text:Hideo KOBAYASHI

こんな記事も読まれています

合法カスタムでも「デコトラ」では仕事ができない現代! デコトラ野郎たちは「マイトラック」で楽しんでいる
合法カスタムでも「デコトラ」では仕事ができない現代! デコトラ野郎たちは「マイトラック」で楽しんでいる
WEB CARTOP
盗難車犯罪の温床「違法ヤード」 解体された自動車が海外輸出される残酷現実、規制強化で本当に防げるのか
盗難車犯罪の温床「違法ヤード」 解体された自動車が海外輸出される残酷現実、規制強化で本当に防げるのか
Merkmal
2年目は女子クラスも新設! 大学自動車部が大手メーカーのサポートで闘う「フォーミュラジムカーナ2024」が開幕!!
2年目は女子クラスも新設! 大学自動車部が大手メーカーのサポートで闘う「フォーミュラジムカーナ2024」が開幕!!
WEB CARTOP
[VW ゴルフ 50周年]重量増加スパイラルに逆行した第7世代
[VW ゴルフ 50周年]重量増加スパイラルに逆行した第7世代
レスポンス
3億円超のアルファ・ロメオの入手方法──新型33ストラダーレに迫る!
3億円超のアルファ・ロメオの入手方法──新型33ストラダーレに迫る!
GQ JAPAN
フェルスタッペン2位「今日のノリスは飛ぶように速かった」グリップに苦しみマシンにダメージも:レッドブル/F1第6戦
フェルスタッペン2位「今日のノリスは飛ぶように速かった」グリップに苦しみマシンにダメージも:レッドブル/F1第6戦
AUTOSPORT web
最高出力800PS、最大トルクは950Nm!ランボルギーニが初のプラグインハイブリッドSUV「ウルス SE」を発表
最高出力800PS、最大トルクは950Nm!ランボルギーニが初のプラグインハイブリッドSUV「ウルス SE」を発表
@DIME
【角田裕毅F1第6戦分析】“ベストなレースタイム戦略”で7位。メルセデスも寄せ付けない走りをHRC折原GMも高く評価
【角田裕毅F1第6戦分析】“ベストなレースタイム戦略”で7位。メルセデスも寄せ付けない走りをHRC折原GMも高く評価
AUTOSPORT web
後ろからドン!はずみでドン!ドン!「玉突き事故」は誰がどう悪くなるのか
後ろからドン!はずみでドン!ドン!「玉突き事故」は誰がどう悪くなるのか
乗りものニュース
レクサスLBXに「強敵」登場!? “アルファロメオ最小のSUV”新型「ジュニア」で判明している真実とは? 「ミト後継車種」の気になる実力
レクサスLBXに「強敵」登場!? “アルファロメオ最小のSUV”新型「ジュニア」で判明している真実とは? 「ミト後継車種」の気になる実力
VAGUE
ツバメインダストリが搭乗型ロボット『アーカックス』を展示…SusHi Tech Tokyo 2024で予定
ツバメインダストリが搭乗型ロボット『アーカックス』を展示…SusHi Tech Tokyo 2024で予定
レスポンス
ホンダ「ドリーム号」第2世代は精密メカのオーバーヘッドカムシャフトを搭載
ホンダ「ドリーム号」第2世代は精密メカのオーバーヘッドカムシャフトを搭載
バイクのニュース
【このメルセデス500SECなんぼ?】今やチューニングカルト的存在 40年前のケーニッヒワイドボディ500SECの価格は?
【このメルセデス500SECなんぼ?】今やチューニングカルト的存在 40年前のケーニッヒワイドボディ500SECの価格は?
AutoBild Japan
レッドブル、フェルスタッペンのマシンに”大きなダメージがあった”と説明。しかし本人は気付かず?「僕としては変わった感じはしなかったけど……」
レッドブル、フェルスタッペンのマシンに”大きなダメージがあった”と説明。しかし本人は気付かず?「僕としては変わった感じはしなかったけど……」
motorsport.com 日本版
初代レオーネクーペや4WDのエステートバンなど…2024年春季スバルレオーネオーナーズクラブ渡良瀬ミーティング
初代レオーネクーペや4WDのエステートバンなど…2024年春季スバルレオーネオーナーズクラブ渡良瀬ミーティング
レスポンス
レイズの新世代スポーツホイール「NE24」に「ストロボデザインデカール」を配したモデルが登場
レイズの新世代スポーツホイール「NE24」に「ストロボデザインデカール」を配したモデルが登場
Auto Messe Web
癒やしの輸入車ツーリング旅は[ディーゼル+マイルドハイブリッド]上質なオールラウンダーで
癒やしの輸入車ツーリング旅は[ディーゼル+マイルドハイブリッド]上質なオールラウンダーで
グーネット
【特集:最新SUV「絶対試乗!」主義(6)】新型ランドクルーザー250を70や300と比較試乗してみたら、タフな走りの理想形が見えてきた
【特集:最新SUV「絶対試乗!」主義(6)】新型ランドクルーザー250を70や300と比較試乗してみたら、タフな走りの理想形が見えてきた
Webモーターマガジン

みんなのコメント

82件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2480.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

980.01588.0万円

中古車を検索
カリフォルニアの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2480.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

980.01588.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村