現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【昭和の名車 178】3代目のホンダ プレリュードはバブル経済を彩るスペシャリティカーとして高人気

ここから本文です

【昭和の名車 178】3代目のホンダ プレリュードはバブル経済を彩るスペシャリティカーとして高人気

掲載 更新 12
【昭和の名車 178】3代目のホンダ プレリュードはバブル経済を彩るスペシャリティカーとして高人気

昭和は遠くなりにけり・・・か。以前に連載した「昭和の名車」では、紹介しきれなかったクルマはまだ数多くある。そこで、1960年代以降の隠れた名車を順次紹介していこう。今回は「ホンダ プレリュード(3代目)」だ。

ホンダ プレリュード(3代目/BA5型):昭和62年(1987年)4月発売
FFスペシャリティカーとしての地位を築いてきたホンダ プレリュード。2代目もALB(ABS)の装着やDOHCエンジンの搭載車の追加で話題となったが、3代目はより洗練されたスタイルとともに、世界初の舵角応動タイプ ホンダ4輪操舵システム(4WS)や4輪ダブルウイッシュボーン サスペンションを採用したことで話題となった。

【くるま問答】アイドリングストップ機能はよいことばかりではない。OFFスイッチはいつ使う?

2.0Siのエンジンは、B20A型と呼ばれる2Lの直4 DOHCで先代と同一ながら、パワーアップやレスポンス向上を実現するために、18度後傾したエンジンレイアウトを採用していた。こうすることで吸排気系を抵抗の少ないストレートな形状にすることができ、効率をアップした。さらに各部の軽量化とフリクションロスの低減も図っている。パワースペックは最高出力が145ps/6000rpm、最大トルクが17.8kgm/4500rpm(いずれもネット値)となり、ホンダらしい一気に高回転まで吹け上がる特性を実現したのは見事だった。

トランスミッションは、5速MTのほかに変速やロックアップのタイミング及び領域をコンピュータが制御するフル電子制御2ウエイ4速オートマチック(デュアルモード・ロックアップ付き)を搭載した。これはドライバーの好みでノーマルとスポーツの2種類の変速パターンを選択できるという、当時としては先進的なもので軽快な走りに寄与していた。加速時だけでなく、減速時もロックアップすることで、燃費の向上も図ったのもポイントだ。

サスペンションも新設計の4輪ダブルウイッシュボーンとなった。とくにリアが先代のストラットからダブルウイッシュボーンに変更となったのは、前記した4WS採用と関わりが深い。これはハンドルを操作する量に応じて、後輪を前輪と同方向及び前輪と逆方向に操舵するというシステムだ。高速走行時はレーンチェンジなど小さな舵角の使用頻度が多いため、後輪を同方向(同位相)に操舵。また、狭い道や車庫入れなど低速で小回りが必要なときは、大きな舵角が使用されるため、後輪を前輪と逆方向(逆位相)に操舵することにより、俊敏で安定した操縦性能と高い小回り性能を両立させている。

つまり、後輪にも前輪と同じく操舵するということから4輪ダブルウイッシュボーンの選択でもあったわけだ。実際、当時の評価はなかなか高く、他メーカーでもシステムは違うものの追随するクルマも現れ、4WSはスタンダード化する機運もあった。

ブレーキシステムには新4輪アンチロックブレーキ(3チャンネル・デジタル制御A.L.B.)を設定した。先代からさらに緻密な制御をさせてロックを防ぎ、最後の最後までステアリングの効きを確保している。

ロー&ワイドなスタイリングやリトラクタブルヘッドライトが生み出したスタイリングも見るからに走りの良さを感じさせるもので、ホンダがこのクルマの走りに込めた意気込みが伝わってくる。ただ、時代はバブルを背景とした軽佻浮薄な雰囲気もあり、どちらかというとナンパなイメージのクルマとなっていたのは、プレリュードにとって不幸だったかもしれない。



ホンダ プレリュード 2.0Si 主要諸元
●全長×全幅×全高:4460×1695×1295mm
●ホイールベース:2565mm
●重量:1130kg
●エンジン型式・種類:B20A型・直4 DOHC
●排気量:1958cc
●最高出力:145ps/6000rpm(ネット)
●最大トルク:17.8kgm/4500rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:195/60R14
●価格:222万5000円

[ アルバム : ホンダ プレリュード(3代目) はオリジナルサイトでご覧ください ]

こんな記事も読まれています

渥美心がボルドールから遂げたル・マンでの成長、新クルーチーフの存在に「速く走らせる方法が理解できてきた」/EWC
渥美心がボルドールから遂げたル・マンでの成長、新クルーチーフの存在に「速く走らせる方法が理解できてきた」/EWC
AUTOSPORT web
ハジャーが総合最速。マルティ2番手でカンポス1-2。宮田莉朋は2日目午後にトップタイム|FIA F2バルセロナテスト
ハジャーが総合最速。マルティ2番手でカンポス1-2。宮田莉朋は2日目午後にトップタイム|FIA F2バルセロナテスト
motorsport.com 日本版
【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】全国の道路別・渋滞予測まとめ!
【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】全国の道路別・渋滞予測まとめ!
くるくら
<新連載>[低予算サウンドアップ術]“超基本機能”を駆使して「低音増強」を図る!
<新連載>[低予算サウンドアップ術]“超基本機能”を駆使して「低音増強」を図る!
レスポンス
GW期間中に多いクルマのトラブルは何? JAFが2023年に救援した出動理由TOP10を紹介!
GW期間中に多いクルマのトラブルは何? JAFが2023年に救援した出動理由TOP10を紹介!
くるくら
レッドブル離脱のニューウェイはどこへ行く……アロンソとホンダが待つアストンマーティン? それともハミルトン加入のフェラーリ?
レッドブル離脱のニューウェイはどこへ行く……アロンソとホンダが待つアストンマーティン? それともハミルトン加入のフェラーリ?
motorsport.com 日本版
「背の低いマツダ」ついに出た! 新「マツダ6」じゃないよ「EZ-6」中国で発表 “電動専用車”に
「背の低いマツダ」ついに出た! 新「マツダ6」じゃないよ「EZ-6」中国で発表 “電動専用車”に
乗りものニュース
マツダが新型「ロータリースポーツ」登場へ!? 美しすぎる「和製スポーツカー」のスペックは?価格は? 期待高まる「アイコニックSP」どうなるのか
マツダが新型「ロータリースポーツ」登場へ!? 美しすぎる「和製スポーツカー」のスペックは?価格は? 期待高まる「アイコニックSP」どうなるのか
くるまのニュース
SHOEI「GT-Air 3 SCENARIO」 “REALM”に続くグラフィックモデル登場
SHOEI「GT-Air 3 SCENARIO」 “REALM”に続くグラフィックモデル登場
バイクのニュース
フィアット500/500C、新グレード「ドルチェヴィータ」追加、ブルーカラーの限定車も発売
フィアット500/500C、新グレード「ドルチェヴィータ」追加、ブルーカラーの限定車も発売
レスポンス
ミツビシが新SUV時代を迎えるSCBに電撃復帰。ランサー以来の『エクリプスクロス』でトヨタ、シボレーに挑む
ミツビシが新SUV時代を迎えるSCBに電撃復帰。ランサー以来の『エクリプスクロス』でトヨタ、シボレーに挑む
AUTOSPORT web
ベントレーが家具の新コレクション発表「ミラノデザインウィーク2024」に出展して存在感をアピール
ベントレーが家具の新コレクション発表「ミラノデザインウィーク2024」に出展して存在感をアピール
Auto Messe Web
新ブランド「N」のバッジは半端じゃない! ヒョンデが持ち込んだ「IONIQ5 N」はサーキットも全開で走れる異次元のEVだった【動画】
新ブランド「N」のバッジは半端じゃない! ヒョンデが持ち込んだ「IONIQ5 N」はサーキットも全開で走れる異次元のEVだった【動画】
WEB CARTOP
【特集:最新SUV「絶対試乗!」主義(2)】「SV」を冠するレンジローバースポーツには、たぶん敵わない
【特集:最新SUV「絶対試乗!」主義(2)】「SV」を冠するレンジローバースポーツには、たぶん敵わない
Webモーターマガジン
三菱自、ルノー・キャプチャーベースの欧州向けSUV「ASX」を大幅改良
三菱自、ルノー・キャプチャーベースの欧州向けSUV「ASX」を大幅改良
日刊自動車新聞
MotoGPスペインFP1|母国戦のマルケス兄弟がワンツー体制でスタート! 弟アレックスが好調トップタイム
MotoGPスペインFP1|母国戦のマルケス兄弟がワンツー体制でスタート! 弟アレックスが好調トップタイム
motorsport.com 日本版
いすゞとUDトラックスが「ジャパントラックショー2024」に共同ブースを出展! いすゞグループの商品やソリューションを展示
いすゞとUDトラックスが「ジャパントラックショー2024」に共同ブースを出展! いすゞグループの商品やソリューションを展示
くるまのニュース
カワサキ、SBKワークス活動は終了「レース成功への情熱は今も変わらない。両メーカーのファンに活気を与えられると願う」と伊藤浩社長
カワサキ、SBKワークス活動は終了「レース成功への情熱は今も変わらない。両メーカーのファンに活気を与えられると願う」と伊藤浩社長
AUTOSPORT web

みんなのコメント

12件
  • いま見ても、フロントの低いっぷりやリアデザインのゴージャスぶりが際立ってるな。
    それにしても、若い男性がこぞってこんなクルマを買って乗り回していた時代が日本にあったとは!!
  • 4輪操舵システムが付いた時は「遂に時代はここ迄来たか」と思ったものですがこう言ったチャレンジ精神は何処に言ってしまったのだろう
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

168.3249.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

58.6399.0万円

中古車を検索
プレリュードの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

168.3249.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

58.6399.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村