■都会でも突然の雪に備えて準備しておきたいタイヤチェーン
毎年、1月や2月には、普段雪があまり降らない地域でも突然大雪に見舞われる可能性があります。そのような場合、スタッドレスタイヤを装着していないことも多いため、急遽カー用品店などでタイヤチェーンを購入することもあります。
しかし、いきなりタイヤチェーンを装着しようと思っても、慣れていないと時間がかかり、ちゃんと装着できずに走行中に外れてしまうことも考えられるほか、最近ではさまざまなタイプのチェーンが存在し、どれを選べばよいかも分かりません。
今回は、現在販売されているタイヤチェーンのメリット・デメリットをタイプ別に、カー用品店のスタッフに聞きました。
一般的に冬場はスタッドレスタイヤを装着していれば大丈夫というイメージがありますが、最近では「チェーン規制」が実施されたらスタッドレスタイヤを装着していてもチェーンを付けなければいけないようになっています。
さらに、雪深い地域では登りきれない坂道などがあり、スリップやスタックなどが発生する危険性もあります。そんなときには、スタッドレスタイヤとタイヤチェーンという組み合わせでトラブルを乗り切りことができます。
クルマに積んでおくと便利なタイヤチェーンには、「金属製」と「非金属製」という2種類のタイプが存在します。
金属タイプのタイヤチェーンは、金属の鎖をタイヤの形状に合わせて組み上げた、もっともオーソドックスなタイプです。魅力としては、価格の安さ、雪道だけでなく凍結路などでも強さを発揮してくれる点です。
また、コンパクトに収納でき、トランクに常備させても場所を取りにくいのも特徴で、金属製のため重量があるので非力な人では取り付けに苦労することもあるようです。
金属製のタイヤチェーンについて、カー用品店のスタッフは次のように話します。
「金属タイプには、タイヤの接地面に並行して鎖が並ぶ『ハシゴ型』と、亀の甲羅のようにチェーンがクロスしている『亀甲型』があります。スタッドレスタイヤを履いているクルマのさらなる保険として組み合わせて使用するなら、この金属タイプがおすすめです。
ただし、金属の部分と道路の舗装が接触するため走行時の振動や騒音が大きいことや、乗り心地が悪い点などがマイナス面になります。
さらに、雪のない一般の舗装路では路面を傷つけたり、タイヤチェーン自体が切れてしまう可能性もあるので、道路状況に応じてこまめに装着と脱着を繰り返す必要があります」
次に非金属タイプのタイヤチェーンは、路面と接触する部分がゴムやウレタンなどの樹脂なうえ、デザインパターンも豊富で、雪道でも乾燥路でもノイズも静かで、乗り心地も金属タイプより数段快適です。また、乾燥路で連続使用しても切れにくいといわれています。
その反面、樹脂の部分が、すでにタイヤに合わせた形状になっているため、コンパクトに収納するのが難しい部分があります。
非金属タイプのタイヤチェーンについて、カー用品店のスタッフは次のように話します。
「当店をはじめ、現在のカー用品量販店で主力となっているのが、非金属タイプです。金属タイプと比べて軽量なのも人気の理由です。
値段は金属タイプより高価なものが多く、タイヤのサイズに合わせた作りのため(タイヤサイズの違う)ほかのクルマでは使用できないケースが多いです」
■新時代のチェーン? 布製とスプレー式もあります
基本的にタイヤチェーンは前述の金属製か非金属製に分かれます。最近、注目が集まっているのが、第三のタイヤチェーンとも呼ばれている「布製」(別名:タイヤソックス)タイプです。
これは、タイヤに靴下を履かせるように全体を布製のカバーで覆うタイプで、金属や非金属と比較するまでもなく軽量かつコンパクトさが特徴になっており、走行中の振動やノイズもほとんど発生せず、値段も非金属製よりは安価です。
その反面、当然ながら金属タイプや非金属タイプのタイヤチェーンより耐久性やグリップ力が不足してしまうのがデメリットだといいます。
前出のカー用品店のスタッフは「布製のものは、チェーン規制が出ている道路では使用できません」と説明します。
また、厳密にはタイヤチェーンではありませんが、突然の雪に対して応急処置用として注目されているのが、スプレー式タイヤチェーン)と呼ばれるものです。
これは、おもに樹脂を原料としているスプレーで、タイヤの接地面に吹きかけるだけでタイヤ表面にざらつきを生み出し、摩擦を増やすことでグリップ力を高めてくれる便利グッズです。
布製同様にチェーン規制ではクリアできませんが、ノーマルタイヤで走行中に突然雪が降ってきたときなどに有効といわれています。
「スプレー式の特徴は、雪の降り始めた路面や凍結路に強く、何より手軽なのが魅力です。出先で突然雪が降り出したり、凍結した路面で滑りそうになったとき、タイヤにまんべんなく吹き付けるだけで準備完了という手軽さが特徴です。効果は長持ちしませんが、あくまで緊急用としてスプレー1本で安心できるのは大きなメリットといえます」(前出のカー用品店のスタッフ)
※ ※ ※
また、事前にタイヤチェーンを準備していたとしても適切に装着できなければ意味がありません。タイヤチェーンは製品毎に装着・脱着方法が異なるため、事前に試着することが大切です。
また、試着した場合にはそのまま徐行で走行し、走行時の装着状況も合わせて確認をすることが望ましいです。
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みんなのコメント
そこそこの雪国で観光地に住んでるが、東京はじめ近郊ナンバーの観光車が雪道を塞いでクソほど迷惑している。
ボディに付着したら落とすの大変だろうね…
そもそも、装着してあるタイヤに均一に吹き付けるのも難しそうだし、多少なりとも効果があるのなら、ノズルの形状をもう少し工夫した方がいいな。