豊かなトルク感と実測燃費23.6km/Lの経済性!
VQ20DEリーンバーン仕様の実力おそるべし!
「もはや“カウルを被ったF1マシン”! キミは伝説の“ヤマハOX99-11”を知っているか?」心臓部は超高回転型V12ユニット!
まさにイケイケだったバブル景気の頃の勢いはどこへやら、たった10年でそんなにも落ちぶれてしまうものなのか? 日産が2兆円もの負債を抱えて倒産寸前の危機的状況に追い込まれたのが1998年。そんな年に通算3代目、FFでは2代目となるA33セフィーロは登場した。ちなみに、ゴーンさんがやってきてルノーと資本提携を結んだのは翌99年…と、もう20年も前のことだったりする。
2代目A32でマキシマと統合され、アッパーミドルクラスのFFサルーンに生まれ変わったセフィーロは、3代目A33でもそのコンセプトを踏襲。経営不振なところへきて、意味不明感満点な『イルカに乗ろう』などというキャッチコピーを掲げたものだから「ついに日産も崩壊したか!?」と心配したけれど、イルカがモチーフのデザインを内外装に採り入れたからこそのキャッチコピーだと知って胸をなでおろした。
マイナーチェンジは21世紀になって間もない01年1月。海外仕様インフィニティI30と同じ前後バンパーが装着され、全長が前期型より140mm近くも延びて4920mmに達した。また、グレード構成も見直され、スポーティなSツーリング系を廃止。ラグジュアリー志向のエクシモ系に一本化された。
グレードは上から、直噴エンジンVQ25DD(210ps/27.0kgm)を搭載する25エクシモGと25エクシモ、リーンバーン仕様のVQ20DE(160ps/20.0kgm)を載せるエクシモGとエクシモの4つで、取材車両のエクシモだけに5速MTが設定されるのだ。
VQ20DEは1994年発売の先代A32セフィーロとともに登場。同年、稼働を始めた福島のいわき工場で生産されたエンジンだ。A33への搭載にあたってはリーンバーン(希薄燃焼)化が図られ、クラストップレベルの低燃費だけでなく、CO2排出量の低減も実現。同時に、低中速域におけるトルクも格段に向上させている。
探しても簡単には見つからないエクシモの5速MT車だけど、オーナーは「北米仕様と同じ5マイルバンパーでサイドマーカーも付くから」という理由で後期型に絞り、しかもボディカラーもボルドーレッドに決めた。あまりにも狙いがピンポイントすぎて難航を極めるかと思いきや、半年後にはまさにその仕様が出てきたっていうから、中古車探しはオモシロイ。
5速MTのギヤ比は1速から順に3.285、1.850、1.272、0.954、0.795。1~2速が大きく離れてて4~5速がオーバードライブになる。また、最終減速比は4.167だ。
『フルリラックスコンフォート』をうたうA33の室内は広く、ゆとりが感じられる。そして、全長5mに迫る大柄な4ドアセダンを5速MTで乗るっていう感覚がちょっと不思議だ。
純正オプションのDVDナビはダッシュボード中央にポップアップ式モニターが備わるけど(未装着時はフタ付きの小物入れ)、取材車両はそこに2DINナビを装着。パーキングブレーキはAT車の足踏み式に対して、MT車ではサイドレバー式になる。メーターは中央にスピード&タコメーターが並び、右側に水温計、左側に燃料計を配置。
開発コンセプトの“フルリラックス性能”を最もよく表すインテリア。シート表皮には肌触りの良いラッセル地が採用される。運転席には座面の高さを前後個別に調整できるデュアルシートリフターやランバーサポート機能を装備。
シートバックは後席の二―ルームに余裕を持たせる形状で居住性を高め、上部にはアシストグリップも設けられる。
トランクルーム容量は当時ライバルだったアバロンを上回る540L(VDA式)。9インチのゴルフバッグとスポーツバッグをそれぞれ4個ずつ積める広さを誇り、開口部が大きいため荷物の積み降ろしもラクにできる。また、6:4分割可倒式の後席背もたれによりトランクスルーも可能となっている。
4インチアップとなるフーガ純正19インチホイールを装着。リム幅8.5J、オフセット+50で、フェンダーに対する張り出し具合はワイドトレッドスペーサーで調整する。タイヤは、左右非対称パターンが特徴のATRコルサ2233をセット。225/35サイズを引っ張り気味に履く。足回りにはラルグス車高調が組まれ、ノーマル比約60mmのローダウンを実現。
エンジンは静粛性が高く、吹け上がりも上質かつスムーズ。回した時のパワー感は「まぁこんなもんでしょ」と、取り立てて言うほどのことはないけど、思いのほか低中速トルクがあるから2500rpmくらいで早めにシフトアップして、3~4速でダラダラ走るのもまったく苦にならない。
また、とくにインジケーター類は付いてないんだけど、燃費を稼ぐためのリーンバーン(=希薄燃焼)状態は走ってる感覚で分かるというから、さすがオーナーだ。ともかく、クルマとエンジンの性格が一致してるという点でA33の印象は非常に良い!
というか、5速100km/hで3000rpmだからギヤ比は全体的に低め。それが低中回転域での扱いやすさをもたらしてくれてたりもする。クラッチペダルは軽く、これならストップ&ゴーが続く渋滞でも、その操作を煩わしく思うことはなさそうだ。
たしかに、前後方向、左右方向ともにシフトストロークが大きくてスポーティ感はまるでない。けど、逆に今どき廉価グレードゆえの実用的5速MTって方が希少だし、そこに興奮してこそ変態グルマ好きだとも思うのだ。
■SPECIFICATIONS
車両型式:A33
全長×全幅×全高:4920×1780×1440mm
ホイールベース:2750mm
トレッド(F/R):1530/1510mm
車両重量:1390kg
エンジン型式:VQ20DE(NEO)
エンジン形式:V6DOHC
ボア×ストローク:φ76.0×73.3mm
排気量:1995cc 圧縮比:10.0:1
最高出力:160ps/6400rpm
最大トルク:20.0kgm/4400rpm
サスペンション形式(F/R):ストラット/マルチリンクビーム
ブレーキ(F/R):ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤサイズ:FR205/65R15
TEXT&PHOTO:廣嶋健太郎(Kentaro HIROSHIMA)
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みんなのコメント
2リッターにはマニュアルがあって、
それにHR30スカイラインから乗り替えて
乗ったことがあります。
ハイオクなのが痛手でしたが、リッター10キロは
走ってくれました。
(HR30はターボだったのでリッター6キロ)
ちなみに当時VQエンジンにマニュアルがあることを
なかなか信じてもらえず、実物を見せてようやく
信じてくれた感じでした。
何せまだZ32が現役の時代でしたから。