■次世代e-POWER搭載の新型「ノート」は2020年に登場か
2019年12月1日付で日産の新社長に就任した内田誠氏が、新社長記者会見で「2020年に新型車を5モデル投入する」とコメントしました。
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具体的な車種については不明ながら、コンパクトSUVの「キックス」と東京モーターショー2019で発表されている電気自動車SUVの「アリア」が99%確定で、そのほかは「エクストレイル」も間違いないでしょう。残る2車種のうち、1台はどうやら新型「ノート」が含まれるようです。
2012年に発表された現行ノートは、発売当初は伸び悩んだものの、2016年に電動パワートレインの「e-POWER」を追加するや大ヒットを記録。日産にとって貴重な売れ筋モデルになりました。
とはいえ、日産からしてみれば、2016年のe-POWERは妥協した技術だったそうです。当時、日本市場専用車に掛けられる開発費は極めて限られており、エンジンの新規開発など不可能だったのです。
そこで、既存の1.2リッター3気筒エンジンを限られた範囲で改良し、「リーフ」用のモーターと日産の得意分野だったリチウムイオン電池を組み合わせてe-POWERを実現しました。
2016年のノートe-POWERのデビュー時に話を聞くと、本来なら熱効率の高い発電専用エンジン(高回転まで回さなければ理想的な燃焼を追求できる)を作りたかったといいます。まだまだ燃費を伸ばせる技術なのです。
ノートe-POWERの燃費は37.2km/L(JC08モード、以下同様)と、トヨタ「アクア」の38.0km/Lにこそ届かなかったものの、37.2km/Lのホンダ「フィットハイブリッド」のレベルに達しています。
しかも、アクセル踏んだときの加速感に代表されるドライバビリティにおいては、ノートe-POWERはライバルを凌駕しています。
ノートe-POWERはアクアより広い室内スペースを確保したこともあり、使い勝手で優勢。スペースが広いフィットよりも良く走るため、ノートは評価されました。
■トヨタとホンダに対抗! 新型ノートe-POWERはどうなる?
販売を大きく伸ばしたノートですが、ライバルであるフィットが2020年2月にフルモデルチェンジします。トヨタも「ヴィッツ」をフルモデルチェンジし、後継車として新型「ヤリス」を同じく2020年2月に発売します。
いずれも実用燃費とドライバビリティを大幅にアップさせてくるようなので、そうなるとノートは厳しい戦いを強いられます。
ライバルたちのフルモデルチェンジもあり、ノートもフルモデルチェンジするのは当然の流れといってよいでしょう。新型ノートのデザインなどは不明ながら、パワーユニットが大きく進化するらしいです。
というのも、日産は世界規模でe-POWERを訴求していくことを決めています。厳しくなる一方の燃費規制をクリアしようとしたら、e-POWER技術は絶対必要です。
新型ノートに搭載されるe-POWERのユニットは、タイなどの新興国などで生産する計画で、リーズナブルで低燃費、そして優れたドライバビリティを開発目標にしていると聞いています。
もう少し具体的に紹介すると、発電機の熱効率を飛躍的に高めているということです。現行ノートは、70km/hくらいまではアクアと比べても遜色の無い実用燃費ながら、高速巡航になったら厳しいです。
アクアの場合、エンジンパワーで直接タイヤを駆動するのに対し、e-POWERだとエンジンで発電機を回し、その電力でモーターを稼働させています。アクアが伝達ロスなくタイヤを駆動できるのに対し、e-POWERは発電機とモーター、インバーターで伝達ロスが出ます。
しかし、次期型ノートからトヨタのハイブリッド用エンジンより圧倒的に高い熱効率を追求したため、70km/hくらいまでならライバルに勝てる実用燃費を達成。70km/hから100km/hくらいまでは同等の実用燃費を実現できた模様です。
まとめると、新型ノートはフィットと真正面から戦えるスペースユーティリティを持ち、ドライバビリティでクラストップを狙い、実用燃費も100km/hまでならライバルに負けないという、高い競争力を持つクルマになるということです。
この新世代e-POWERの排気量が大きいタイプが、次期型エクストレイルにも採用されるといいます。2020年の日産が、少し楽しみになってきました。
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