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YouTubeを観て「セダン」を買う若年層が急増中!? 車の買い方が変化してきた理由とは

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YouTubeを観て「セダン」を買う若年層が急増中!? 車の買い方が変化してきた理由とは

■セダンを購入する若者が増えているのはナゼ?

 最近の売れ筋モデルといえば軽自動車ですが、SUVやミニバンも人気があります。

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 SUVは各社からさまざまなモデルが登場し、都会でもアウトドアでも映えるカッコ良いスタイルが支持を得ています。

 トヨタ「RAV4」などのミドルサイズSUVをはじめ、トヨタ「C-HR」やホンダ「ヴェゼル」のクロスオーバーSUVや、さらにコンパクトなトヨタ「ライズ」&ダイハツ「ロッキー」などの5ナンバーサイズのSUVも登場するなど、競合がひしめき合う状況です。

 また、ミニバンはファミリーカーとして使い勝手が良いのが特徴で、コンパクトサイズのトヨタ「シエンタ」やホンダ「フリード」、ミドルサイズのトヨタ「ノア/ヴォクシー/エスクァイア」や日産「セレナ」、ラージサイズのトヨタ「アルファード/ヴェルファイア」など、それぞれの特色を打ち出しています。

 一方で、昔からの定番モデルだった「セダン」は、車種のラインナップは多いものの、かつてと比べると需要が低下しています。SUVやミニバンに魅力的なモデルが増えたこともあり、セダンが売れなくなっているのです。

 そんななか、マツダが2019年5月に発売した新型「マツダ3」の開発者から、興味深いことを聞きました。

 マツダの新世代商品の第1弾として登場したマツダ3は、ファストバックという5ドアバッチバックと、セダンのふたつのボディスタイルを持つクルマです。これまでは「アクセラ」として販売されていましたが、新型モデルからマツダ3という名称に変更されました。

「マツダ3を購入するお客さまの年齢は幅広いです。50代もいますが、クルマをあまり買わなくなったといわれる20代から30代のお客さまも少なくありません。

 ボディタイプの販売比率は、ファストバックが80%で、セダンは20%ですが、このうち、若いお客さまがセダンを購入されるケースもあります。

 いまの若い人は子供の頃から自宅にミニバンがあり、セダンには不慣れですが、逆にそこが新鮮に感じることもあるようです」(マツダ3開発者)

 一般的に若いユーザーは、クルマを生活のツールだと割り切って利用するイメージがありますが、外観のデザインに魅力を感じてセダンを購入することもあるようです。たとえ少数派でも、これは注目すべき消費動向でしょう。

■クルマを知るきっかけが雑誌やテレビではなくYouTubeに移行

さらに気になるのは、マツダ3をどこで知って、興味を持ったかです。

 昔は若い人達が電車の中でいろいろな雑誌を読んでいましたが、いまではほとんど見かけません。自動車専門誌の読者年齢も高齢化しています。

 インターネットでメーカーのサイトにアクセスすることはできますが、クルマに興味がなければ、わざわざ観ないでしょう。この点も開発者に尋ねました。

「マツダ3を購入された若いお客さまが、最初にどこで知ったのかをアンケートで尋ねると、動画サイトのYouTubeという返答が意外に多かったです。『あなたへのおすすめ』といった推奨動画を観たようです。

 しかも観られた動画の多くは、メーカーが販売促進を目的に製作したものではありません。個人のお客さまがマツダ3を購入されてYouTubeにアップしたり、販売店の試乗車を借りて撮影したものが多いといいます。

 これらの動画を観たことをきっかけに、マツダ3に興味を持たれ、最終的には購入されたお客さまがいます」

 YouTubeの「あなたへのおすすめ」には、閲覧した動画に関係した内容が表示されます。従ってそのユーザーがクルマ関連のサイトを観ていた可能性もありますが、マツダ3に出会うのは、YouTubeで推奨されたのが初めてだったのでしょう。

 先の開発者のコメントにあった、「個人のお客さまがYouTubeにアップしたり、販売店の試乗車を借りて撮影したものが多いようです」というのも興味深いです。

 メーカーが販売促進のために製作した動画ではなく、ユーザー目線で作られたものの方が、本音が分かって共感も得られるのでしょう。

 このあたりをメーカーの広報部や宣伝部のスタッフは、どのように受け止めているのでしょうか。

「かつての情報発信は、方法が限られていました。新聞の広告とTVのCM、一般誌やクルマ雑誌の記事と広告という具合です。

 ところがいまは違います。TVや新聞などの既存メディアは、視聴者や読者を減らしている一方で、ツイッターやフェイスブック、YouTubeなど、お客さま自身が発信できるメディアから情報を得るケースが多くなっています。

 昔に比べると、商品とお客さまを結ぶ接点が膨大に増えて、多種多様の情報発信が求められるようになりました」

 ツイッターやYouTubeのように媒体が増えると、発信する人達もメーカーや販売会社に限らず一般ユーザーが多くなります。

 メーカーや販売会社から発信される内容は、販売促進が目的だから欠点は一切語られませんが、個人であれば着眼点はさまざまです。自分の好みに合ったサイトを見つけて、そこから情報を得るユーザーも増えているのでしょう。

※ ※ ※

 昔もTVのカッコイイCMを観て、新型車に興味を持ったり、クルマを好きになることがありました。

 かつてと違うのは、情報を扱う媒体の多様化です。昔の媒体はすべて大掛かりだったので、個人では成り立たず、情報発信は出版社や広告代理が掌握する一種の既得権益でもありました。

 それにしてもYouTubeのような媒体を通じて、クルマを好きになるユーザーが増えれば、それはとても良いことです。何かをきっかけに、興味を持つことには変わりはありません。

 マツダ3のように、YouTubeで一般の人がアップした動画を観て、それがきっかけでクルマを購入する人は今後も増えていくのかもしれません。

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