上海や広州もワールドプレミアモデルが増えてきた
北京や上海モーターショーについては、いまは東京モーターショーをはるかに凌ぐ開催規模とその注目度を誇る、アジアでも重要度の高い国際オートショーとなっている。ただほんの10年ほど前は、会場のいたるところに日本車をそっくりそのままコピーしたような中国メーカーのモデルが展示されていたり、日本のアニメキャラを無断で借りて作ったような、怪しい着ぐるみが会場を闊歩しており、日本のテレビ局などメディアの格好の“ネタ”にされていた。
ローカルな広州モーターショーにも政府の息が! 人気のハズのドイツ車ブースが閑散としていたワケ
当時の広州ショーは、当時の北京や上海に比べてもはるかにローカル色の強いものだった。ワールドプレミアなどはショー全体で1台や2台あれば上出来といったところで、プレスデーも割と閑散としていたのを覚えている。ただ中国ではアメリカ同様に秋にイヤーモデル変更を行うので、市販車ばかりが展示されていても、それなりに情報収集をすることはできた。
北京や上海に比べれば、広州市はあくまで地方都市となりランクは落ちるので、北京や上海より排気ガス規制も甘く、黒煙を吐きまくるトラックやバスなども走り、“明るい鉛色の曇りなら晴れ”と言ったように大気汚染も深刻なもので、変な話だが帰国すると鼻毛が異常に伸びていた。
時は流れ、青空になることも珍しくなくなったいまの広州で開催される広州ショーは、会場のそこかしこで“全球首発(ワールドプレミア)”モデルが多発。ドイツ系メーカーも最低でもアジアプレミアモデルの発表ぐらいは行うようになってきた。
国際モーターショーでも欧文がまったく読めないスタッフ多数!?
しかし、よく会場内を観察してみると、相変わらずというか“微笑ましい”光景を探すことができる。その微笑ましい光景のひとつが展示車の化粧プレートの着け間違いである。筆者も語学堪能というわけではないが、この業界に籍を置く身なので、欧文車名を読み取ることぐらいはできる。しかし、ショー設営スタッフのなかには欧文車名がまったく読めないひともいるようで、根本的に異なるモデルの化粧プレートが貼られることもある。
今回は東風日産でおかしな化粧プレートを発見した。中国では東風日産でティアナが生産され販売されていたが、北米市場でフルモデルチェンジしたティアナの兄弟車“アルティマ”が、中国市場でもティアナの後継モデルとして登場。しかし、車名はティアナのままデビューしているのだ。ここでややこしかったのが、漢字車名はそのまま同じものが使われ続けたのである。
ショー会場で展示されていたアルティマについていた化粧プレートは、漢字車名の下に“TEANA”との表記。しかしトランクには欧文で“ALTIMA”というプレートがしっかりとついていた。「先代の化粧プレートがそのまま流用されてしまったのか」と考えるのが、この光景になってしまった理由なのだろうが、「国際展覧会」と名乗る広州ショーで展示するというのに、誰もわからなかったというのが日本では信じられない話ともいえよう。
ほかにも、展示車の近くにタブレットを内蔵したスペックボードがよく置かれているが、中国メーカーでは、結構な頻度で電源が入っていなかったりするエラー状態となっている。東京モーターショーでは、このような“手落ち”はまずないので、そこだけは東京モーターショーのほうが優位性はあるといえよう。
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