SUVにしてはゴツくないスタイルで、立体駐車場も使えるサイズ……と、日本のユーザー・ニーズを考えぬいて開発されたマツダ「CX-30」についに試乗出来た。ミドルサイズのSUV「CX-5」をよりスリークにしたスタイリングで、かつクオリティも高く、「輸入車ユーザーも興味を持つひとが少なくありません」と、開発担当者が話すのもよくわかる。
試乗したのは、1.8リッター直列4気筒ディーゼルターボ・エンジン搭載の「XD Lパッケージ」のFWD(前輪駆動)モデルと、2.0リッター直列4気筒ガソリン・エンジン搭載の「20S Lパッケージ」の4WDモデル。2020年には、マイルド・ハイブリッドシステムを搭載する「スカイアクティブX」も追加されるという。
【主要諸元(XD Lパッケージ)】全長×全幅×全高:4395mm×1795mm×1540mm、ホイールベース:2655mm、車両重量:1460kg、乗車定員:5名、エンジン:1756cc直列4気筒DOHCディーゼルターボ(116ps/4000rpm、270Nm/1600~2600rpm)、トランスミッション:6AT、駆動方式:FWD、タイヤサイズ:215/55 R18、価格:306万9000円(OP含まず)。エントリーグレード(16インチ)を除きホイールサイズは18インチ。CX-30をひとことでいうと、好感のもてるクルマだ。とりわけ印象に残るのは、シャシー性能の高さ。足まわりはしなやかに動き、路面の凹凸からくるショックをうまく吸収する。荒れた路面でも室内への透過音はひくく抑えられている。ていねいに作られている印象を受ける。
しなやかさについては、マツダの「新世代商品群」が得意とするところだ(CX-30は、マツダ3に続く第2弾)。接合部に接着材を多用したボディはうまくしなる。また、振動が集まる部分に使われる独自開発の特殊素材が効果的に働いているのだろう。
操舵感が重めのステアリング・ホイールを操作すると、中立付近から切り込んだときのボディ応答性もよい。スポーツカーなみとまでは言わないけれど、クロカンSUVのようなもっさりしたかんじもない。ちょっとスポーティな乗用車のような味つけである。
WLTCモード燃費は19.2km/L。ディーゼルモデルの搭載エンジンは、1756cc直列4気筒DOHCディーゼルターボ(116ps/4000rpm、270Nm/1600~2600rpm)。ステアリングはオーディオ・コントローラーや操舵支援関係のスウィッチ、そしてヒーター機能付き。シャシーの味つけは、とりわけ最高出力115kW(156ps)、最大トルク199Nmを発揮する1997cc直列4気筒ガソリン・エンジンとのマッチングがいい。車両重量が1.4t前後に抑えられているため、出足もいいし、加速性も悪くない。
瞬発力で勝負するというより、アクセルペダルを踏んでいると、だんだん速度が上がっていくかんじである。マツダがこだわってきた自然吸気(ノンターボ)エンジンは、3000rpmから4500rpmでもっともパワフルさを味わわせてくれる。最高出力は6000rpmで、最大トルクは4000rpmで発生する設定も、エンジンをまわして走るのを好むユーザーには好ましいはず。
最小回転半径は5.3m。電子制御式4WDシステムは「i-ACTIV AWD」と呼ぶタイプ。タイヤの動きやGセンサーの情報を取り込みながら、あらゆる路面で最適な駆動力が得られるよう、トルクの制御とともに、ブレーキによる効果的な制動をおこなう。
また、AWDモデルには新開発の「オフロード トラクション アシスト」が搭載される。悪路などでひとつの車輪が駆動力を失うと、電子制御システムにより、接地輪へ駆動力を伝達し悪路からの脱出をうながす。
ボディカラー「ソウルレッドクリスタルメタリック」は6万6000円のオプション。ガソリン・エンジン「スカイアクティブG」搭載モデルのスペックは1997cc直列4気筒DOHC(156ps/6000rpm、199Nm/4000rpm)。WLTCモードの燃費はFWDモデルが15.4km/L(6AT)、16.2km/L(6MT)。4WDモデルが14.8km/L(6AT)、15.6km/L(6MT)。オートマチック・トランスミッションは6段。ガソリンモデルは走行モード切り替え機能付き。クオリティの高いインテリア4395mmの全長に対し、ホイールベースは2655mmあり、パッケージングは、室内を出来るだけ広くとるよう考えられている。マツダのSUV「CXシリーズ」のなかにおいて、CX-30はCX-3よりホイールベースが85mm、全長は120ミリ長く、いっぽう全高は10mm低い。CX-5と比較すると、150mm短く、150mm低い。
スーパーUVカットガラス(フロントドア)+IRカットガラス(フロントガラス/フロントドア)は、CD/DVDプレーヤー+地上デジタルTVチューナー(フルセグ)とセットオプション(4万9500円)。8.8インチセンターディスプレイは標準装備。インテリア・デザインはプラットフォームを共有するマツダ3とは若干異なる。Lパッケージのシート表皮はレザー。ドライバーズシートは10Way電動調整式。シートカラーはブラックのほかホワイトも選べる。ネイビー・ブルーのインテリア・カラーは、Lパッケージ以外で選べる。ドアライニングに使われる素材も、一部(アームレスト部分など)がネイビー・ブルーになる。「クロスオーバーとしての扱いやすさを追究し、全長4400mm以下にすることを目標にしました」と、マツダの開発担当者は述べる。いっぽう、インテリアは出来るだけ広くとったという。たしかに、おとな4人が乗っても窮屈さは感じないはず。
ドライバーズシートの着座姿勢はマツダ3とおなじく、すっと背骨が伸びるよう考えられている。そしてステアリング・ホイール操作、アクセルとブレーキ操作、その他運転にかかわる作業が、スムーズに出来るのもセリングポイントだ。
リアシートはセンターアームレスト付き。リアシート専用のエアコン吹き出し口。エアコンは全グレードオートタイプ。ラゲッジルーム容量は通常時430リッター。リアシートのバックッレストは40:60の分割可倒式。テールゲートは電動開閉式。12スピーカーのBoseサウンドシステムは7万7000円のオプション。インテリア・デザインは、現行マツダ車との共通性を強く感じさせる。それでも、ダッシュボードのアッパー部分を大きくするなど、プラットホームを共有するマツダ3 とは異なる雰囲気だ。
とりわけ新しいインテリアカラー「ネイビーブルー」は、独特の軽やかさでもって、若々しいCX-30にふさわしいよう感じた。新しい感覚の“上質感”だ。しゃれた感覚を持つコンパクトクロスオーバーのCX-30は、たとえば、都市部に住むおとなの男が乗ると、とても似合いそうだ。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)
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