■ヒロインが操る!走り屋漫画には欠かせないあのクルマも登場!
クルマ好きになるきっかけとして、漫画に登場する名車に憧れるということは多く、なかでも有名なのは、漫画「頭文字D」です。
作中に登場するトヨタ「スプリンタートレノ(AE86)」は、世界中で人気となるきっかけとなりました。頭文字Dは、主に「峠最速」を目指す漫画でしたが、同様に「首都高最速」を目指しと漫画として「湾岸MIDNIGHT(以下、湾岸ミッドナイト)」もクルマ好きには人気の漫画となります。
今回は、湾岸ミッドナイトに登場する国産名車を3台紹介します。
●日産「スカイラインGT-R(BNR32)」
本作のヒロインである秋川零奈の愛車は、日産「スカイラインGT-R(BNR32)」です。NISMO T25タービンツインターボ仕様で、約600馬力を発生。
連載初期のボディカラーはガングレーメタリックでしたが、途中でチューニングショップの社長の独断でクリスタルホワイトに塗りなおされます。
ベースとなったスカイラインGT-R (BNR32)は、1989年に発売されました。先代スカイラインGT-R(KPGC110)の生産終了から、実に16年ぶりのGT-R復活となったモデルです。
搭載されたエンジンは、名機として名高い直列6気筒ツインターボエンジン、RB26DETTです。モータースポーツ参戦を前提に開発されたこのエンジンは、最高出力280馬力と36kgmを発生。
トランスミッションは5速MTのみの設定で、駆動はトルク可変型の4WDシステム、「アテーサ E-TS」で武装しています。当時の日産の持てる技術を全てつぎ込んで開発したスカイラインGT-Rは、まさに「反則級」の速さを誇りました。
レースで勝つことを前提に生まれたスカイラインGT-Rは、レース投入初戦で優勝を飾り、圧倒的なパフォーマンスを披露し、その勢いは留まることを知らず、前代未聞のレース29連勝を達成。
そして1991年にはグループNの優勝に加え、グループAでゼクセル・スカイラインが2位以下を20周も引き離して独走状態で総合優勝を果たします。
2019年で誕生からちょうど30年が経ちましたが、速さだけでいえば今でも一級品の性能を誇ります。一時期は日本でも購入しやすい価格まで値段が落ちましたが、海外での需要が高まった今では30年前のクルマとは思えないほど高価格で取引されています。
●トヨタ「スープラ(JZA80)」
2019年5月に、17年ぶりに復活を果たしたトヨタ「スープラ」。そのスープラも、湾岸ミッドナイトを語るうえで外すことのできないクルマです。
復活を遂げるスープラの先代モデルとなる、スープラ(JZA80)を駆るのは、相沢圭一郎。かつて「幻の最高速ランナー」と呼ばれた相沢洸一の息子で、最高速に生き、そして死んでいった父の後ろ姿を追い、自らも首都高を走り始めたキャラクターです。
このスープラは、自らの手によってT78タービンを装備したスープラRZ(JZA80)で、スクランブルブースト時には最大700馬力を発生。ストーリー終盤では最高出力が800馬力まで高められます。
ベースとなるスープラ(JZA80)は、1993年に発売された2ドアクーペです。トップグレードのRZに搭載されたエンジンは、3リッターの直列6気筒ツインターボエンジンで、最高出力280馬力と最大トルク44kgmを発生します。
トランスミッションには4速ATと6速MTが用意され、リアホイールを駆動するFR方式のレイアウトです。大柄なボディのおかげでスポーツカーというよりはグランドツーリングカー寄りの性格ですが、前後ダブルウィッシュボーンサスペンションとフロント53:リア47というバランスの良い前後重量配分により、非常に扱いやすい性格です。
また、スープラの特徴として印象深いのが、まるで戦闘機のようにドライバーを包み込むコックピットで、ここに座りたくてスープラを購入した人も多いといいます。
少し前までは、比較的手の届きやすい価格帯で推移していたスープラですが、新型スープラの登場によって中古車価格が高騰しているようです。
■やっぱり、湾岸ミッドナイトといえば「悪魔のZ」
●日産「フェアレディZ(S30)」
湾岸ミッドナイトの主人公である朝倉アキオが駆るクルマが、日産「フェアレディZ(S30)」です。もともとは解体屋でスクラップになるのを待っていたフェアレディZでしたが、アキオの手によって修理され再び走ることになります。しかし、そのフェアレディZは、乗る者に不幸をもたらすという「悪魔のZ」だったのです。
フェアレディZ(S30)は、1969年に発売されたクルマで、北米市場で大ヒットした2ドアクーペです。搭載された直列6気筒エンジンL型は、2リッター、2.4リッター、2.6リッター、2.8リッターとさまざまなタイプが用意されました。
日本国内のモデルでは、SU製ツインキャブレターを装備したSOHCのL20型エンジンと、ソレックス製ツインチョークキャブレターを3基装備した、DOHCの直6 2リッターエンジンが設定されました。
ベースモデルの「Z」では4速MTと5速MTを搭載。「Z-L」では5速MTに加え、AMラジオ付きステレオ、助手席フットレスト、リクライニングシートなどが与えられました。
当時の新車販売価格は廉価版の「Z」が84万円、「Z-L」が105万円となっており、当時としては比較的安価だったこともあり日本でも爆発的にヒットします。
作中に出てくる悪魔のZでは、L28型エンジンを3.1リッターまで排気量アップし、TD06タービンによってツインターボ化され、約600馬力までチューンナップされています。
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