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トヨタ「ハイエース」の人気の秘訣は? 半世紀にも及ぶ歴史を振り返る

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トヨタ「ハイエース」の人気の秘訣は? 半世紀にも及ぶ歴史を振り返る

■昭和の時代を駆けぬけたトヨタ「ハイエース」

 トヨタ「ハイエース」は、1967年10月に「トヨエース」の小型版として発売されました。語源は、「High」と「Ace」を合わせた言葉で、「高級な」「より優れた」という意味を持ちます。

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 初代ハイエースシリーズは、6/3人乗りで500kg/850kg積みができる本格的な商用車である「デリバリーバン」、12/15人乗りの小型バスである「コミューター」、デリバリーバンと同様の基本構造で内装をデラックス化した「ワゴンデラックス」、3人乗りで1トン積みが可能な「トラック」の4種類を用意。後に、コミューターのロングボディをベースにした救急車も発売されました。

 エンジンは、1.3リッターと1.5リッターの2種類のガソリンエンジンを搭載していましたが、1971年におこなわれたマイナーチェンジで、1.5リッターエンジンを1.6リッターエンジンに置き換えました。

 1977年にハイエースでは初となるフルモデルチェンジを実施し、2代目モデルが登場しました。初代ハイエースシリーズと同様に、ラインナップはバン、ワゴン、トラックの3種類を用意。エンジンは2リッター、1.8リッター、1.6リッターと3種類のガソリンエンジンを選択可能としました。

 初代との大きな変更点としては、ヘッドライトの形状が一新されました。初代モデルは丸型4灯だったのに対し、2代目は丸形2灯へと変更。そして標準バンの積載量を、500kg/850kgから600kg/850kgへと拡大しました。

 さらに、スーパーロングのバンとコミューターにハイルーフを採用し、サイドスライドドアの開口部を拡大するなど、機能性や居住性、安全性が向上しています。

 1979年には10人乗りのワゴンのロングホイールベース化を実施。また、オイルショックの影響により、エンジンに2.2リッターのディーゼルエンジンが追加されました。

 3代目ハイエースは、1982年に発売されました。このフルモデルチェンジでは、ワンボックスモデルであるワゴン、バン、コミューターのみモデルチェンジをおこない、トラックは継続生産となりました。

 ワゴンモデルは高級RVとして使用されるようになり始め、それにともに居住性・快適性の向上を図りました。そしてワゴンモデルは新たに最上級グレードとして「スーパーカスタム サン&ムーンルーフ」が設定されます。

 3代目ハイエースのエンジンは、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの2種類を用意。ガソリンエンジンは新開発のレーザー2Y型1.8リッターと3Y型2リッターガソリンエンジンを新たに搭載しました。

 RV需要の高まりに応えて、3代目モデルからガソリン車にも4段ATを設定します。その後、1985年のマイナーチェンジで新たにワゴンの最上級グレードとして「スーパーカスタムリミテッド」を加え、1987年にはバンとワゴンの一部グレードに4WDを設定しました。

■海外での需要を伸ばすハイエース

 1989年に発売された4代目ハイエースは、高級ワンボックスRVとして需要に応えるよう、内外装や装備が豪華になりました。ワゴンは高級ワンボックスRVとして、バンは使い勝手がいい商用車としてこれ以降改良されていきます。

 4代目ハイエースは、搭載するエンジンを先代と変更し、ガソリンエンジンは新開発の2リッターと2.4リッターに、4WDは2.8リッターのディーゼルエンジンのみとなりました。

 1993年には4WDの方式を、パートタイム式からセンターデフ式フルタイム4WDに変更。その後、マイナーチェンジを重ね改良をおこないながら、4代目ハイエースは2003年まで販売されました。

 2004年に15年ぶりとなるフルモデルチェンジをおこない、5代目ハイエースが登場します。このフルモデルチェンジを機に、スーパーカスタム系のワゴンは「アルファード」に統合しました。

 高級ワンボックスであったワゴン、商用車であったバンと2分化していた路線をひとつにまとめ、ハイエースは「ビジネスパートナーとして次世代の基準を追求する」こととしたのです。

 5代目ハイエースは快適性と利便性を高め、衝突安全性能を確保し、環境性能の向上を目指しました。

 室内は、小型商用車4ナンバーのなかでクラストップの荷室長を持ち、広い室内空間を実現。エンジンは、ディーゼル車は2.5リッターインタークーラー付きターボエンジンで、ガソリン車はVVT-i採用の2リッター、2.7リッターのエンジンをそれぞれ新搭載し、ガソリン車は、ともに当時では商用車でクラス初となる「平成17年基準排ガス50%低減レベル」を達成します。

 2017年には衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense P」を標準装備とすることで、安全性の向上を果たしました。

 2019年2月に発表・発売された6代目ハイエースは、「持つ、使う、乗ることで安心感・満足感と誇りを感じられるクルマ」をコンセプトとした、海外向けのモデルとなります。

 フィリピンで初披露された新型ハイエースは、同国での発売以降、新興国を中心とした国や地域で発売予定となっています。

 観光用ミニバスや乗り合いバスなどの乗客輸送や、物流といったさまざまな場面での需要が高まったため、そのニーズに応えるべく新型ハイエースを開発したとしています。

 6代目ハイエースは、市場環境が異なるため日本での発売は予定しておらず、国内では5代目ハイエースが継続販売されます。

※ ※ ※

 1967年の誕生から50年の歴史を持つハイエースは、日本のみならず世界約150か国で発売され、累計624万台も販売されているクルマです。

 大きく注目される機会は少ないハイエースですが、縁の下の力持ちとして人々の生活を支えている存在となっています。

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