■市場ニーズに合致した実用車からスタートした「アルト」
初代スズキ「アルト」は、1979年にスズキの軽乗用車「フロンテ」の兄弟車としてデビューしました。
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割り切った装備ながら驚異的な低価格で発売され大ヒットとなり、各メーカーが追従して軽商用車を発売したことで、軽ボンネットバンブームを巻き起こしました。
その後のモデルチェンジのなかでは、高性能化に対するニーズを早期に捉え、軽自動車初のDOHCインタークーラーターボエンジンを搭載した「アルトワークス」シリーズを投入するなど、常に軽自動車市場をけん引してきました。
そして、市場のニーズなどの変化に対応するため、アルトも代をかさねるごとに大きく変わっていきます。そこで、今回は初代アルトと最新型アルトを紹介します。
●1979年発売の初代「アルト」
1976年に改訂された軽自動車規格に合わせ、各メーカーがそれまでの360ccから550ccへの排気量拡大や、全長3200mm×全幅1400mm×全高2000mmの、新規格サイズに対応したモデルの発売が一段落した1979年、初代アルトが登場しました。
一般的に軽自動車は1名から2名乗車で利用することが多いことから、前席に余裕あるスペースがあれば移動手段としては問題ありません。
そこで、当時の物品税が商用車には課せられなかったことから、アルトはリアシートがミニマムの商用車として販売されました。
さらに、装備も極力簡素化し、徹底したコスト削減をおこなうことで、価格は47万円からという驚異的な低価格を実現。
参考ですが、1977年に発売された三菱「ミニカ」の最廉価グレードが54万5000円でしたから、アルトの価格は相当なインパクトがあったでしょう。
排出ガスの規制も緩い商用車としたことで、従来から製造していた550cc直列3気筒2サイクルエンジンを搭載。FF駆動で室内空間を広くし、低価格でありながら移動手段としては必要にして十分なクルマとなりました。
ほかにもコストダウンの手法として、メッキ処理を施さず簡素なグレー塗装がされたスチール製バンパーの採用や、助手席にはドアキーシリンダー(鍵穴)を装備せず、ウインドウ・ウォッシャーは電気式ポンプではなく、ゴム製のボタンを指で押す手動式という徹底ぶりでした。
もちろんパワーステアリング、エアコン、パワーウィンドウなどの快適装備は一切ありませんでした。
さらに、1981年に軽商用車にも2%の物品税が課せられるようになると、課税対象外だった2シーターモデルを廉価版として投入し、47万円の車両価格を維持するなども驚くべき点でした。
50代以上のクルマ好きであれば、2サイクル3気筒エンジンの独特の排気音と、エキゾーストから吐き出される煙とともに走り去る姿を、懐かしく思い出せる人も多いのではないでしょうか。
■15年ぶりに「ワークス」が復活! 驚異的な軽量化にも成功
●2018年発売の最新型「アルト」
2014年に発売された8代目アルトは、軽乗用登録の5ドアセダンが基本となっていて、新プラットフォームの採用によりエンジンルームを最小化したことで、「X」「S」グレードでは軽セダントップの室内長2040mmを実現。全長3395mm×全幅1475mm×全高1475mmのボディのなかに快適な空間が確保されています。
また、新プラットフォーム採用の恩恵は車重にも現れており、従来モデル比で60kgの軽量化を達成し、最軽量のモデルでは車重610kgとなっています
搭載するエンジンは660cc直列3気筒DOHCで、減速時のエネルギーで発電・充電し、無駄な燃料消費を抑える「エネチャージ」搭載グレードが主となっています。
もっともベーシックな「F」グレードでは5速MTと、クラッチとシフト操作をコンピュータが最適制御する「5AGS(オートギアシフト)」車が設定され、価格は84万7800円(消費税込、以下同様)です。
また、ハイブリッド車を除くガソリン車ナンバー1の低燃費であるJC08モード37km/Lを誇る「L」(2WD)が89万4240円です。
一方で、2015年に約15年ぶりに復活した軽ホットハッチ「アルトワークス」は、専用のエンジン制御プログラムやターボチャージャーの採用により、最高出力は64馬力ながらも、レスポンスに優れたスポーティなエンジンに仕上がっています。
ほかにもKYB製ショックアブソーバーを採用してサスペンション特性の最適化や、高性能タイヤのブリヂストン「POTENZA」を標準装備。フロントベンチレーテッドディスクブレーキの採用などで、軽自動車とは思えない俊足ぶりを発揮します。アルトワークスの価格は150万9840円からです。
※ ※ ※
初代アルトは、簡素な装備と徹底したコスト削減、軽商用車の利点を活かして低価格を実現して大ヒットしました。
40周年を迎えた最新型のアルトではベーシックグレードでも必要にして十分な装備を標準で備えていますが、現在も低価格であり続けています。
例として軽商用車登録のアルト「VP」は、フロントディスクブレーキ、4輪ABS、エアコン、間欠ワイパー、熱線入りリアガラス、パワーステアリング、キーレスエントリー、集中ドアロック、AM/FMラジオなどが標準装備であるにもかかわらず、2WD(5速MT)の価格は72万3600円と、いま販売が好調なトールワゴンの半額くらいの価格です。
また、2代目アルトからはじまった女性向け特別仕様車は、現在では派生車種である「アルトラパン」が受け継いでいますので、こちらもコンセプトがブレることなく進化しているといえるでしょう。
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