現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ミニバンのルーツは乗用車の派生モデル!欧州では戦前より登場

ここから本文です
業界ニュース 2019.8.20

ミニバンのルーツは乗用車の派生モデル!欧州では戦前より登場

  • みんカラ つぶやく
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

車内が広いハイト系が人気を博す

 2000年代初頭に一大ブームを巻き起こしたミニバン。ここ数年はSUV、特にクロスオーバーSUVに取って代わられた感はありますが、日本のファミリーカーとしての地位を確立したといえるでしょう。さらに国内の販売台数で上位を競い合っている軽乗用車のハイトワゴンなども、この範疇にはいると考えたなら、7月にはダイハツのタントとホンダのN-WGNがフルモデルチェンジするなど、今も熱いカテゴリーであるのは疑う余地がありません。

    ミニバンの2列シート仕様? 仕事からアウトドアまで効率的に使える5人乗りモデル

 軽乗用車のハイトワゴンと言えば、そもそもは72年に登場したホンダのステップバンがその祖とされています。もちろんこの当時は『軽自動車のハイトワゴン』などという洒落たカテゴリーや呼び方などなく、軽のバン(=商用車)とひとくくりにされていました。

 今回、アメリカの博物館ツアーではミニバン、軽乗用車のハイトワゴンではなく本来的なミニバンに関する展示車両も少なくありませんでしたので、その歴史を振り返ってみることにしましょう。

ミニバンの先達として認められたクルマとは?

 ミニバンの歴史を語る上で、これこそがミニバンの始まり、と広く認識されているのが北米ではクライスラーが84年モデルとして投入したダッジ・キャラバン/プリマス・ボイジャー。日本国内では82年に発表された日産のプレーリーでしょう。日米ミニバンの始祖とされています。

 キャラバン/ボイジャーは、GMやフォードに水をあけられ苦戦していたクライスラーにとって、まさに中興の祖とも言うべきアメリカ市場における大ヒット作となりました。国内ではミニバンという概念自体が時期尚早だったせいなのか、残念ながらプレーリーは爆発的なヒットとは成り得ませんでした。

 しかし、前輪駆動の乗用車をベースに、着座姿勢を立たせ気味(アップライト)に設定するパッケージングは、その後多くの国産モデルに継承されていきます。さらにピラーレススライドドアを左右に採用したのも画期的でした。一方、1ボックスタイプの商用バンを持っていなかったホンダは、これを逆手にとってアコードのプラットフォームを使用して94年に投入したホンダ・オデッセイがヒット。これによりミニバンそのものが認知されることになってゆきました。

 プリマス・ボイジャーはデトロイトにあるヘンリー・フォード博物館/The Henry Ford Museumで撮影。日産プレーリーは神奈川県・座間にある日産ヘリテイジ・コレクションで撮影です。

戦後には海外で乗用車ベースのミニバンが登場

 まだミニバンという呼び方も概念もありませんでしたが、ヨーロッパでは戦後の早い時期から、ミニバン“的”なモデルが幾つか登場しています。ドイツの小型自動車メーカーLloyd(ロイト)のLT 600などはその好例で、その車名からも分かるように前輪駆動の乗用車であるLP300~LP600をベースに開発され、全高/室内高を引き上げたアップライトなパッケージングなど、後のミニバンの文法通りのクルマに仕上がっていました。

 またリア・エンジンでフロントノーズを突き出してないから1ボックスの範疇とされることもありますがVWのタイプ2もタイプ1(ビートル)をベースに開発されたことを考えるなら、これもミニバンでしょう。

 そしてFIAT 600をベースにしたムルティプラ(Multipla)も印象的なミニバンの一台と見ておかしくはないはずです。

 Lloydはテネシー州のナッシュビルにあるレーン自動車博物館/Lane Motor Museumで、VWのタイプ2はヘンリー・フォード博物館/The Henry Ford Museumで撮影。それにしてもヘンリー・フォード博物館の多岐にわたる収蔵には驚かされるばかりです。なお今回出逢えなかったムルティプラは、以前訪れたイタリアはトリノ市内にあるフィアット歴史博物館/Centro Storico FIATで撮影したものです。

革新的な戦前のミニバン“的”モデル

 さらに時代を遡って戦前のモデルを見て行くと、1933年のダイマクション・カーを発見。スタイル(エクステリア・デザイン)も独特だが、メカニズム的にもリア・エンジンの前輪駆動と革新的です。

 このダイマクション・カー(レプリカ)は、レーン自動車博物館で撮影しました。

 1935年のスタウト・スカラブを35年のスタウト・スカラブは、インディアナ州のサウスベンドにあるスチュードベーカー博物館/Studebaker National Museumで発見しました。リア・エンジンの後輪駆動と、当時一般的だったフロント・エンジンの後輪駆動とは一線を画しています。

 これを果たしてミニバンと呼ぶべきかは意見の分かれるところかもしれませんが、全高/室内高を引き上げたアップライトなパッケージングや、パッセンジャーの乗車スペースを確保するために工夫されたパッケージなどを考えれば、この2台がミニバンの源流と考えて間違いはないでしょう。

 ちなみに、スタウト・スカラブは戦後の46年にスタウト・スカラブ・エクスペリメンタルとして新たな試作モデルが登場しています。こちらは戦前のモデルに比べると、随分オーソドックスなスタイルとなりましたが、世界で初めて、グラスファイバー(FRP)製のボディ外板を採用するなど、技術的に挑戦を続けるスタイルが貫かれています。

 スタウト・スカラブ・エクスペリメンタルはケンタッキー州のボーリング・グリーンにある国立コルベット博物館/National Corvette Museumで撮影したもの。アメリカを代表するスポーツカーのコルベットとは一見無関係のようにも思えるのですが、実はともにFRP製のボディを纏っています。そんな経緯もあって、コルベット博物館が、歴史的な大先輩に敬意を表しての展示となったようです。

  • みんカラ つぶやく
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

(Auto Messe Web 『Auto Messe Web編集部』)

コメントの使い方

みんなのコメント

ログインしてコメントを書く

  • nan*****|2019/08/20 11:40

    違反報告

    ダイマクション·カーはミニバンでは無い。
    設計者で有るバックミンスター·フラーの本業は建築家で独特の発想から鬼才と言われていた。
    ダイマクション·カーの本質はあくまでも室内空間と車両取り回しの追求で有ったので、乗員と荷物·通勤と休日の兼用を目的とした多用途車的な今日のミニバンとは全く異なる。
    今日のミニバンの本格的源流は寧ろ70年代のカロッツェリアや米メーカーが考えたコンセプトカーが最も近いと思うが、日本のトヨタも確か73年のTMSにトヨタMPVと言うコンセプト車を発表している。
  • gri*****|2019/08/20 13:54

    違反報告

    筆者の「ミニバン」の定義が気になる。
    ワーゲンのタイプIIに関してはタイプIをベースに開発されたからミニバンでという様な寝ぼけたことを言うし・・・?
    本来ミニバンとは小さいバンのことを言うはず。
    80年代にクライスラーがバンとワゴンの中間にある「ミニバン」を生み出した様なことを主張すると、フォルクスワーゲンはその位置づけは「バナゴン」ですでに満たしていると言い、裁判沙汰になったこともある。
    筆者の持つ「ミニバン」の定義を知りたい。
  • the*****|2019/08/20 17:08

    違反報告

    少なくとも日本でミニバンの歴史を語るなら、シボレー・アストロは外せない。

(株)カービュー関連サービス

メールマガジン メールマガジン

愛車無料一括査定

あなたの愛車今いくら?

車の種類を選択
事故車 商用車
お住まいの郵便番号を入力
-
※郵便番号がわからない方はこちら

※(株)カービューのページへ移動します