2019年7月16日、「日産 スカイライン」が再び日本市場に帰ってきた。満を持して「日本専売車種」として生まれ変わったスカイライン、今回は注目を浴びる先進の運転支援システム「プロパイロット2.0」を中心にその最先端ぶりを紹介する。
世界初の先進運転支援技術「プロパイロット2.0」
国産高級セダンの歴史の中にあって、スカイラインの歩んできた道は他の高級車とは一線を画してきた。現状の成功に甘んずることなく、高性能であり常に時代の最先端を行く技術を搭載。今回もマイナーチェンジとは思えないアグレッシブな技術が投入されてきた。
運転免許証番号、12桁の意味。最後の一桁であれがわかっちゃう!
その象徴がハイブリッド全車に標準装備される「プロパイロット2.0」である。この技術の凄さはすでに各所で言い尽くされた感もあるが、新型の進化を理解するためには大切なポイントなので改めて紹介しておこう。
1999年に実用化された前方運転支援技術以降、日産は運転支援技術の革新に邁進してきた。その最初の集大成が2016年8月に実用化された「プロパイロット」である。セレナを皮切りに搭載が始まった「誰にでも使いやすい運転支援システム」は画期的ではあったが、まだハンドルから手を放すことはできず、また車線変更支援システムも盛り込まれていなかった。
この不可能だった課題を解決したのが新型スカイラインから採用が始まった「プロパイロット2.0」だ。すごく簡単に言ってしまうと「あらかじめカーナビに設定した目的地に向かって走行中、高速道路に合流すると運転支援システムが作動する世界初のシステム」だ。では、具体的にどんなことが可能になるのか。
「同一車線内ハンズオフ機能」:高速道路で予め設定したナビルートに基づいて、そのルートを走行中には同一車線内に限り手放し運転(同一車線内ハンズオフ機能)が可能になる。
「分岐や追い越し時の車線変更支援機能」:同一車線を走る前走車が自車の設定速度よりも遅い場合、システムが追い越し可能であることをドライバーに提案。ドライバーがステアリングに手を添えてスイッチにより追い越しを許可すると、適切なタイミングをシステムが判断して車線変更を自動で行う。
さらに、追い越しが終わりシステムが安全を確認すると再び上述と同じ手順で元の車線に戻ることができる。また分岐に差し掛かかった場合も同様で、追い越しと同じプロセスを経て車線変更を自動で行う。
最後に高速道路の出口が近づくとディスプレイ表示と音でドライバーに通知し、連絡路へ分岐すると運転支援を終了する。
なお、ドライバーが前方注意やハンズオンを促す警報に反応しなかった場合には、システムが非常事態が発生したと判断。ハザードランプを点灯して徐々に減速しながらクルマを緊急停止させると同時に、専用のオペレーターに自動接続。必要に応じてオペレーターが救援を要請する「SOSコール機能」も搭載されている。
ちなみにプロパイロット2.0は、ハイブリッド全車に標準装備され、ガソリン車には搭載されない。この最新技術を体験したいなら、ハイブリッド車からの選択となる。
コネクトサービスも新たな時代へ
古くは1998年から採用が始まった「COM-PASS LINK」、2002年に始まった「CAR WINGS」など、クルマのつながる化にも注力してきた日産。そして2017年からは「Nissan Connect」が始まった。今回、新型スカイラインではその機能がさらに進化した。
まずは、「OTA(Over The Air)自動地図更新」機能の追加。車載通信機を介して、年に3回のペースでカーナビの地図を自動で更新される。
「ドアtoドアナビ」は、スマホで設定したルート計画が、クルマに乗ると目的地がそのままスマホに移動し、クルマを降りたら目的地まで再びスマホの案内に切り替わる便利な機構だ。スマホで設定した目的地が、途中ナビを介してシームレスに案内を継続する。
「ドライブ制限アラート」では、家族が運転しているクルマのエリア、時刻、上限スピードをアプリで設定することができる機能。設定を超えるとスマホに通知されるので、免許取りたての子供や高齢の親などの状況を確認できる安心サービスだ。
最後が車内Wi-Fi「docomo in Car Connect」への対応だ。別途NTTドコモとの契約が必要になるが、クルマの中がWi-Fi環境になるのはすごく便利。データ通信料を気にせずに、動画が思う存分楽しめるのはありがたい。次回はいよいよ注目の「走り」の進化について解説しよう。
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