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業界ニュース 2019.7.1

人気車ノートやアクアはなぜ売れる? 小型車市場で明暗分かれる理由とは

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 近年の新車市場において、コンパクトカーは人気のボディタイプのひとつとして挙げられます。そんななか、コンパクトカーのジャンル内における販売ランキングを見ると、価格の手頃さが特徴となっている車種でも販売実績が低迷していることがあります。

 普通車が安価に買えるというメリットを考えれば、セールスも好調になるのが普通のように思えますが、なぜ販売実績が振るわないのでしょうか。

    日本のコンパクトは「ノート」「アクア」の2強時代? なぜ「フィット」は加われないのか

手頃な値段が魅力の日産 マーチ 日本自動車販売協会連合会が発表した2018年度(2018年4月から2019年3月)の新車販売台数(軽自動車・海外ブランドは除く)において、1位を獲得したのはコンパクトカーの日産「ノート」です。1年間で13万1760台を売り上げました。

 2位にもトヨタのコンパクトカー「アクア」(12万7899台)がランクインしているほか、トップ10のうち半数をコンパクトカーが占めていることからも、コンパクトカーは依然として人気のボディタイプといえます。

 しかし、なかには販売が振るわないコンパクトカーも存在します。

 例としては、日産「マーチ」、トヨタ「パッソ」、ダイハツ「ブーン」が挙げられます。販売ランキングは、マーチが44位(1万1557台)、ブーンのOEM車であるパッソが20位(4万7183台)、そして本家モデルのブーンが46位(1万768台)という結果です。

 これら3車種の特徴として「普通車としては群を抜いて安い価格」と「3.7メートルから3.8メートル前後の全長」のふたつを兼ね備えている点があります。

 まずマーチのエントリーモデルの価格を見ると、115万1280円から(消費税込:以下同様)と普通車のなかではトップクラスに安い価格設定となっています。

 パッソとブーンのエントリーモデルも117万7200円からと安価で、近年高価格化が進んだ軽自動車とは対照的です。

 また全長に関しては、マーチは3825mm(NISMOグレード・ボレログレードを除く)、パッソは3650mmから3680mmとなっています。

 これは、コンパクトカーの売れ筋モデルに多い約4メートルと、軽自動車規格である3.4メートルの間に位置する全長だといえます。

 一見すると、価格と軽自動車と普通車の特徴を兼ね備えたクルマのように見えますが、なぜ販売台数が伸びないのでしょうか。

 理由としては、近年のコンパクトカーのトレンドとして、高付加価値がついたモデルが人気となっていることがあります。

 販売ランキングのトップ10に入ったコンパクトカー5車種のうち半数以上にハイブリッド仕様の設定があり、2位のアクアに関してはハイブリッド専用車です。

 そして1位のノートには、エンジンで発電した電力を用いてモーターで走る「e-POWER」というパワートレインが採用されています。

 日産の販売店スタッフも「ノートは元々販売実績が良かったのですが、『e-POWER』の登場によって『売れているクルマ』の常連となりました」とコメントしていることから、人気のクルマとなるためにはプラスアルファの要素が求められているといえるでしょう。

軽自動車の質感向上も、コンパクトカーへの逆風に さらにマーチ/パッソ/ブーンと立ち位置の近い軽自動車において、メーカー間の開発競争が年々熾烈さを増している点も、3モデルにとっては逆風となっています。

普通車と軽自動車の価格差は逆転しつつある(写真はホンダ N-BOX) 近年、軽自動車は走行性能や内外装の質感、装備の充実度においてコンパクトカーを凌駕する勢いで進化を続けており、軽自動車とコンパクトカーを比べて検討するというケースはまったく珍しくないものになっています。

 2018年度に販売台数No.1を達成したホンダ「N-BOX」は、年間販売台数が23万9706台を記録したほか、ノートより販売台数の多い軽自動車はN-BOXを含め5モデルも存在しています。

 ちなみにN-BOXのスタート価格は138万5640円からと、マーチ/パッソ/ブーンよりも高い価格設定です。しかし、普通車と軽自動車の価格が逆転していたとしても、維持費の安さから比較対象としてあげられているのが現状です。

 高い付加価値がウリのコンパクトカー・軽自動車から板挟みを受けるかたちで、『価格の手頃さ』『ボディの小ささ』をセールスポイントとしていたタイプのコンパクトカーは徐々に劣勢を強いられています。

 一方、前述した3モデルの特徴のひとつである「全長3.7メートルから3.8メートル前後のボディ」に新たな付加価値をつけることで販売面で成功したクルマもあります。

 そのモデルは、トヨタ「ルーミー」/トヨタ「タンク」/ダイハツ「トール」です。これらは兄弟車で、ルーミーとタンクはトールのOEM車という位置づけとなっており、同様にスバルへ供給されたOEM車として「ジャスティ」があります。

 普通車の2018年度販売ランキングにおいて、ルーミーは9位(8万6645台)、タンクは12位(7万3013台)、トールは31位(3万227台)を記録しており、3車種合計の販売台数は18万9885台を記録しています。ランキングトップ50圏外となったジャスティも含めれば、およそ20万台程度売り上げているのは確実といえるでしょう。

 これらの4車種は、前述のトールとプラットフォームをはじめとした基本設計が共通となっており、そのため3700mmから3725mmとブーン並の全長となっています。

 その上で、ルーミーをはじめとするこれらのモデルが人気となった要因は、『ボディの小ささ』と『室内の広さ』の両立です。

 ルーミー4兄弟は、ベースとなったブーンに対しボディの形をグッとスクエアにしました。全高も、1525mm(ブーン/パッソ)から1735mm(ルーミー/タンク/トール/ジャスティ)まで引き上げられています。

 その結果、室内高は1355mmと、子どもが車内で着替えられるほどの室内空間を実現しました。扱いやすいボディサイズと広大な車内空間の両立が、ルーミー4兄弟の最大の特徴です。

軽自動車にも対抗できる魅力あるコンパクトカーが求められている また、ルーミー4兄弟はライバルとなる軽自動車に対しても、対抗できるセールスポイントを持っています。

2018年度新車販売ランキングで9位を獲得したトヨタ ルーミー 近年、軽自動車市場で人気のジャンルとなっている「スーパーハイトワゴン」は、ルーミー4兄弟と同じく全高が高められ、室内高を稼ぎ出すことでファミリー層へ積極的にアピールしています。

 しかし、軽自動車は規格で縛られていることから排気量を660cc以上に引き上げることができず、定員も4名です。

 一方、普通車のルーミー4兄弟は1リッターエンジン(ターボ仕様・ノンターボ仕様それぞれ存在)を搭載しているので、動力性能に余裕があります。また定員5名となっている点も大きな違いです。

 ルーミーとタンクについて、トヨタの販売店スタッフは次のように説明します。

「ルーミーとタンクは比較的の販売好調なモデルです。理由としては、室内空間の広さが挙げられます。そして、軽自動車よりも走りが安定している点や、ミニバンより取り回しが良いといった部分も受けています。

 そのため今までセダンやミニバンに乗っていたユーザーが、軽自動車ではなく、ルーミー/タンクを選択することも多いです」

 ※ ※ ※

 コンパクトカー市場において、ユーザーから求められる要素は常に変化しています。また、他ジャンルである軽自動車におけるトレンドからも、影響を受け続けているといえるでしょう。

 自動車メーカーは開発において、次の世代のユーザーが何を求めるのかを常に意識し続けながら、開発をおこなっているのです。

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(くるまのニュース くるまのニュース編集部)

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