100年に1度といわれる大変革期を迎えている自動車業界では、新たなニーズを掘り起こすべく、新生モデルが多く誕生している。
その一方で、時代の合わせた進化を遂げつつも伝統のネーミングを守り抜くモデルたちもある。
納車待ち1年も!? 新型スープラ なぜ販売混乱?? 「売り方」は正しかったのか
今回は、生まれ変わることで新たな栄光を手にしたクルマたちを紹介したい。
文:大音安弘/写真:編集部
■トヨタRAV4はデカくなっても販売は堅調に推移!!
【成功度★★★★★】
今、生まれ変わって最も成功を収めているクルマといえば、トヨタのクロスオーバーSUV「RAV4」だろう。
キムタクのCMも評判となった初代は、日本でも大ヒット。街乗りクロスオーバーSUVの先駆者となった。しかしながら、日本では、2代目以降は目立った活躍はなく、3代目モデルが2016年に販売を終了。
ルックス重視のアーバンSUVが増えるなか、RAV4はしっかりとした4WD技術を搭載して登場。しかしながら"やりすぎない"ことも大切で、ファミリー層にも購入しやすい爽やかなイメージだ
4代目は、海外専売モデルへと転身した。しかし、第5世代となる新型では、2年半以上のブランクのにち、再び世界戦略車として、日本復活を果たす。
この新型が大好評なのだ。2019年4月10日の発売から約1か月で、約24000台を受注。
さらに登録ベースでも4月の3136台、5月の6817台とグングン記録を伸ばしている。最大のポイントは、街乗りSUVからリアルSUVへの転身だろう。
初代から3代目までは、3ドアのショートボディと5ドアのロングボディを備えたカジュアルなクロスオーバーSUVであったが、4代目からは主流である5ドアモデルに一本化。
上級SUVの人気の高まりを受けて、よりモダンな街乗りSUVへと進化を遂げる。
ところが5代目では、単なる街乗りSUVではなく、SUVとしての本質を追求。タフさを感じさせるアグレッシブなスタイル、機能性とシンプルさを追求したインテリア。
RAV4では3種類の4WDを用意している。価格やオーナーの用途によって選択ができるのも嬉しい部分だ
そして、贅沢にも異なる3タイプの4WDシステムを採用するなど、オフロード性能を備えながらも、歴代モデル同様短さを備えたSUVへと転身を遂げたのだ。
新型ジムニーの好調にも裏付けられるように、より本物志向が高まる昨今のユーザーの心を鷲掴みとしたのだ。因みに、サイズ的にも歴代モデルの中では最もワイドだ。
■前評判とは違う?? そこそこ売れているホンダ シビック
【成功度★★★★☆】
シビックも、見事な返り咲きを果たした一台だ。シビックといえば、その名が示すように、ホンダを代表する大衆車として、世界中の多くの人々に愛されてきた。
しかしながら、日本では、2005年登場の8代目では、てこ入れとして伝統のハッチバックを廃止。ワンランク上を目指した3ナンバーボディのセダンに一本化する。さらにハイブリッド仕様を新設するなど巻き返しを図るも不振に……。
ターボになり2世代目のシビックシリーズ。サイズも大きくなったものの圧倒的な性能でタイプRは選ばれ、ハッチバックも地味ながら実用性の高さで人気だ
その結果、2010年を最後に日本からシビックの名が消えることになった。これは同時に、日本でのタイプRシリーズの終焉を意味していた。
あれから7年後となる2017年に、10代目となる最新型がデビュー。新型は、4ドアセダンと5ドアハッチバックの2本立てに。世界共通のワイドボディで、歴代最も大きなシビックとなった。
新型の特徴は、全てモノグレードとなり、4ドアセダン、5ドアハッチバック、タイプRの3種類となったこと。タイプRはボディタイプこそ5ドアハッチバックだが、初期から専用設計が進められるなど、単なる派生モデルを脱した。
新型の最もユニークな点は、セダンが日本製であるのに対して、5ドアハッチバックとタイプRは、イギリス製の輸入車となること。このため、セダンはレギュラー仕様なのだが、ハッチバックとタイプRは、ハイオク仕様となる。
また5ドアハッチバックでは、6速MTが選べるのも朗報であった。従来のシビックというよりも、タイプRの存在を意識させるスポーティなスタイルと走りのよさがウケているようだ。
2018年の年間販売台数は好調を維持しており、シリーズで1万8286台を販売。圧倒的に5ドアハッチバックが人気であり、全体の約6割を占める。
セダンは需要の少なさもあるがイマイチ。日本で製造されるだけにもうちょっと頑張ってほしい??
サイズこそ大きくなったが、長年人気誇ったハッチバックの返り咲きは、多くのファンやクルマ好きから再び関心を集めている証ともいえそうだ。
残りの内訳は、セダンの4441台、タイプRの2824台と続くが、タイプRは高価で生産台数も限られることを考量すると、タイプR人気根強しといえる。ただ日本製のセダンには、もう少し健闘して欲しいところだ。
■クロカンからの脱却も地道に残るエスクード
【成功度★★★☆☆】
エスクードも大変身を遂げた一台だ。1988年登場の初代は、本格クロカン同様にラダーフレームを持ちながら、コンパクトかつスタイリッシュなボディを組み合わせることで「街乗りクロカン」という新ジャンルを開拓。
これがのちのRAV4に代表される街乗りクロスオーバーSUV誕生へと発展していく。
幌ボディの設定もあった初代エスクード。これだけ見るとジムニーのようにも思えるが、後に5ドア化された"ノマド"も追加されるなどキャラクターは明確に違った
1997年登場の2代目は、キープコンセプトの3ドアと5ドアを持つベースモデルに加え、2.7Lエンジンと7人乗りを可能とした上級仕様の「グランドエスクード」を設定。
3代目は、グランドエスクードの流れを強く受け継ぎ、日本市場では5ドアモデルのみに(海外では3ドアが継続された)。
独立フレームこそ廃止されたがフレーム構造を内蔵したモノコックボディとするなど、進化すると共に、クロカン色も高められていた。
2代目はややあか抜けて都会派に。それでもエスクードには確固たる4WDへの強い思いがあった
ところが、2015年登場の4代目は全てを一新。大胆に生まれ変わることになる。クロスオーバーモデルの「SX4 Sクロス」とベースを共有するモノコックボディを採用。
これによりシリーズ初のFFとFFベースの4WD車となった。生産地も、日本ではなく、欧州スズキの生産拠点であるハンガリーへと移された。
結果として、フレーム構造ボディや副変速機付きの本格4WDシステムなどの伝統が失われたのは事実だ。それもあり、一時、旧型エスクードが併売される措置も取られた。
かつての4WDシステムがなくなったものの、SUVとしての存在感は悪くないエスクード。ジムニーとの棲み分けはできたとも言えるが、なんだか寂しい気がしなくもない
しかし、失ったものがあれば、蘇ったものもあるのだ。それは初代のキャラクターだ。
歴代モデルは、基本に充実であったからこそ、クロカンらしさを増していくが、それは初代の親しみやすいクロカンというキャラクターを薄れてしまった。
全面刷新したエスクードだが、その心は原点回帰を図ったのである。現在、輸入車ということもあり、2018年の年間販売台数は、2248台に留まるが、ここでは数字ではなく、エスクード魂が失われていないことを評価したい。
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