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【どこまでがOKでどこからがアウト?】これって車検通りますか?

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【どこまでがOKでどこからがアウト?】これって車検通りますか?

 クルマには車検が義務付けられていて、新規初回登録後の3年後、その後は2年ごとに車検を受ける必要がある。

 何も手を入れていない状態のクルマであれば、保安基準に定められた性能を保持していれば問題なく車検をパスできるが、チューニングやドレスアップしたクルマについては、そのままでは車検をパスすることができないケースも出てくるので注意が必要だ。

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 本企画では、人気のパーツ、装備などについてどこまでがOKでどこからがアウトなのかを明らかにしていく。

文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカー編集部、平野学、MITSUBISHI

車検対応用品でも車検に落ちることも

 まず、アフターパーツを取り付ける時に重要なことは、車検対応した用品であることが大前提となる。

 ここで気になるのは、用品店などでパーツを物色していると『車検対応品』、『保安基準適合品』という2種類ものもが混在しているのを目にした人も多いはずだ。

新型スープラはチューニング、ドレスアップの格好のターゲットで注目度抜群。この手のクルマは車検対応パーツと同じくらい過激な違法パーツも出てくるので要注意

『車検対応品』が既に登録ずみの車検にのみ適用されるというものに対し、『保安基準適合品』は新車基準にも適合しているという違いがある。

 具体的な例としては、ディーラーで新車を購入して自分の好きなパーツを装着した状態で納車をお願いする場合、保安基準適合品は可能だが、車検対応品ではダメということだ。しかし、どちらも車検にパスはできるという点では同じ意味合いになる。

 この車検対応品、保安基準適合品のパーツを選ぶというのがファーストステップ。

 続くセカンドステップとしては、購入後に手を入れてないこと、正しい状態で取り付けられていることが条件となる。つまり、取り付け方がまずければ車検には受からないので自分が取り付ける場合は注意が必要だ。それでは個別に見ていこう。

キャリア&ルーフボックス

 車検証に記載されたサイズ、重量を基準に、

■全長:±3cm
■全幅:±2cm
■全高:±4cm                                                                                      
■車両重量:±50kg(軽自動車・小型自動車)
      ±100kg(普通自動車・大型特殊自動車)

上記のようなサイズ変更の規定というものが存在する。

 ルーフキャリアやルーフボックスを装着すると前項の基準である+4cmの基準を大幅にオーバーしてしまう。背面キャリアの場合は、全長がオーバーしてしまう。

ルーフキャリアは全高が変わるが、ボルト止めなど取り外したが可能な状態ならそのまま車検を受けてパスできる。しかし溶接されていたりすると構造変更が必要

 しかし、これはボルトなどで脱着可能なものなら車検をパスするので、装着したまま車検を受けることができる。リベット止めや溶接によって装着されて簡単には脱着できない場合は、寸法基準をオーバーするため、取り外すか構造変更の申請をしなければいけない。

 このキャリア&ルーフボックスで注意したいのが、脱着可能なら装着したまま車検はOKと説明したが、これは継続車検の場合のみとなっている。

 登録が切れたクルマを新規登録する場合の場合は、リベット止めや溶接した場合同様に、取り外すか構造変更申請のどちらかを選択しなければいけない。

 ルーフキャリアなどは取り外しできればそのまま車検はパスするという認識はあっても、中古新規の場合は適用されないことを覚えておこう。

自転車ブームもありリアに自転車キャリアを装着しているクルマも多い。タクシーでさえ装着しているものも出現。取り外し可能なタイプはそのまま車検OK

マフラー

 車検対応品、保安基準適合品の上の基準で検査されているJASMAの認定プレートが装着された商品を選ぶことが何よりの安心となる。

 マフラーについての検査基準はかなり複雑で、厳しくなっているので注意が必要だ。

■最低地上高
 保安基準で定められている最低地上高の9cm以上が確保されていなければいけない。マフラーはクルマの底部分に配置されているため、バンパーなどで9cm以上を確保していても、配管部分がそれより低くて不合格というケースは多いという。

■取り付け位置                          
・2007年12月31日までに生産された車両:マフラーが車体から出ていないこと
・2008年1月1日以降に生産された車両:フロアラインを含む鉛直面から10mm以上でてはいけない。60度、30度、90度の直角三角形の定規の斜辺をバンパーに当てて、その斜辺にマフラーが当たれば車検には通らない

マフラーに関する規制は、取り付け位置と音の両面ある。写真を見てもわかるとおり、保安基準適合品はボディからマフラーが突き出していない

■騒音基準
・2010年3月31日までに生産された車両:エンジン搭載位置、乗車定員により分類されているが、近接排気騒音が96~103dB以下に規定
・2010年4月1日以降に生産された車両:近接排気騒音が96dB以下に規制

 近接排気騒音に加え、加速時の騒音が82dB以下であるという規制も加えられている。

 生産された時期により規制値が違うので要注意。さらに、不正改造を徹底的に排除する方針により、マフラーの規制値は今後さらに厳しくなるのは間違いない。

タイヤ&ホイール

 2017年6月に保安基準が改正され、その中にタイヤのはみ出しについて変更があった。

その変更内容は、最も外側のタイヤ部分は10mm未満ならはみだしOKと改正された。

 この規制緩和を大歓迎するムードがあったものの、はみ出していいのはタイヤに限定されているので、ホイールは適用外。つまりこれまでとほとんど変わらない。

写真右が前で、時計に例えると、11~2の間がホイールがはみ出してはいけない領域。この写真はどの位置もはみ出していない車検に適合した状態

 このように規制緩和によりホイールも含めて10mm未満ならはみ出していいことになったと勘違いしている人は意外に多いので注意が必要だ。

 タイヤ&ホイールについては、回転部分の突出禁止規定があり、ホイールに関しては規制緩和後も前30度、後ろ50度の範囲はフェンダー内に収まっていなければいけない。

 ホイールのリムとフェンダーの際を揃える『ツライチ』は根強い人気を誇るが、規制緩和後もはみ出してはダメ。

カーナビ&ドラレコ

 カーナビ、ドラレコとも装着すること自体は何も問題がないので、装着したまま車検を受けることができパスもする。

 問題は取り付け場所で、カーナビの場合、後付けでダッシュボードに装着する場合、フロントウィンドウが大きく隠れるようなケースはNGとなる。大画面ナビが流行っているだけに気を付けたい。

 ドラレコの装着位置は、ウィンドウの場合、上部20%以内の場所と規定されている。上部20%は関してもだいたいルームミラーの位置と考えて問題ない。ルームミラー装着タイプは100%OK、ルームミラー裏も車検ステッカーにかからなければ問題ない。

 たまにダッシュボード付近に取り付けているクルマも存在するが、 車両の前方2mの位置にある直径30cm、高さ1mの柱を直接見ることができるかということに抵触する恐れがあるので要注意。

後付けで大型モニターのナビを装着するのが流行っているが、フロントウィンドウに大きく干渉する位置に装着すると車検に通らない可能性が高いので要注意

モニター類

 サンバイザーやシートのヘッドレストに液晶モニターを埋め込んでいるミニバンなども見かけるが、強度検査済みの証明書がある場合以外車検には受からない。

LEDテープ&アンダーネオン

 LEDテープは新しめの商品ということもあり、明確な規定もできていないためグレーゾーンといえる。内外装に使われているが、外装に使う場合、灯火類として判断されるケースが多い。

 そのため、赤色でないこと、明るさが300カンデラを超えない、点滅したり明るさが変化しないなどの保安基準に照らし合わせれることになる。とはいえ現場判断の面が大きく、検査員によってOK、NGがわかれるのが厄介な点だろう。

 いっぽうクルマの下を照らすアンダーネオンに関しても規定がないため現場判断。灯火類とはみなされないが、他のクルマの走行に迷惑になるくらい明るすぎると判断されて車検NGとなったという話もあれば、そのままOKだったというものもある。

車高調

 後付けで車高調を入れたいと思っている人は知っておいてほしいのは、最低地上高の9cmのほか、スプリングにゆるみがないなどの条件を守っていれば車検は問題なくパスする。

 しかし、純正がエアサスペンションのクルマの場合はそのままでは車検は合格しない。エアサスペンションはコイルスプリングを搭載していないため、コイルスプリング式の車高調に変更した時点で構造変更したことになり、基本的に記載変更が必要となる。

今では少数派になっているが、エアサス装着車にコイル式の車高調を組み込んだ場合、そのままでは車検に適合せず、構造変更申請の必要がある

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