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安全神話だけじゃない? 世界的に見れば小メーカーのボルボが日本で伸びる理由とは

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安全神話だけじゃない? 世界的に見れば小メーカーのボルボが日本で伸びる理由とは

 2年連続で日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞

 ボルボは近年、ボルボ史上最上のクルマをリリースし続けている。そのきっかけとなったのが、新世代ボルボ第一弾として、日本に2016年1月に上陸したXC90である。なにしろ1兆3000億円超という資金を調達し、プラットフォームなどを一新。ファーストクラスのオールラウンダーとして、日本はもちろん、世界中で脚光を浴びた。その背景には、世界的なSUVブームも後押ししたはずだ。

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 しかし、日本においてボルボ人気を決定づけたのは、2018年ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー、2017-2018日本カー・オブ・ザ・イヤー、北米SUVオブ・ザ・イヤーなどを受賞し、日本では2017年10月に登場したXC60だろう。長年ボルボで働くスタッフでさえ、「史上最上のボルボ」と感嘆の声を上げるほどのデザイン、内外装の上質極まるスカンジナビアデザイン、走行性能、悪路走破性、そして世界最高峰の先進安全運転支援機能の持ち主だった。

 日本の自動車ジャーナリストの評価の高さは、日本カー・オブ・ザ・イヤーの輸入車として2台目となる受賞からも明らか。もちろん、ボルボディーラーのサービスの良さも、販売に拍車をかけたはずである。

 安全なボルボ……という硬いイメージから一気に脱却したのが、2018年3月に日本で発売された、389万円から買えるカジュアルなXC40。

 比較的コンパクトな日本の路上にもジャストなサイズを持つとともに、日本車真っ青の豊富な収納の数々や、16種類以上の世界最先端の先進安全運転支援機能は高評価を得ている。また、走りだして10mもしないうちに感動できる上質でスムーズかつ静かな走行性能を持ち、SUVブーム真っ盛りということもあって、そのファーストエディションは即完売。

 その後も長い納期待ちが続いている超人気ぶりなのである(世界的に人気で、日本の台数割り当てが少ないのもその原因)。今では7モデルが揃い、選択肢の豊富さもユーザーフレンドリーポイントと言えるのだ。

 結果、XC40は2018年欧州カー・オブ・ザ・イヤーをはじめ、2018-2019年日本カー・オブ・ザ・イヤーをXC60に続いて2年連続で受賞。かつてない栄誉を手に入れたのである。

 日本市場のリクエストが反映されたモデルも

 さらに、ボルボは立て続けに新車をリリース。2018年9月には、久しぶりのボルボ・エステート、V60を登場させている。なんとこのV60、ボルボ・カー・ジャパンのリクエストによって車幅を1850mmに抑えたという日本市場を重視したモデル。全長4760mmはともかく、例えばV90の1890mm、XC90の1960のmmもの全幅からすれば、日本でも扱いやすいサイズと言えるのだ。

 しかもV60は車両の5年保証を実現。品質の自信を伺わせるとともに、輸入車の故障に不安があるユーザーにも大きくアピール。高い先進安全運転支援機能とともに、アウトドア派や愛犬家に絶大なる人気を誇ることになる。それに続くV60クロスカントリーはワゴンとSUVを融合させ、乗降性や荷物の積載性も容易な全高1505mmとした。多くのユーザーに理想的な1台として、ボルボ人気をXC40とともに加速させている。

 そう、ボルボの安全性第一……のイメージを継承しつつ、デザインの洗練性、走りの良さ、経済性の高さ、信頼性の劇的進化に加え、価格設定の戦略的適切さ、この2年間の魅力溢(あふ)れる新車攻勢、そして繰り返すが、世界最高峰の先進安全運転支援機能を含む、いたせりつくせりの商品力が、世界的に見れば小さな自動車メーカーと言えるボルボの飛躍的な伸びしろの理由と言ってよいだろう。

 クルマの安全性がことさら注目されている今、2008年に新しいボルボ車の交通事故による死亡者や重傷者を2020年までにゼロにするという「Vision 2020」を発表したボルボが、一段と輝いて見えるのも本当だ。

 輸入プレミアムカーとして、街に溢れるドイツ車に対して圧倒的に数が少ないという個性的かつこだわりの選択に映る魅力、新世代ボルボの新車攻勢と合わせて日本のプレミアムカー、プレミアムカーユーザーを知り尽くし、レクサスなどの自動車メーカーを歴任した現ボルボ・カー・ジャパンの木村社長の圧巻の手腕も、日本におけるボルボ躍進の原動力となっていることは間違いない。

 実際、モータージャーナリストであり、ドッグライフプロデューサーでもあるボクも、次期愛犬用愛車の筆頭候補は、ボルボなのである。

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